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2013年6月26日 (水)

Bookcover とろける鉄工所(10) <完> (イブニングKC) [a]
野村 宗弘 / 講談社 / 2013-06-21
ごく気の抜けたコメディの形をとりながら、鉄工所で働く人々の苦労と誇りを描き、著者の出世作となった傑作。ついに最終巻、お疲れ様でした。

Bookcover 分校の人たち(1) (Fx COMICS) [a]
山本直樹 / 太田出版 / 2013-06-20
エロマンガの巨匠・山本直樹さんは、現在連合赤軍事件を描いてエロシーンがほぼ出てこない問題作「レッド」を連載中なのだが、いっぽうでこんなドエロ作品も描いていたのであった。過疎地域の中学生がただひたすらにエッチしまくる。今後どう展開するんだろうか。

Bookcover 34歳無職さん 3 (フラッパーコミックス) [a]
いけだたかし / メディアファクトリー / 2013-06-22

Bookcover 風童 ーかぜわらしー (ビッグコミックススペシャル) [a]
花輪 和一 / 小学館 / 2013-05-30

Bookcover みずほ草紙 1 (ビッグコミックススペシャル) [a]
花輪 和一 / 小学館 / 2013-05-30

コミックス(2011-) - 読了:「みずほ草子」「風童」「34歳無職さん」「とろける鉄工所」「分校の人たち」

Bookcover 詩歌と戦争―白秋と民衆、総力戦への「道」 (NHKブックス No.1191) [a]
中野 敏男 / NHK出版 / 2012-05-26
北原白秋を手がかりに、近代日本における抒情・郷愁の発明・開発が国民総動員体制に寄与していくプロセスを描きだす。実に興味深い内容であった。
 明治期の民謡ブームの話も面白かったのだが、すでに見田宗介による社会学的分析がある由。78年刊の「近代日本の心情の歴史」という本だそうだ。興味深いテーマはとっくに掘り起こされていて、社会学者の人も大変だろうなあ...

日本近現代史 - 読了: 「詩歌と戦争」

Bookcover 経済学に何ができるか - 文明社会の制度的枠組み (中公新書) [a]
猪木 武徳 / 中央公論新社 / 2012-10-24
碩学が全力を投入して著した啓蒙書を、電車の吊革にぶら下がった状態でテキトーに読んでていいんだろうか、と多少後ろめたくなりました。えーっと、でも、これを機にひとつトクヴィルの書いた本を読んでみようかと思いましたんで(実際に岩波文庫で買いましたんで)、それに免じて、どうかご寛恕くださいまし。

Bookcover 聖書考古学 - 遺跡が語る史実 (中公新書) [a]
長谷川 修一 / 中央公論新社 / 2013-02-22
聖書の時代のイスラエルについての考古学の本。申し訳ないけど、これもテキトーにめくってしまった。旧約についての予備知識の不足のせいである。
 本題よりも、信仰者による(ときには予算潤沢な)探求と、実証研究との間の緊張関係の話が面白かった。すいません。でも、著者も述べているけど、近現代史でも似たような構図がありますね。

ノンフィクション(2011-) - 読了:「聖書考古学」「経済学になにができるか」

Tan, P.N., Kumar, V., Srivastava, J. (2004) Selecting the right objective measure for association analysis. Information Systems, 29, 293-313.
 先日読んだ Lenca et al. (2008)に引き続き、ふたつの二値変数AとBのあいだの関連性の指標を比較検討する研究。とりあげる指標は:

で、こうした指標に期待される性質として、著者らは以下を挙げる。

以上の性質でもって指標を分類すると、以下の6グループにわけられる。

  1. オッズ比、YuleのQ, YuleのY。
  2. コサインとJaccard。
  3. サポートとLaplace。
  4. ファイ係数、collective strength, Piatetsuky, Shapiro。
  5. ジニ係数とラムダ。
  6. リフト、Added value, Klosgen。
  7. 相互情報量、Certainty factor, カッパ。

著者いわく、3, 6, 7番目のグループはなんだかよくわからんけど、きっと注目した性質が足りないからでしょう、とのこと。

 論文の残りの部分は...

前半がとても勉強になった。いろいろと 反省すること 多かりし。
 よくわからないのだが、情報工学の方面では、新しいアルゴリズムかなにかを提案しないと論文になりにくいのかしらん。最後のトピックは論文化のためのツケタリではないかと思う。前半のレビューだけで十分に貢献しているのに。根拠レスな言いたい放題がまかりとおる領域ももちろん不健全だが、こういうのはこういうので、ちょっと健康的ではないような気が...

論文:データ解析(-2014) - 読了: Tan, Kumar, & Srivastava (2004) 2x2クロス表の関連性指標を品定め

2013年6月20日 (木)

Masyn, E. M. (2008) Modeling measurement error in event occurrence for single, non-recurring events in discrete-time survival analysis. in Hancock, G.R, & Samuelson, K. M. (eds.) Advances in Latent Variable Mixture Models. 105-145.

