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2018年9月17日 (月)
ビジネス・行政のためのGIS (シリーズGIS)
[a]
/ 朝倉書店 / 2008-03-01
仕事の役に立つかと思って読んだんだけど...
2018年5月 3日 (木)
応援される会社 熱いファンがつく仕組みづくり (光文社新書)
[a]
新井範子,山川悟 / 光文社 / 2018-01-17
2016年10月 6日 (木)
マーケティング・リサーチの基本
[a]
岸川 茂,JMRX / 日本実業出版社 / 2016-09-29
お世話になっている方が企画し、知人を含め多くの人々が寄ってたかって書いた本。どうか売れますように... 南無南無...
2015年1月13日 (火)
経験価値マーケティング―消費者が「何か」を感じるプラスαの魅力
[a]
バーンド・H. シュミット / ダイヤモンド社 / 2000-12
原稿の都合で再読。本棚に見当たらず、新刊の入手もできないので、汐留の広告図書館に籠もって目を通した。我ながら物好きなり。
2014年8月 5日 (火)
消費者の歴史 ― 江戸から現代まで
[a]
田村正紀 / 千倉書房 / 2011-05-02
江戸時代にはじまる「消費者の通史」。これ、どういう読者層に向けた本なのだろうか...
2013年8月26日 (月)
データサイエンティスト データ分析で会社を動かす知的仕事人 (ソフトバンク新書)
[a]
橋本 大也 / ソフトバンククリエイティブ / 2013-08-19
2012年2月28日 (火)
プロモーション効果分析 (シリーズ・マーケティング・エンジニアリング)
[a]
守口 剛 / 朝倉書店 / 2002-12
仕事の都合で読んだ。著者はこの分野のすごく有名な先生。読む前はちょっと憂鬱だったのだが,とても勉強になりました。
1章~4章はプロモーション(販促)効果研究の概説。5章からは分析事例で、順に、
- ブランド選択の多項ロジットモデルの個人パラメータを潜在クラスで説明するモデル(5章)
- あるブランドに対する個人の内的参照価格を項目反応理論で説明して縦断で追うモデル(6章)
- 小売店のPOSデータに売上モデル(積乗モデル)を当てはめ所与の粗利率とプロモーションコストの下での最適価格を出す話(7章)
- ID-POSデータを使い各種プロモーションの有無で購買生起を予測する決定木(C5.0)をつくる話(8章)
9章は、価格プロモーションの弊害と、FSPなどをつかったダイレクト・プロモーションの考え方の紹介。
いくつかメモ:
- 横軸に価格プロモーション、縦軸に売上数量をとった反応曲線は、ロジスティック関数みたいなS字型になりそなものだが、「一般的な結論を得るには至ってない」由。へえー。Blattberg et al.(1995, Marketing Sci.)というのが引用されている。
- ブランドのマーケット・シェアを従属変数にしたモデルは、ブランドの魅力度を指数関数で表現すると多項ロジット型のモデルになる。いっぽう個人の選択確率のモデルでも多項ロジット型の定式化がされる。でもこの2つは導出過程が全然ちがうので注意するように、とのこと。なるほど、前者には誤差項が第1種極値分布に従うというような仮定がないですね。なんとなくごっちゃにしてました。
- 購買履歴の分析なんかで、ブランド・ロイヤルティ変数というのを使うことがあるけれど(ブランド論やCSの本に出てくるような心的概念ではなくて、単に選択モデル内で状態依存性を表すための変数のこと)、「それが一種の自己回帰過程であるにもかかわらずその点が推定上考慮されていないという指摘(片平・杉田, 1994)や習慣形成と選好とを混同しているという指摘(Blattberg&Neslin,1990)などがされている」のだそうである。へえー。勉強しておこう。
- 6章で紹介されているのはこんな話。あるブランドに対して消費者 $k$ が 時期 $t$ において持つ参照価格 $W^t_k$ が $N(\theta^t_k, \sigma^2)$ に従う確率変数で、購買機会において実売価格が参照価格を超えていたら購買が生起すると仮定する。$\theta^t_k$というのは製品の知覚価値みたいなものだろうけど、これを個人の潜在特性と捉えたら、これはもう項目反応理論の世界である。なるほどー。分析例についてよく考えてみると、2パラメータIRTでいうところの識別力が固定されていたり($\sigma^2$が集団レベルのパラメータだから。所与の$\theta$のもとで価格感受性に個人差がないということになる)、また$\theta^t_k$の分布は考えず、ある回数以上買っている人のデータだけで分析してたりで、あれ? と思ったのだけれど、分析の関心は継続顧客における参照価格の時間変動にあるので(実は価格プロモーションの研究なのだ)、これで全然良いのである。そうかー、こうやって使えばいいのか。とても勉強になった。
