オランダ・フローニンゲン大学のJ. リウたちは,死に関連する情報への接触がその後の消費者のブランド選択に影響する,と主張しています。彼女たちによれば,人々は死について考えると,知らず知らずのうちに自国のブランドを選びやすくなるのです。
JMR 47-2の最近のブログ記事
[2014/08/14追記] 以下で紹介している論文の第二著者 Dirk Smeesters 氏が、研究上の不正を犯していたことがあきらかになりました。エラスムス大学の調査委員会は、2014年5月の最終報告書(PDF)において、この論文を含む7本の論文に不正を認めています。委員会はこの論文の撤回を勧告しています。 興味深い研究なのに、とても残念です...
昔の経済学者の名台詞に,「長期的にみれば我々はみんな死ぬ」というのがあるんだそうです。偉い先生にいわれるまでもなくあたりまえの話ですが,ふだんは死ぬことなんてあまり考えずのんきに暮らしているのが,我々凡人というものでして...
「最近の消費者は買い物をするときに地球に優しい製品を選んでいることが,調査の結果あきらかになりました!」という主旨の記事をみかけたことがあります。いったいどうやって調べたのか,よく読んでみると,「私は環境に配慮した製品を買うように心がけている」という設問に対して「はい」と回答する人が多かった由。ううむ,人を信じるのは素晴らしいことだけど,調査に対する回答をあまりに真に受けるのは,ちょっといかがなものかしらん?
マーケティング・リサーチでは,質問紙をつかった調査が大きな役割を果たしています。質問紙調査のひとつの問題点は,回答者が自分の本当の態度や行動に基づいて回答せず,自分を良くみせるように回答を歪めてしまうのではないか,という点です。この現象は「社会的に望ましい回答」(SDR)と呼ばれています。SDRは質問紙調査の本質的な特徴であり,決め手となる対策はなかなかないのですが,対処の手がかりとして,SDR傾向の個人差,つまり自分を良く見せるような回答をする傾向の個人差に注目するアプローチがあります。ノースカロライナ大チャペルヒル校のJ.E.M.スティーンカンプたちは,マーケティング分野でのSDR傾向の研究を概観し,SDRへの対処のガイドラインを提案しています。