 イベントの発生時間の測定誤差を考慮した離散時間生存モデルについての論文。マニアックな話だと思って避けていたのだが、実際にイベントのタイミングに関する問題に取り組んでいて、これは結構切実な問題だと気がついた。文字通り患者の死亡をモデリングする生存モデルならばともかく、応用場面ではイベントがある時点で生じたのかどうかはっきりしないことも少なくない。それに、著者はMuthenさんのお弟子さんだから、きっとmplusのコード例を示してくれるだろうと思って。

 えーっと、この話の第一のポイントは、イベント・ヒストリーを一次のマルコフ過程として捉える、という点である。
 ある人はある時点においてpre-event, event, post-eventの3つの状態のいずれかを持つ、と考える。それぞれを0,1,2と表す。時点 0 においては全員が 0 である。eventはひとりに一回限りしか起きないものとする。
 時点 j (=1,...,J)における状態を表すカテゴリカル変数を E_j とする。時点 j-1 から j への E の遷移確率行列 をT_{(j)(j-1)}とする。
 まず、j=1の遷移行列は? そもそも E_0 = 0 なので、1行2列で済んでしまう。これを[1 - P_h (1), P_h (1)] とする。P_h(1)というのは、さっきがpre-eventだったときにいまeventが起きる確率、つまりはハザードである。
 j=2 の遷移行列は? 2行3列になる。1行目が[1 - P_h (2), P_h (2), 0]。2行目が [0, 0, 1]。
 j>2の遷移行列はどうなるか。3行3列になる。1行目が[1 - P_h (j), P_h (j), 0]。2行目と3行目がともに [0, 0, 1]。当たり前の話ではあるが、結局どの遷移行列もパラメータひとつ、すなわちハザードしか持っていない。

 このマルコフ連鎖を多項ロジスティック回帰で表現する。一般に多項ロジスティック回帰は
 Prob(C=k | x ) = exp (\alpha_k + \beta_k x) / (分母は省略)
 共変量 x を直前の状態 E_{j-1} とみなす。最初のレベルを参照レベルとみなすことにして、E_{j-1}を2つのダミー変数で表現し、
 Prob(E_j = k | E_{j-1}) = exp( \alpha_{jk} + \beta_{jk1} I(E_{j-1} = 1) + beta_{jk2} I(E_{j-1}=2) ) / (分母省略)
 要するに、遷移行列を回帰パラメータ \alpha と \beta に分解していくわけである。ここに2番目のポイントがある。ハザードだけを分解するんじゃなくて、遷移行列のすべての要素 (j>2なら 3*3=9個) をそれぞれ分解するのである。たとえば、0から2への遷移確率は 0 だが、これが
 Prob(E_j = 2 | E_{j-1}) = exp( \alpha_{j2} ) / (分母省略)
と分解されるわけである。\alpha_{j2} を十分に 0 から離れた負の値にすれば、0を近似できる。\alpha と \betaはあわせて6個しかないので (本来 9 個だけど、最初のレベルは参照レベルと決めたから、\alpha_{j0}, \beta_{j01}, \beta_{j02}は 0 である)、無事に識別できる。

 さて、これが最後のポイントなのだが、ここまでに出てきた E_j は実はカテゴリカル潜在変数でした、と考える。それぞれの E_j は二値指標 U_j を持っている。誤差がなければ、E_j =0 のとき U_j = 0, 1 のとき 1, 2 のとき 2 である。
 これも無理矢理にロジスティック回帰で表現してしまう。
 Prob (U_j = 1 | E_j = k) = 1 / {1 + exp(\omega_{jk}) }
 測定誤差を考えない場合は、\omega_{j0}と\omega_{j2}は十分大きな正の定数(たとえば+20)、\omega_{j1} は十分大きな負の定数とする。測定誤差を考慮する場合は... \omegaを推定するのかと思ったが、さすがにそれは無理らしい。でも、たとえば先行研究から、ROC曲線でいうところの特異度(すなわち、E_jが1でないときにU_jが0となる確率) が0.8だと仮定できるのならば、\omega_{j0} = \omega_{j2} = logit(0.8) = 1.386 とすればよい、とのこと。

 というわけで、苦労の末、すべてが潜在クラス変数の多項ロジスティック回帰でもって表現できた(つまり、mplusで推定できる形になった)わけである。測定誤差も考慮できるようになった。やれやれ。
 イベント時間に対する共変量 x は、潜在クラス変数 E_1, E_2, ..., E_j に対する説明変数となる。ただし、E_{j-1}=0のときじゃないとE_j に効かないなので、
 Prob (E_j = k | E_{j-1}, x) = exp( \alpha_{jk} + \beta_{jk1} I(E_{j-1} = 1) + beta_{jk2} I(E_{j-1}=2) + \gamma_{jk} x I(E_{j-1}=0) ) / (分母省略)
 として、さらに \gamma_{j0} = \gamma_{j2} = 1 と固定する。ああ面倒くさい。
 