各章に実習課題がついていて、実に親切である。Excelのソルバーをつかって多項ロジットモデルの推定をしてみましょう、とか。きっと講義の教材だったのだろう。いいなあ、楽しそうだなあ、リア充っぽい感じの大学のおしゃれなキャンパスのパソコン教室で、女の子たちと一緒にわいわい実習してみたかったなあ。などと思ったのだが、自分の20代を振り返ると、このようなカネに絡む話はもうてんでバカにして小説と哲学書ばかり読んでいたから、そんな講義には出席してみようとさえ思わなかっただろう。どうもすみませんでした。そもそも、通った大学もあまりリア充っぽくなかったし。いやそもそも、大学にろくに行ってなかったし。重ねてすみませんでした。
2011年10月 4日 (火)
ビジネス書は手に取っても全部は読まないことが多いのだが。。。
外食産業の顧客価値 「ストレス・オフ」ビジネス サービス数値化の基準
[a]
右田 圭司 / 東京書籍 / 2010-12-08
題名に惹かれて中をろくに見ずに買い,すぐに読み始め,数十頁ぶん目を通したところで,こ,これはまるで「成功した実業家が年を取ってから一念発起して大学院に入り,思いの丈を綴った文章をそのまま修士論文にしてしまったもの」を読んでいるような気分だ,と驚愕した。で,あとがきをみたら,果たしてそのとおりであった。
ここで止めたら話の種にもならないと思い,最後までめくった。なんというか,世の中いろんなことがありますね。
フレッシュネスバーガー手づくり創業記 (アスペクト文庫 B 9-1)
[a]
栗原 幹雄 / アスペクト / 2011-09-20
もちろん成功者の自慢話なんだけど,意外に面白い本であった。住宅メーカー出身で「ほっかほっか亭」創業に参画し長く店舗開発を手がけた役員が,すっかり軌道にのった会社の会議漬けの毎日に飽き飽きし,なぜか奥さんと二人でこだわりのハンバーガー屋を開店してしまう。しかし蛇の道は蛇,開店の段階ですでにチェーン展開をもくろんでいたというから,さすがである。
奥付を見ると,この本,2008年刊「面白いことをとことんやれば『起業』は必ずうまくいく」を改題・文庫化したものである由。こっちの題名のほうが絶対いいですね。
日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人―怒鳴られたら、やさしさを一つでも多く返すんです!―
[a]
三輪 康子 / ダイヤモンド社 / 2011-07-15
しばらく前に目を通したのだが,記録するのを忘れていた。新宿東横インの支配人が荒廃したホテルを建て直した体験を綴った細腕繁盛記。
読了:「外食産業の顧客価値」「フレッシュネスバーガー手づくり創業記」「日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人」
2011年6月 1日 (水)
現代の外食産業 (日経文庫)
[a]
茂木 信太郎 / 日本経済新聞社 / 1997-04
仕事の関係で読んだ本。97年刊というところがちょっと残念だが,勉強になった。
勤務先の近所の商店街に新規開店したカフェに入ってランチセットを頼んだら,オペレーションが大混乱しており,なんと40分も待たされた。しかしその間ずっとこの本を読んでいたので,大変心の広い状態で過ごすことができた。いやあ,飲食業って実に大変な仕事ですね。尊敬に値する。
2011年5月29日 (日)
浪費するアメリカ人――なぜ要らないものまで欲しがるか (岩波現代文庫)
[a]
ジュリエット・B.ショア / 岩波書店 / 2011-03-17
久々に引き当てた超・大ヒット。面白くて面白くて,読むのに時間がかかった。
原著は1998年。アメリカの中産階級は過剰な消費とそのための長時間労働によって不幸になっている,もっと減速しなきゃだめだ。という内容。サブプライム・ショックを経たいまとなっては,本の後半での提言についてはちょっと事情が変わってしまっているかもしれないけれど,前半部分の調査結果を積み上げていくところが大変に面白かった。
いくつかメモしておくと...
