店員さんの上手なお世辞はお客を喜ばせ,財布の紐を緩くします。では,見え透いたお世辞はどうでしょうか? かえって逆効果だ,と思うのがふつうだと思います。香港科学技術大のエレイン・チャンたちはこの常識に異議を唱えています。二重態度モデルと呼ばれる考え方に基づけば,いかにミエミエのお世辞でも効き目があるはずだ,その効き目は時間が経つと強くなるはずだ,というのです。
JMR 47-1の最近のブログ記事
近年では厳しい競争を勝ち抜くために,多くの企業が顧客満足の向上に力を注いでいます。では,国中の企業の顧客満足がみんな高くなったら,いったい何が起こるのでしょうか。自社も競合他社も顧客満足が高くなるのですから,結局はなにも変わらないのでしょうか? ミシガン大学のクレス・フォーネルたちは,アメリカ中の企業の顧客満足が全体的に高くなると,米国民の消費支出の合計が増える,と考えています。アメリカのGDPの7割以上は個人消費であることを考えれば,顧客満足の全体的向上は経済成長につながる,といってもよさそうです。
おばちゃんたちが世間話をしていました。共通の知人であるナントカさんについての噂話です。「あの人ちょっとねー,自分の意見を無理やり通すところあるでしょう?」「そうそう。私もそう思ってたのよー」「でもあの人,まわりの意見に流されちゃうこと多いのよー」「そうそう,そういうところあるわよねー」...どっちなんだ!
調査対象者に「人生において最も大事なのはお金だ」という文を示し,同意できる程度を聴取しました。その結果,「非常に同意できる」にマルをつけた人の割合は日本人よりもアメリカ人で大きい,という結果が得られました。さて,この結果は,アメリカ人のほうが拝金主義的だということをあらわしているのでしょうか? それとも,アメリカ人はどんな質問文に対しても「非常に同意できる」と答えやすいイエスマンたちだ,ということに過ぎないのでしょうか?...これが「回答スタイル」の問題です。オランダ・エラスムス大学のファン・ロスマーレンたちは,評定データにおける回答スタイルの影響を統計的に取り除き,対象者の態度だけを取り出す手法を提案しています。
企業がブランド拡張に失敗したとき,親ブランドはどのくらい傷を負うのでしょうか? シンガポール・南洋理工大学のシャロン・イングは,ブランド拡張の失敗が親ブランドを傷つける程度は文化によって異なると主張し,興味深い実験をおこなっています。
米エモリー大のライアン・ハミルトンたちは,売り場の品揃えに高級品を追加したり廉価品を追加したりしたとき,消費者がそのお店に対して持つイメージがどう変わるかを,実験によって調べています。彼らが注目したのは,「あのお店は値段が高そうね」といった,小売店の価格イメージの変化です。