 そのほか、ベースライン・ハザードを変えて共変量の係数の復元を調べるシミュレーションとか、ある時点の観察指標が複数ある場合の話(ちょっと面白い...)などがあったけど、パス。
 末尾にmplusのコードがついているのだが、これが初見ではまったく意味不明な代物で、本文を読んで見直してようやく腑に落ちた。潜在クラスを時点数だけ導入する、信じられないくらいに壮大なモデルである。識別できるんだろうけど、推定にどれだけ時間がかかるやら。。。ともあれ、勉強になりました。

論文:データ解析(-2014) - 読了: Masyn (2008) イベント発生時間の測定誤差を考慮した離散時間生存モデルを一次マルコフモデルでつくろう (というか、Mplusでつくろう)

2013年6月19日 (水)

Bookcover 周五郎伝 [a]
齋藤 愼爾 / 白水社 / 2013-06-04
山本周五郎の評伝的エッセイ。大著だが、なにしろ話が絶えず脇道に逸れるので、あまり長さを感じなかった。
 狷介で知られた周五郎だが、やはり奥さんは大変な苦労を重ねたそうだ。で、夫の没後に奥さんはこう語っている由。「あんな気むずかしい人ンところにお嫁にいっちゃって、損しちゃッたわ」
 同情する以前に、うわあ、「おたふく」の天真爛漫なおしずさんそのものだ、とびっくり。。。

 全然知らなかったんだけど、作家の上野暸さんが、山本周五郎の「その木戸を通って」についての評論を書いているそうだ。ぜひ読んでみたいと思って探したが(「われらの時代のピーターパン」)、さすがに新刊では見当たらない。

ノンフィクション(2011-) - 読了:「周五郎伝」

Bookcover 昭和元禄落語心中(4) (KCx(ITAN)) [a]
雲田 はるこ / 講談社 / 2013-06-07
4巻目にして、これ、とても面白い。男同士の友情の、深まりすぎて煮詰まる感じが涙を誘う。

Bookcover さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ) [a]
穂積 / 小学館 / 2013-05-10
初の短編集が評判になった人の新作。ゴッホと弟のテオの物語。二人とも、なんかすっごいイケメンに...

Bookcover 千と万(1) (アクションコミックス(コミックハイ! )) [a]
関谷 あさみ / 双葉社 / 2013-06-12
著者は成人マンガの人気作家だと思う。父と娘の二人暮らしの、なんでもない日常を描いた作品。面白い。実力は領域を問わないのだろう。

Bookcover バーナード嬢曰く。 (REXコミックス) [a]
施川 ユウキ / 一迅社 / 2013-04-19

Bookcover ワカコ酒 1 (ゼノンコミックス) [a]
新久 千映 / 徳間書店 / 2013-05-20

Bookcover 俺はもっと本気出してないだけ (IKKI COMIX) [a]
青野 春秋 / 小学館 / 2013-05-30

Bookcover 東京喰種 5 (ヤングジャンプコミックス) [a]
石田 スイ / 集英社 / 2012-12-19
Bookcover 東京喰種 6 (ヤングジャンプコミックス) [a]
石田 スイ / 集英社 / 2013-01-18

コミックス(2011-) - 読了:「昭和元禄落語心中」「東京喰種」「俺はもっと本気出してないだけ」「ワカコ酒」「バーナード嬢いわく」「さよならソルシエ」「千と万」

Hahsler, M., & Chelluboina, S. (2011). Visualizing Association Rules: Introduction to the R-extension Package arulesViz.
 アソシエーション分析用Rパッケージ arules の派生パッケージで、抽出したルールの可視化を担当してくださる arulesViz の説明書。読んだものはなんでも記録しておくことにしたいのでここに書くけど、これ、論文でもなんでもないぞ...
アソシエーション・ルールってどうやったら格好良く見せられるのかなあと思って目を通した。やっぱりgephi でネットワークグラフを描くのが一番かっこいいんだけど、ほかにもいろいろな(ヘンな)見せ方がある。みんな苦労しているんだなあ。

論文:データ解析(-2014) - 読了: Hahsler & Chelluboina (2011) arulesVizパッケージ

Sperber, D., & Mercier, H. (2012) Reasoning as a social competence. in Landemore, H., & Elster, J. "Collective wisdom". Cambridge Univ. Press.
集合知についての論文集の一章。こんどの読書会で取り上げられる章なんだけど、予習のつもりでぱらぱらめくり始めたら、変に面白くって最後まで読んでしまった。