- Belk, et.al. (1984JCR): 子どものブランド知覚についての実証研究。日本に類似の研究はあるのかしらん。小学校高学年から縦断で調べたら面白そうだ。家庭の社会的地位の効果と中学校の公立/私立の差を統計的に分離できるかもしれない。
- Bearden&Etzel(1982JCR) 「消費が人目につくタイプの商品は購入における準拠集団の影響が強い」というパラダイムの研究の始まり。
- ブランド品に金を使うのはどんな人か。ブルデュー流にいえばハビトゥスで決まるわけだが,これは実証研究が山ほどあって,すでに1949年にデューゼンベリーという人が,ちゃんと収入をコントロールしたうえで,アフリカ系アメリカ人がステータス品を買わない傾向があることを示している(邦訳もあるらしい)。教育水準の影響を示した研究もある(もちろん,水準が高い方が買いやすい)。
- ブランド品購買と心理的特性との関係に焦点を当てた研究もあるのだそうで,Wicklund&Gollwitzer(1982)は経営学専攻の学生の調査で,成績が悪い人ほど高価な腕時計etc.を買いやすいことを示している(状態不安が高いからブランド品購入に走る,という解釈でいいのだろうか?)。またGould&Barak(1988, J. Soc. Psy)は自己意識の高さがブランド品購入につながることを示している。 いっぽう,パーソナリティとの関連はあまりはっきりしない由。
- Birdwell(1968): 所有者の車と自己像の一致の程度は高価格帯で強い。(←収入はコントロールできているのだろうか?)
- 消費を駆動する要因としてアイデンティティとステータスを別々に扱うのはおかしい。伝統的アイデンティティが衰微したとき,社会的ステータスの決定因として消費が前景化するのである。(←なるほど)
- Feinberg(1986JCR): 架空の買い物をさせる実験。実験室のすみにマスターカードのロゴマークを置いておき,これは他の実験のためのものだから無視してね,と伝えておく。すると,ロゴマークがなかった群にくらべて,実験中に使う金額が高くなる (←面白い! 「心的財布」がプライミングで切り替わるのかしらん。ロゴマークを閾下提示したらもっと面白いと思うのだが)
- 著者らの調査: 「周りの人々についていくこと」の重要性を尋ねると,,多くの対象者が重要でないと回答した。しかし貯蓄額や支出額の重回帰分析では,ほかのいろいろな変数をコントロールしても,「自分の準拠集団に比べて自分が豊かか」が強い要因となっていた(豊かでないだと思うと支出が増える)。またテレビ視聴時間も強い要因になっていた(週1時間のテレビ視聴で支出が208ドル減る)。ははは。
2011年5月20日 (金)
マーケティングの科学―POSデータの解析 (シリーズ・予測と発見の科学)
[a]
阿部 誠,近藤 文代 / 朝倉書店 / 2005-11
仕事の都合で読んだ。スキャナー・データ(POS, ID-POS, ホームスキャンデータ)の分析手法に焦点を当てた解説書。
内容は:スキャナー・データの概要、プロモーション効果のモデル(BWとSCAN*PRO)、時系列予測(平滑化、ARMA、状態空間モデル、LA/AIDSとかいうやつ)、時系列と回帰を合わせたようなモデリングの例が2つ(回帰係数が時間的に動いたりなんだり、いやあ難しいわ)、購買モデル(ポアソンモデルとハザードモデル)、選択モデル(MNLとGAM)、個人差のモデル(LCA, HB)。
章によっては解説どころかご自身の研究の紹介ではありませんか、困りますよ先生!... と、自分の能力不足を棚に上げてやつ当たりしながら読了。十分理解できたとは到底言い難いが、勉強になりました、ということで。。。
2009年12月30日 (水)
下記2冊は,随分前に読んだきり,ここに書くのを忘れていた。
マーケティングをつくった人々
[a]
ローラ メーザー,ルエラ マイルズ / 東洋経済新報社 / 2008-09
マーケティング業界のグルたちのインタビュー集。いま手元にないんだけど,記憶に残っているのは:
- パトリシア・シーボルトというCRMのえらい人のインタビューのなかで,以前フェルナンド・フローレスに認知科学を教わったんです,というくだりが出てきた。チリのアジェンデ政権の閣僚,亡命後はアカデミズムに転じてウィノグラードとの共著「コンピュータと認知を理解する」を書き,その後また実業界に転じた,あのフローレスですね。世の中狭い。