 えーっと、主旨としては... いわゆるdual process理論を踏襲するんだけど、System1は多様な領域固有メカニズムによって実現され、いっぽうSystem2は単一のモジュールによって実現されていて、それは個人的推論のためっていうより、はなっからコミュニケーションのための機能なのである。というわけで、関連性理論のあとのSperberたちが唱えているargumentative theoryの紹介になる。いわく、reasoningってのはreasonを産出・評価する能力だ。ヒトがそれを獲得したのは、コミュニケーション効率を高めるため、すなわち騙されなかったり騙したりするためだ。という、進化心理学的な、サツバツとしたご意見である。

 argumentative theoryを支持する証拠として以下を挙げている。

云々、云々。

 途中でちょっと混乱したが、それはスペルベル先生のせいではなく私が適応論的な話が苦手だからで、全体には面白かった。かつて著作を必死になって勉強したので、懐かしかったという面もある。(いまブログを調べたら、前に論文を読んだのは2005年、会社勤めを始めたけど仕事がなくて暇つぶしに、だ。川のように時は流れる。ハイホー)
 心の理論の話が出てくるかと期待して読み進めていたのだが、結局出てこなかったように思う。どういう関係があるのか知りたかったので、ちょっと残念。先日BBSに論文が出ていたから、あれを読めば早いのかしらん...絶対読まないけど。(いま調べたらそれだって2011年だ。ハイホー)
 argumentative theoryという言い回しからは、アリストテレスの「弁論術」とか、西洋修辞学のかびくさい印象を受けてしまうのだけれど、わざわざこういう命名をするのは、なにかの冗談だろうか、それとも(P. リクールのような)レトリック再興という意味合いがあるのだろうか。この論文では、先行する論者として科学哲学のトゥールミンの名前を挙げている。
 それにしても、集合知はなぜ生じるか、という問いに対して、そもそも推論というものは社会的能力だ、と答えるのは、答えになっているような、なっていないような。。。お前らの問いの立て方が悪いんだってことなんでしょうね。

論文:心理 - 読了:Sperber & Mercier (2012) そもそもヒトの推論能力は議論に勝つためにあるものなのよ

Parkin, K. (2004) The sex of food and Ernest Dichter: The illusion of inevitability. Advertizing and Society Review. 5(2).
 モチベーション・リサーチの祖アーネスト・ディヒターについて調べていてみつけた論文。掲載誌がどういう性質のものなのかよくわからない。電子ジャーナルだが、オープンではなさそう。

 50年代アメリカ、かのフロイトの威光を着て、ディヒターは広告界に強い影響力を持っていた。彼は消費者にとって食品には性別があると主張した(ケーキは女性でステーキは男性)。1955年、ある企業への報告書で、ディヒターはこんなことを書いているそうだ。

ある有名な外科医によって行われた実験で、食べ物が性を持っていることが発見された。その優れた医師は、食道検査のためにバリウムを飲ませる際、女性の患者に「サラダ」という言葉を聞かせると、食道が拡張し、バリウムが通過しやすくなることを見いだした。男性の患者に「ステーキ」という言葉を聞かせても、同様の反応がみられた。しかしこれを逆にすると、男性でも女性でも食道は変化しなかった。食品の広告主は、もっとも効果的な訴求を行うために消費者の性別を考慮しなければならない。

 ほんまかいなと思うけど、とにかくこのようにディヒターは、食品には必然的に性的イメージが伴うと主張し続けた。実証性がないという批判を浴びても。モチベーション・リサーチは62年の段階ですでに滅びたと評されていたそうだが(意外に早い)、それでもディヒターはこういうリサーチで大儲けを続けた。

 著者いわく、現代に至るまで状況はかわらない。食品の広告は性的なイメージに満ちている。広告代理店は「サイコグラフィクスは時代遅れだ」とかいいながら、モチベーション・リサーチの調査手法を使い続けている...と、ここでGrey WorldwideのEmotional Trigger Pointsという手法と、Young & Rubicam の BrandAsset Valuator の名前が挙がっている。前者はWPP傘下の広告会社だが、ETPというのは探してもみあたらない。BrandAsset Valuatorはバリバリの現役ですね。
 というわけで、批判というよりは広告史探訪という感じの文章であった。

論文:マーケティング - 読了: Parkin (2004) セックスと食べ物とアーネスト・ディヒター

2013年6月18日 (火)

Lenca, P., Myer, P., Vaillant, B., Lallich, S. (2008) On selecting interestingness measures for association rules: User oriented description and multiple criteria decision aid. European Journal of Operational Research, 184(2), 610–626.
 アソシエーション分析で、発見したルールの興味深さを評価するための指標がいっぱい提案されているので、比較しましょう。という話が載っている論文。ほんとはLallich, Teytaud, Prudhomme(2007)の同趣旨の論文を読み始めたんだけど、前半で話についていけなくなってあきらめた(後半ではなんかFDRみたいな統計的手法を提案しているのに。残念)。なんだか腹が立つので、もうすこしユーザ向けに書かれたのを探して読んだ次第。よく見たら、著者名がだぶっている。

 ええと、背景としては... アソシエーション分析では巨大な出現行列からルールを抽出するが、有名な Aprioriアルゴリズムでは、

  1. まず閾値以上のsupport(同時出現割合) を持つアイテムセットを抽出し、
  2. そのアイテムセットをAとBに分け、閾値以上のconfidence (Aの出現割合に対するA&Bの同時出現割合の比) を持つ規則 if A then B を生成する。

このやりかただと規則がたくさん生成されちゃうので、なんらかのかたちでのフィルタリングが必要になる。主観的にやる方法もあるが(Silberschantz & Tuzhilin, 1995, Chap.; Liu, Hsu, Chen, 1997, Conf.; Liu, Hsu, Chen, Ma, 2007, IEEE-IS を参照せよとのこと)、ここではデータに基づきルールの興味深さを評価する指標について考える。

 検討する指標は以下の通り。以下、A=1 かつ B=1 の頻度をNab, 割合を Pabと書く。A=1 かつ B=0 の頻度と割合は Nab', Pab' と書く。A=1 の頻度と割合は単に Na, Pa と書く。Aの下でのBの割合 Pab/Pa を Pb/a と略記する。各指標についてのコメントにはLallich, Teytaud, Prudhomme(2007)のものも交じっている。

まず、よく使うやつ:

以下、confidenceを変換した指標。

その他の指標:

で、これらの指標を以下の基準で採点する。

以上の基準で各指標を採点する。たとえば、ベイズファクターはasym, dec, cst, cst, convex, desc, easy, a. だそうだ。liftは、sym, dex, cst, var, linear, desc, easy, a。

 この論文の本題は実はここからで、この採点表を主成分分析かなにかにかけて、指標を空間にマッピングし、データマイニング・ユーザの好みを聴取して選好ベクトルを描きいれ、あなたはこの指標をお使いなさいとレコメンドする... という、いささか斜め上の方向に突っ走っていくのである。それはそれで面白いんだけど、いま関心ないのでパス。

 アソシエーション分析で使う指標が気持ち悪くて、もやもやしていたんだけど、その理由が自分なりに整理できたので、得るところ大きかった。

論文:データ解析(-2014) - 読了:Lenca, et al.(2008) アソシエーション・ルールの興味深さの指標

2013年6月16日 (日)

Goethals, B., Zaki, M. (2004) Advances in frequent itemset mining implementations: Report on FIMI'03. SIGKDD Explorations. 6(1), 109-117.
 R の arules パッケージの解説書に、アソシエーション・ルール抽出のアルゴリズムについてはこれを参照せよ、と書いてあった資料。全然読むつもりなかったんだけど、なんとなく探してみたら、想像とは全然異なる気楽な内容だったので...

 アソシエーション分析の鍵となる頻出アイテムセット・マイニングについてはいろんな研究者がいろんなアルゴリズムを発表してるので、同じデータセット、同じPCで解かせてみて、どれが最強か決着をつけようじゃないか。というので著者らが勝手に開催した世界選手権の報告であった。超難解なレビュー論文を想像していたので、ちょっと笑ってしまった。いや、研究者の方にとっては真剣な話なんでしょうけど。
 18個のプログラムに対して、14個のデータ行列を与え、解を求められるかどうか、そして所要時間を計る。frequent itemsetsの抽出, closed itemsetsの抽出, maximal itemsetsの抽出、という3つの競技部門を用意。難しい記号で書いてあるもんでよくわかんないんだけど、どうやら、順に「俺のsupportは閾値を超えている」「俺のsupportは閾値を超えており俺の上位集合は俺よりもsupportが低い」「俺のsupportは閾値を超えており俺の上位集合は閾値を超えていない」というような意味らしい。
 細かいところはよくわかんないんだけど、Grahne&ZhuさんのFPナントカシリーズが優勝だそうです。なんだかわかんないけどおめでとうございます。
 ... アソシエーション分析のために、主要なアルゴリズムの特徴についてきちんと勉強しておこうかと思ってたんだけど、これを読んだら、そこんところはどうでもいいような気がしてきた(叱られちゃうかもしれないけど)。頑張れ研究者のみなさん、って感じだ。

論文:データ解析(-2014) - 読了: Goethals & Zaki (2004) 頻出アイテムセット・マイニングの世界最強アルゴリズムを決める選手権2003

2013年6月15日 (土)

Hahsler, M., Grun, B., Hornik, K., Buchta, C. (2005) Introduction to arules - A computational environment for mining association rules and frequent item set.
 アソシエーション・ルールとか、そういう機械学習的なやつって、昔から苦手なんだけど、仕事のことなので好き嫌いばかりもいっていられない。というわけで読んだ資料。アソシエーション分析のためのRパッケージ arules の解説。パッケージについていた解説書を読んだのだが、著者らの同題の論文が J. Stat. Software に載っている(そっちのほうが短い)。 