- 誰だったか忘れたけど,超有名なカリスマ的コンサルタントが,私のコンサル費はすごく高いけど,クライアント企業の問題点を誰よりも鋭く見つけ,改善策を指摘することができるのです,と豪語していた。「西部劇風にいえば,私は誰よりも早く(銃を)抜けるんです」とかなんとか。で,その後はどうなるんですか,とインタビュアーに問われていわく,さあ,それはわかりません。私は次のクライアントに行きますから。。。とのこと。な・る・ほ・ど。無名の弱小コンサルタントが食べていける理由がわかったような気がする。
コモディティ化市場のマーケティング論理
[a]
恩蔵 直人 / 有斐閣 / 2007-07-02
マーケティング系の本を読み通すことは滅多にないんだけど,この本は最初から最後まで読んだ。勉強になった本。
いまの会社に転職した年に,業務の関係で著者の先生に何度かお目にかかる機会があった。もっともそのときは,この分野でどんなに偉い先生か全然わかってなかったので,へええ,商学部の先生ってこんな感じなんだなあ,なあんて素朴に感心していた。ひょっとしたら,なにか失礼をば働いたかも。。。
2008年8月25日 (月)
ディズニーに学ぶ満足循環力―「お客様満足」+「社員満足」の秘密 (学研新書)
[a]
志澤 秀一 / 学習研究社 / 2008-03
ディズニー本第五弾。
2008年5月 6日 (火)
消費者行動論 (ビジネス基礎シリーズ)
[a]
平久保 仲人 / ダイヤモンド社 / 2005-05-19
実務家向けのやさしい教科書。出典もろくに書いていないので,読み物というべきかもしれない。
この本はしばらく前に買い込んで,読み始めて失望し放り出した。中途半端に親しみやすく,中途半端に網羅的なので,結局は勉強にならない,というタイプの本。著者はその分野の立派な研究者らしいのに,なぜこんな本を出しちゃうんだろうか。
このたび,いわゆる「消費者行動論」がふつうどんな章立てでどんな話題をカヴァーするのか,ちょっと整理してみたくなって,手始めにこの本の内容目次をつくってみた。
1. 消費者行動論とは何か?
- 顧客満足はすごく大事だ。顧客を知るためには消費者行動の理解が必要だ
- 購買プロセス:認識-検索-選択-購買-購買後評価
- 上記プロセスに並行する心的プロセス:動機づけ,学習,知覚,態度形成
- 影響要因:商業的刺激,個人的要因,社会的要因
2. 個人的影響要因
- デモグラフィクス: 社会階層(例, PRIZM)
- 購買中枢集団とは
- 使用水準(80/20の法則)
- オケージョン
- 顧客の行動範囲
- ライフスタイルとpsychographics: VALS, VALS-Japan(Rogersの普及理論)
3. パーソナリティとセルフイメージ
- フロイト理論: id, ego, superego
- 新フロイト派: ホーナイの追従型/自己主張型/遊離型, CohenのCADスケール
- 特性論:革新性,自意識,物質主義,教条主義,最適刺激水準,認知欲求
- セルフイメージ:現実の自己と理想の自己
- 自尊心:リスク行動との関係
4. 消費者関与
- 関与を表す属性:関心,商品リスク,購買リスク,愉快感,自己像
- 関与の種類:長期的/一時的; 認知的/感情的
- 関与の対象:商品, ブランド, 広告, 媒体, 状況
- 関与を高める方法: 商品を関心事と関連させる; 使用者を想定したメッセージ;心理的便益の訴求; 有名人の起用; 恐怖喚起; オピニオンリーダーの起用; 差別特徴の訴求; CRM
- 低関与購買/高関与購買の特徴
5. 問題認識(購買行動の最初の段階)
- 問題:在庫切れ,不満足,使用状況の変化,別の商品の購入による需要,生活環境の変化
- ニーズとウォンツのちがい
- ニーズの分類:機能,快楽
- 製品が示唆する「意味」が購入される
- マズローの5段階説
- ハーツバーグの2要素説
- マーレイの社会的動機のリスト
- 消費者が気づいていない問題に気づかせることが重要
6. 動機づけ
- ニーズ - テンション - ドライブ - 行動
- 機能的満足と心理的満足
- 動機の理論:動因低減説, 期待価値説
- 葛藤の分類
- 購買習慣に基づく製品分類:最寄品, 買回品,専門品
- 消費者の立場から便益について考えることが大事だ
7. 情報収集
- 内的情報収集と外的情報収集
- 購買前検索と継続的検索
- 情報収集の量が多いのは:重要度が高い時,熟練度が中程度の時, リスクが高いとき
- リスクの種類: 金銭的,機能的,物理的,時間的,心理的。社会的
- ネットをつかって関与を挙げる工夫
8. 学習
- 古典的条件づけ:USとCSの反復提示,般化と弁別
- 道具的条件づけ:報酬と罰,強化スケジュール,反応形成,観察学習
- 最近は認知的学習論というのもあります
- 説得の周辺的ルートは右脳的で中心的ルートは左脳的だ (※???)