 えーと、アソシエーション分析ってのは... 巨大な二値データ行列から項目間のif-thenルールを抽出する、というのがお題である。オブザベーションがバスケット、項目が商品アイテム、値が買う/買わないに相当しており、この出現行列から「ビールを買うやつはほにゃららを買う」というようなルールを抽出したいわけだ。基本的に標本特性の話ばかりで、確率分布を推定しようとか、そういう発想はさわやかなまでに欠如している。
 arulesパッケージは抽出アルゴリズムとしてaprioriとeclatを搭載。前者は幅優先探索、後者は深さ優先探索とのこと。結果が具体的にどう変わってくるのか知りたかったんだけど、書いてなかった。アルゴリズムの比較についてはGoethals & Zaki (2004) というのを読めとのこと。ご親切にありがとう、読まないけどな。
 ほかにも、データ操作や視覚化のための機能をいろいろ積んでいる。知らなかった。アソシエーション分析とは無関係な場面でも、とても便利そうだ。

 アソシエーション分析の方面では、ルール if X then Y に含まれるアイテム集合{X, Y}の全事例における同時出現割合をsupport、Xの出現で条件づけたYの出現割合をconfidence、Yの出現割合に対する confidence の比 (すなわち、supprtをXの出現割合とYの出現割合の積で割った値) を lift と呼ぶ。その影響かどうかわからないんだけど、ふたつの二値項目のあいだの因果的関連の強さについて調べている際に (広告接触と購入意向の関連とか)、この lift を用いて分析している例を、何度か見たことがある。
 正直いって気持ち悪くて仕方がない。lift は リスク比でもオッズ比でもない。liftはいうなれば、曝露条件下の発症リスクの、全体の発症リスクに対する比だ。リスク比 (非曝露下での発症リスクに対する比) が一定ならば、曝露割合が上がるほど lift は1に近づくはずじゃないですか? 接触率の低い広告のほうが効果があると判断されやすくなりかねない。なんでこんな指標をつかうのかしらん。

論文:データ解析(-2014) - 読了: Hahsler et al. (2005) arulesパッケージ

Popper, R., Rosenstock, W., Schraidt, M., Kroll, B.J. (2004) The effect of attribute questions on overall liking ratings. Food Quality and Preference, 15, 853-858.
 別にいま読む必要はないんだけど、ちょっとした空き時間に、未読の山のなかから適当に抜き出して読んだ論文。著者はシカゴのPeryam&Krollという調査会社の人とクラフト・フーズの人。調査会社の名前をwebで調べたら、前の勤務先でguruと呼ばれていた偉い人たちがそっくりここに転職していた。なんだかなあ、もう。

 食品の消費者テストでは、テスト製品についての全体的な好き嫌いを聴取するほかに、あれこれと属性評価を尋ねることが多いが (「歯ごたえはどうですか」とかなんとか)、当然ながらそのせいで、全体好意度の回答はバイアスを受ける可能性がある。全体好意度を先に聴いたとしても、複数製品について聴取したら、2製品目からはやはりバイアスを受けるかもしれない。どんだけバイアスを受けるかを属性評価の項目形式別に調べました。という実験研究。いやあ、久々にこういうシンプルな論文を読むと、楽しいなあ。胸に一陣の風が吹き抜けるようだ。

 調査項目として以下を用意する。

 実験はお菓子4製品の会場調査。対象者に4製品を提示し(順序はカウンターバランス)、調査票に答えてもらう。対象者832名を5群に分ける。各群の調査票は、

  1. 全体好意度しか聴かない。
  2. 全体好意度→属性好意度の順に聴取。
  3. 全体好意度→属性強弱度の順に聴取。
  4. 全体好意度→属性JARの順に聴取。
  5. 全体好意度→属性好意度→属性JARの順に聴取。

 分析するのは全体好意度。製品(被験者内4水準) x 調査票(被験者間5水準)の2要因計画である。多重比較をいまどきDuncan法でやっている... よく査読を通ったものだ。

 結果は... 製品と調査票に交互作用がある、でも最初に提示した製品に絞ると交互作用が消える。つまり、2回目以降に提示した製品では、調査票によって全体好意度の製品間差が変わる。綺麗な結果が出てよかったですね。
 製品別にみると、全体好意度しか聞かない条件(1)では全体好意度が首位であった製品が、属性の強弱度も聴く条件(3)でも首位のままなのに、属性をJARで聴取する条件(4,5)では3位に転落してしまう。属性について尋ねたことそれ自体より、その尋ね方が、その後の全体好意度評価に影響するわけだ。著者いわく、JAR設問は対象者に「なぜ自分はこの製品が好き/嫌いなのか」と考えさせてしまうのではないか、とのこと(と、ここで著者はWilson&SchoolerのJPSPの論文を引き合いに出す。そうきたか、プロだなあ)。

 フガフガと楽しく読み終えた。もっとも、所詮はワンショットの実験研究だし、項目内容と製品によって話がちがってくるだろうから、あんまり知見を一般化しちゃうのもどうかと思う。未読だけど、JAR項目の聴取はそのあとの全体好意度聴取に影響しないという報告もあるようだし (Gacula, et al., 2008, J. Sensory Stud.)。
 これ、きっとあれですね、製品開発のためにありふれた消費者テストを実施する際に、今回は予算が取れて、サンプルサイズも大きいし、なんか面白いことできませんかね... とメーカーの調査部と調査会社が語らって、ちょっとした仕掛けを仕込んでおいた、という研究であろう。こういうことができる現場は風通しがよさそうだ。