- 広告の想起に影響する要因:予備知識,特異性,写真
9. 知覚
- 五感を通して取り入れる刺激の割合は,視覚75%,聴覚13%,触覚6%,嗅覚3%,味覚5%(※これ,出典はどこだ?!)
- 視覚的デザインは大事だ, 匂いも大事だ, 触覚も味覚も大事だ
- 刺激の絶対閾値
- 刺激への順応: 変わった媒体によって順応を防ぐ工夫
- 弁別閾: 価格のJND, 価格弾力性
- 知覚の選択性,知覚的防衛
- スキーマによる解釈
- 知覚の閉合原則による不完全情報の補完が関与を高める(※知覚レベルの自動的推論が関与を高めるってこと???)
10.態度
- 態度の強さの分類:応諾,同一化,内在化
- 態度の機能(Katz):適応,価値表出,自我防衛,知識
- 態度階層のABCモデル (※これ,出典はどこだろう...)
- 認知的不協和
- foot in the door
- 判断の係留効果
- ハイダーのバランス理論
11. 社会的影響
- グループの影響ははかり知れません
- 社会化のプロセス:モデリング,強化,社会的交流
- 準拠集団とその種類(フォーマル/インフォーマル, etc)
- 準拠集団のパワー:正当,専門,関係,褒賞,罰
- 準拠集団の影響は,ブランドに対しては人目に触れるとき大,所有に対しては贅沢品において大
- オピニオンリーダーは大事だ
12. 選択肢の分類
- 陳列カテゴリーが選択に影響する
- 60%は計画外購買だ
- ポジショニングの方法:属性,便益,オケージョン,ユーザ,競争相手,カテゴリ
- 認識集合,想起集合,検討集合
- 想起されやすいブランド:模範的,なじみ,優良,ポジティブな経験,状況との関連性,検索手がかりがある,メーカーの専門性
- 消費者の検討集合を知ることが大事だ
13. 評価選択
- 非相補的決定ルール: 辞書編纂,EBA, 統合, 分離
- 消費者のカット・オフ・ポイントを知ることが大事だ
- 相補的決定ルール:多属性態度モデル; その示唆
- ヒューリスティクス:品質を示唆する外的属性,ロイヤリティ,特異性と鮮明性
- 決定の不合理性:心理的財布,埋没費用,価格戦略の例(product-line, reference)
14. 購買後評価
- 期待不一致モデル; WOWファクターによる正の不一致; 期待値を低める
- 不満足行動のタイプ: なにもしない,直談判,第三者通告,ボイコット,起業
- ルーツ・コーズ
- 苦情処理は大事だ
- CRMは大事だ
細かい点でいろいろ納得できない記述があるんだけれど,それはまあいいとして...
一般教養向けの心理学の教科書だと,たとえば動機づけという章の下にキャノンとか期待価値理論とかマズローとかが雑然と並んでいて,唐突にレヴィンの葛藤の分類の話になって終わったりする。どういう関係があるのかさっぱりわからない。あれは概説書の良くないところだと思うのだが,この本もそういう部分を受け継いでいる。これは概説書の宿命なのか。実務家はこんなんで満足しちゃうのか。消費者行動論なんて所詮,実務家の経験にハクをつけてくれる程度のものなのか。うーん,つまんないなあ。
2008年1月27日 (日)
ハンバーガーの教訓―消費者の欲求を考える意味 (角川oneテーマ21)
[a]
原田 泳幸 / 角川書店 / 2008-01
著者はアップル日本の社長から転身したことで知られるマクドナルドCEO。マクドナルドといえば,グローバリズムの先兵,店長の過労死,労働のマクドナルド化。。。とすっかり悪役イメージがあるので,この本ではどうなっているかしらん,と底意地悪く手に取った。そういう話は露ほども言及されていなかったが(やっぱりなあ),冒頭数頁に最近起きた賞味期限偽装問題について反省する文章が突っ込んであった。発行日からみて緊急処置であったに違いない。やるなあ。
大企業の経営者が書いたという本を読んで,面白いと思ったことは滅多にないのだけれど,それは俺が組織を動かす経験に乏しく,むしろ組織に振り回され使い捨てられる悲しい星の下にあるからで,だからこの本がつまらなかったのは俺の問題だと考えるべきであろう。あえて学ぶべき点を探すと,(1)CEO様いわく,データやリサーチは戦略立案のためにではなく,戦略検証のためにあるとのこと。なるほどね,そりゃそうかもね。(2)こういう世間話本だからこそ構成が大事だ。読みやすさを決めるのはテニオハではなく話の流れ方なのだ。その点,この本は腕の立つライターさんを雇っている。