論文:調査方法論 - 読了: Popper, et al. (2004) あれこれ尋ねると好き嫌いは変わるか

2013年6月14日 (金)

Bookcover アート・オブ・Rプログラミング [a]
Norman Matloff / オライリージャパン / 2012-09-26
この2年ほどほとんど毎日 R をつかっていて(というか、気分としてはRstudioをつかっていて)、ひょっとしたらとんでもない基礎知識が抜けているのではないかと急に不安になり、仕事のあいまに通読。ほんとはこういう本、必要に応じてめくるものなのだろうけど。

データ解析 - 読了: 「アート・オブ・Rプログラミング」

Bookcover 食糧の帝国――食物が決定づけた文明の勃興と崩壊 (ヒストリカル・スタディーズ) [a]
エヴァン・D・G・フレイザー,アンドリュー・リマス / 太田出版 / 2013-02-01
大変興味深い本だったのだけれど、案の定、読み終えて大変に暗い気分になった。とはいえ、自分にできることなど限られているし...

Bookcover 北朝鮮――変貌を続ける独裁国家 (中公新書) [a]
平岩 俊司 / 中央公論新社 / 2013-05-24

以下はしばらく前に読んで、記録しそこねていた本:

Bookcover 仏像: 日本仏像史講義 (別冊太陽スペシャル 創刊40周年記念号) [a]
山本 勉 / 平凡社 / 2013-02-12

Bookcover 「弱くても勝てます」―開成高校野球部のセオリー [a]
高橋 秀実 / 新潮社 / 2012-09

ノンフィクション(2011-) - 読了:「食糧の帝国」「北朝鮮」「仏像」「弱くても勝てます」

Bookcover 仏典のことば さとりへの十二講 (講談社学術文庫) [a]
田上 太秀 / 講談社 / 2010-05-12
平易に書かれた、ありがたい本なんだけど... なんというかその、信仰者の観点から語られてしまうと、不信心な私などは、ちょっと引いちゃうところがある。

哲学・思想(2011-) - 読了:「仏典のことば」

Bookcover チェーザレ 破壊の創造者 特別編 二人の巨匠 [a]
惣領冬実 / TBSサービス / 2013-06-07
歴史コミックの傑作「チェーザレ」の番外編だというので、いそいそと買ってしまった。ダ・ヴィンチとミケランジェロの実現しなかった対決を描いた作品。面白かったんだけど、40pで952円...。美術展にあわせた企画らしい。

Bookcover 東京喰種 1―トーキョーグール (ヤングジャンプコミックス) [a]
石田 スイ / 集英社 / 2012-02-17
Bookcover 東京喰種 2―トーキョーグール (ヤングジャンプコミックス) [a]
石田 スイ / 集英社 / 2012-03-19
Bookcover 東京喰種 3―トーキョーグール (ヤングジャンプコミックス) [a]
石田 スイ / 集英社 / 2012-06-19
Bookcover 東京喰種 4 (ヤングジャンプコミックス) [a]
石田 スイ / 集英社 / 2012-09-19
都会に潜む食人鬼たちを、食人鬼の立場から描くホラーサスペンス。彼らだっていろいろ大変なのである。意外に面白い。ヤングジャンプ連載だそうだ。

Bookcover すみれファンファーレ 3 (IKKI COMIX) [a]
松島 直子 / 小学館 / 2013-05-30

Bookcover 暗殺教室 4 (ジャンプコミックス) [a]
松井 優征 / 集英社 / 2013-05-02

Bookcover おにぎり通信 ~ダメママ日記~ 1 (愛蔵版コミックス) [a]
二ノ宮 知子 / 集英社 / 2013-05-10

コミックス(2011-) - 読了:「二人の巨匠」「東京喰種」「すみれファンファーレ」「暗殺教室」「おにぎり通信」

Jain, D.C. & Vilcassim, N.J. (1991) Investigating household purchase timing decision: A conditional hazard function approach. Marketing Science, 10(1), 1-23.
 世帯の購買記録に生存モデル(比例ハザードモデル)をあてはめた古典的研究としてよく引用されている論文。めんどくさそうで腰が引けていたのだが、これだけ引用されているんだから仕方ない、と覚悟して読んだ。