2008年1月22日 (火)
マーケティングゲーム―世界的優良企業に学ぶ勝つための原則 (Best solution)
[a]
エリック シュルツ / 東洋経済新報社 / 2002-04
実務家が書いた,企業のマーケティング担当者のための実践手引書という感じの本。よくわからないけど,類書のなかではかなり良い本なのではないかと思う。事例をただ羅列するのではなく,一般的な説明を試みているし,少なくとも構成がはっきりしていて読みやすい。そもそも実務寄りの解説書にはくっだらない本が多いのだ。
広告の効果を激減させる大罪が6つあるとのこと。傲慢(社名の過剰露出),暴食(目を引くが関係ないビジュアル),嫉妬(他社のまね),貪欲(ベネフィットの誇張),などなど。大罪なのになぜ7つではないのか? 答:「色欲は広告においては美徳だから」。は,は,は。いかにもスーツ着た人のジョークって感じですね。
2007年11月11日 (日)
化粧品のブランド史―文明開化からグローバルマーケティングへ (中公新書)
[a]
水尾 順一 / 中央公論社 / 1998-04
著者は資生堂の人で,内容の半分くらいは資生堂の話,そのうちさらに半分くらいは資生堂のヨイショ。リファレンスとしての価値は高いと思った。
日本最初の広告効果測定は,上野陽一という早大講師がライオン歯磨の広告について行ったもので,大正十二年に発表されているそうだ。専門家に7点の刺激を見せ,それぞれについて評価,注目の程度,購買促進の程度を聞いたものである由。へー。
→ いまこのブログを自分で読み返して,はたと気が付いたのだが,この上野陽一って,テーラーの科学的管理法を日本に紹介した上野陽一だ。うわー。
2007年11月 8日 (木)
なぜ新しい戦略はいつも行き詰まるのか?
[a]
清水 勝彦 / 東洋経済新報社 / 2007-08
著者はコンサル出身の経営学者。
いまや戦略思考はすっかりコモディティ化してしまい,それだけでは差別化できない。そもそも世界はあまりに不確定なので,正しい戦略など立てられない。かといって日本企業が誇る現場主義も,ただ現場力を競う消耗戦に陥ってしまう(←な・る・ほ・ど)。むしろ,個人のこだわりを生かし,小さな工夫,小さな実験を積み重ねていくことが大事だ。というような主旨であった。
前半の戦略主義批判のところは大変面白く,膝を打つ思いであった。ときおり焦燥感に駆られて,経営戦略とかなんとかについての本をめくってみたりするのだが,ここに書いてある事って結局ほとんど後知恵だよなあ,と白けてしまうことが多いのである。そうだよね,わからんことはわからんというべきだよね。
いっぽう後半の提言の方は,ちょっと具体的なイメージがわかなかったのだけれども,まあそれは俺の問題で,組織を中から動かすという経験を積んでいないからだろう。
こうやって振り返ると,最近は読みやすい本ばかり読んでいる。つまんない人生だなあ。
2007年6月17日 (日)
売れないのは誰のせい?―最新マーケティング入門 (新潮新書)
[a]
山本 直人 / 新潮社 / 2007-06
仕事の足しになるかと思って,マーケティング論やらブランド論やらの本を買い込んではめくってみるのだが,その質の高低に関わらず,さっぱり面白みを感じないのである。そんなの別にどうでもいいじゃん,良い商品をつくっていればいずれは売れるよ,なんてついつい白けてしまう。これは俺の側に問題があって,要するに,自社の売り上げに一喜一憂した経験がないからであろう。
そんなこんなで最近は,その種の話題にいい加減うんざりしていて(いいのかそんなことで),この本も全く期待せずに買った。著者は広告代理店から独立したばかりの40代で,そのへんも期待を引き下げる要因であった(フリーになったばかりの人が書いた本はくだらないことが多いと思う。ただの営業上の名刺にすぎないからだろう)。
ところが予想に反し,これはなかなか面白い本であった。中身は薄くて,30分で読めてしまうけれど,ただの自慢話ではなく,各章の主旨が明確で,筋がとおっている。著者は博報堂の研究開発にいたひとだそうで,なるほど,会社員を舐めてはいけない。
アサヒビールの「ビールは鮮度」キャンペーンの時期に,「あなたはビールを選ぶときに鮮度を重視しますか?」「では,世間の人は鮮度を重視していると思いますか」という調査を縦断でやったら,まず後者の問いにYesと答えたひとが増え,次に前者で増えたのだそうだ。うーん,シブイ調査だ。ここから著者らは,購入時重視点ではなく,もっと動的な「争点」という概念を提案した由。マスメディアによるagenda-settingのことを言っているのであろう。
2007年5月27日 (日)
偽ブランド狂騒曲―なぜ消費者は嘘を買うのか[a]
サラ・マッカートニー / ダイヤモンド社 / 2006-10
ただのエッセイであった。帯に「行動派マーケターが世界各地で体当たり調査!」なんて書いてある段階で,裏付けのない四方山話だと気づくべきだったな。失敗,
2007年5月 8日 (火)
おまけより割引してほしい―値ごろ感の経済心理学 (ちくま新書)
[a]
徳田 賢二 / 筑摩書房 / 2006-11
よく考えると,この本で紹介されているのはどれも単に現象の記述であって,説明とはいえないのではないかと思う。つまんなかった。
とはいえこの本を書いている人は,ちゃんとした仕事をしてきた(たぶん),ちゃんとした大学の先生で(たぶん),ちゃんとした本をいっぱい書いている(たぶん) 人なのである。いくら偉そうなことを抜かしても,俺は結局のところ他人様のお書きになった本を読み飛ばしているだけであって,死ぬまでに自分の本を書けるわけでもなし,死ぬまでに胸を張れるような仕事ができるわけでもない。
本当に本当に虚しい。誰か虚しさについて知りたい人がいたら俺に意見を聞くといいと思うぞ。こうやって本など読むより,パチンコだか競馬だかで余暇を過ごした方がなんぼか気が利いている。いったい俺はなにをしているのかしらん? 何年も前から,なにもかも悪い冗談のような気がして仕方がない。
2006年10月17日 (火)
テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0
[a]
Joseph Jaffe / 翔泳社 / 2006-07-22
2/3くらいでうんざりし,ぱらぱらめくっておしまいにした。広告業界がどうなろうが,俺の知ったことか。「この本を手に取ったあなたは幸運だ」調のハッタリにも,雑な訳文にもひどい誤字にもうんざりだ。あーあ,えらい無駄遣いであった。
2006年8月31日 (木)
価格戦略を知る者が「利益」を制す (Harvard business review anthology)
[a]
/ ダイヤモンド社 / 2005-03-04
ずいぶん物欲しげなタイトルだが,これはHBRに載ったプライシング関係論文をまとめたもの。勉強になった。
価格シグナル(セール表示とか)が有効なのは,(1)たまにしか購入しない商品,(2)新しい顧客,(3)デザインが良く変わる商品,(4)価格が季節変動する商品,(5)店によって品質が違う商品,である由。なるほど。
買い物途中で目にする関連のない商品の値段が購買意欲に影響する,という話には実験研究があるんだそうだ。へええ。
2006年7月10日 (月)
経営学のフィールド・リサーチ―「現場の達人」の実践的調査手法
[a]
/ 日本経済新聞社 / 2006-01
なんとなく買い込んで,そのまま机の横に積んでいたのだが,たまたま手にとってめくってみたら,これがまさに巻置く能わざる面白さであった。ここのところ読んだ本のベストワン。もしこの本を修士のころに読んでいたら,人生変わっていたかもしれん。
法政大で2003年頃に開かれていた,フィールド調査についての研究会の記録らしい。自分の研究の紹介が語り口を生かして文章化されていて,大変読みやすい。スピーカーは,経営学から藤本隆宏,和田充夫(マーケティング。ビジネススクールで使うケースの話),三品和宏(自動車工場のフィールド調査),櫻澤仁。社会学から佐藤郁哉,川喜多喬(産業社会学。細かな産業調査を狂ったように量産している人。話が極端で笑ってしまう)。地域研究から末廣昭(タイの財閥の研究)。
佐藤郁哉の章を別にして(これは面白いに決まっている),特に面白かったのは,まず藤本隆宏という人の章。研究を次の研究へとつなげていく,その秘訣が語られている。あまりに格好よくて溜息が出てしまう。この先生の本は読んでおいたほうがよさそうだ。
櫻沢仁という人の章は,製茶業界の奥深くに潜入し,徹底的な参与観察を続けた体験談。一編の小説になりそうな面白さであった。
いくつか抜き書き:
「アメリカでは典型的な,厳密にデータ分析をやってひとつひとつの命題を固めていくという方法は,ある意味ではコンピューターのようなモジュラー的なやり方だと思うのです。[...] これに対して,大陸ヨーロッパとか日本の伝統の中には,少し違うタイプのものもあると思います。僕はこれをホログラムのようなものではないかと思っているのです。[...]ひとつひとつは強くない傍証を積み重ねて,全体として強固な命題に至る,という研究戦略です。僕はこの流儀です。[...]自分の中ではフィールド・ワークからしか得られないある種の確信があるわけで,一方においてそういう「確信」を持ている仕事をしたいというのが,学者としての内発的な動機づけとしてあります。[...]統計分析はプレゼンテーションのための副産物だと考えています」(藤本隆宏)
「誰とはいいませんが,ベンツがどうだ,BMWがどうだなどと書いて,結局は『ブランドは魂だ』なんてことをいう人がいます。それではまったく意味がないのです。もし事例研究をやるのであれば,ひとつのケースを深く深く掘り下げていくということが必要です」(和田充夫)
「地域研究者の場合,直面する大きな問題というのは,どうやって自分の時間を管理するかです。[...]大学の先生方がよくやる失敗は,八月の夏休みに海外にどっと行かれて,ミカン箱二箱くらいの資料を大量に持って帰る。帰ってきても,集めた資料を読みはしないし,その時間もありません。[...]こういうやりかたは,率直にいって一種の研究搾取だし,紙公害でしかないのです」(末廣昭)
「製茶問屋の社長のところに行って,『実は恥ずかしながら研究に行き詰まっている』と告げたわけです。[...]『これ以上スーツを着てインタビュー調査や文献研究をやっていても何も出てこない。これではつまらない。申し訳ないけれども,一週間ばかり丁稚奉公をさせてくれないだろうか』とお願いしました。そうしたところ,どちらかというと強面だった相手の社長が満面の笑みを浮かべて『うれしいね,やっとわかってくれたんだね。じゃ,いつから来るかい』」(櫻澤仁)
2005年10月16日 (日)
“現代家族”の誕生―幻想系家族論の死
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岩村 暢子 / 勁草書房 / 2005-06
著者はアサツーDKの人。60歳前後の女性に食生活の履歴を尋ねたインタビュー調査をまとめたもの。いわゆる食の崩壊は,現在の若い母親たちがもたらしたのではなく,むしろその母親の世代に生じたライフスタイルの変化に起因している,そしてそれは日本社会が自ら選びとった変化だったのだ,という主旨。
この本は夏に半分くらい読み終えていたのだが,あまりの面白さにほとほとうんざりし,目につかないところに放置していたのであった。このたび通勤電車で無理矢理読了。もうつくづく嫌になった。いますぐ調査会社に転職したくなってしまった。わかってるんだけどさ,隣の芝生は常に青いと。こんな面白い調査をやってる人などまれにしかいないのだと。はい,それはもちろん,いまの仕事を頑張らさせて頂きますです。
感心してばかりでも癪にさわるので,あれこれあら探しするわけだが:(1)まず大きなストーリーを提示して,その証拠としてのインタビューがあって(これが実に瑞々しくて泣かせる),傍証として各種統計や世相史を引き合いに出す,という書き方なのだが,傍証のあたりでちょっと筆がすべるところがある。母親世代の個性尊重教育が娘世代の「私って~な人だからァ」をもたらしたのだ,とか。なるほどそうかもしれないけど,そういう話題は節制しておいたほうが説得力が増すんじゃないかと思う。うーん,これは結局プレゼンテーション・スタイルの問題かもしれないな。アカデミックなスタイルが常に最良だとは限らない。これはこれでいいのかもしれない。(2)調査対象者の選び方は比較的恣意的で,サンプリング・バイアスについてはどうなのか,と気にかかる。いいかえれば,世代論はどこまで説明力を持ちうるのだろうか。食生活の変化のありかたは,社会階層によっても地域によってもちがっていそうなものだ。うーん,これも欠点というよりは,さらなる問いかけというべきだ。
それにしても,お節料理をめぐる記述にはまさに目から鱗が落ちる思いであった。ああ嫌だ嫌だ。こんな面白い仕事をしている人がいるなんて。
2005年3月14日 (月)
“快楽消費”する社会―消費者が求めているものはなにか (中公新書)
[a]
堀内 圭子 / 中央公論新社 / 2004-05
なんだかなあ。。。