 まず、ベースライン・ハザード関数 $h_0(t)$ をすごく一般的に、次のように定式化する:
 $\displaystyle h_0(t) = \exp \left( \gamma_0 + \sum_{k=1}^K \gamma_k \frac{t^\lambda_k - 1}{\lambda_k} \right)$
うんざりして投げ出しそうになったが... イベント間隔時間 $t$ を パラメータ $\lambda_1, \lambda_2, \ldots$でそれぞれBox-Cox変換し、重み $\gamma_1, \gamma_2, \ldots$ をつけて足しあげている。なんでこんなケッタイなことをしているのかというと、過去に用いられてきたいろいろな確率分布を一発で表したいからである。たとえば、$\gamma$ をすべて 0 にすれば、ベースライン・ハザードは定数、確率分布は指数分布となる。$\gamma_1$だけ残して残りを0にし、 $\lambda_1$を十分に小さくすれば、ワイブル分布。この調子で、ゴンペルツ分布、Erlang-2分布もいけるとのこと。しらんがな。
 このベースライン・ハザードに、カレンダー時間$\tau$に依存する共変量 $X_1(\tau), X_2(\tau), \ldots$ の効果 $\exp( \sum_j X_j (\tau) \beta_j )$ と、世帯間異質性 $\exp( c \theta )$を掛けてハザード関数にする。$\theta$ は世帯間でのみ動く確率変数。
 推定方法は飛ばし読み。異質性の推定に関しては、例によってHeckman-Singer のサポート・ポイントという考え方が出てくる。でたな経済学者め。こうなったら意地でも勉強してやるもんか。きっと潜在クラスみたいなものにちがいない。

 データはIRIの世帯購買記録 (マーケティング変数つきのスキャンパネルデータであろう)。カテゴリは粉コーヒーとインスタント・コーヒー。それぞれ、結構買っている166世帯, 427世帯について分析する。共変量は、ディスプレイ、チラシ、メーカーのクーポン、店舗クーポン、値引き、前回購買のボリューム(買い置き有無の代理指標として)、世帯人数、夫の雇用。70日まで推定する。
 結果は... 異質性の項をいれるといれないではベースラインハザードの形状が変わる。いずれにしろ非単調。指数もワイブルもゴンペルツも二次もErlang2もうまくフィットせず、ノンパラに推定するのが良い。云々。途中から死ぬほどめんどくさくなって、ぱらぱらめくっただけ。

 前に読んだSeetharaman&Chintagunta(2003) に照らして考えると、そもそもスーパーでのカテゴリ購買間隔について日次をメトリックにした生存モデルをつくって良いのかどうかが怪しい、といえるだろう。ある日にカテゴリ購買が起きていないのは、スーパーに行かなかったからかもしれないし、行ったけど買わなかったからかもしれない。ずいぶん意味合いがちがう。
 素朴すぎる疑問かもしれないけど... この論文の先行研究概観をみると、EhrenbergのNBDを使った集計レベルモデル(なんと1959年)にはじまり、たいていの研究が購買間隔に一定の確率分布をあてはめようと試みている。でも、マーケティング・ミクス変数の効果を推定するということが主目的ならば、Cox回帰でもって、ベースライン・ハザード自体を推定することなしに共変量の効果を推定したほうがスマートだ。なぜこの分野では最初からそういう話にならなかったのだろうか? Cox回帰自体の歴史はかなり古いはずなのに...
 などといいつつ、ほんとに適当にめくって済ませた論文であった。ここ数ヶ月、寝ても覚めても生存モデルについて考えているので、少々飽きてきた、という面もある。

論文:データ解析(-2014) - 読了: Jain & Vilcassim (1991) 購買タイミングの比例ハザードモデル (クラシカル・バージョン)

久野愛 (2009) ベティ・クロッカーの表象とアメリカ社会の変遷, アメリカ太平洋研究, 9, 128-140.
 モチベーション・リサーチの祖ディヒターについてあれこれ探していてたまたま見つけ、ついつい読みふけってしまった。掲載誌は東大の紀要。著者の修論であろう。
 ベティ・クロッカーとは米ゼネラル・ミルズ社のケーキミクスのブランド。このブランドはパッケージの白人女性の肖像で知られていて、このキャラクターの変遷を通じてアメリカ消費文化の変容を辿る。というような意図の文章であった。実はこの話題、2005年に"Finding Betty Crocker: The Secret Life of America's First Lady of Food"という研究書まで出ている模様。えええ、よくもまあそんなテーマで... と面食らったが、こうして書くからにはきっとなにかオリジナルな要素があるのだろう。

 想像に難くないが、1921年の登場以来、ベティさんの肖像画は時流に適応して変貌していく(写真を載せないことには話にならないと思うのだが。仕方がないのでwebで画像を探して見比べながら読みました)。50年代には(急速な都市化と核家族化にあわせて) 優しい母親風。60年代はジャッキー・ケネディそっくり。70年代はキャリア・ウーマン。もっとも第二波フェニミズム運動に性差別・人種差別だと訴えられたり、なんだかんだと大変で、実は60年代半ば以降、パッケージに肖像画は載せてなかったのだそうだ。それでも肖像のイメージは広く知られていたというのだから、たいしたものである。ボンカレーの松山容子のようなものかしらん。

 著者の意図とは関係ないだろうけど、企業が擬人的なブランド・イメージを構築することの得失についてあれこれ考えさせられた。この論文では、アメリカ近代における消費財ブランドの擬人化されたイメージを、消費者と企業の仲介者として捉えているんだけど、SNS時代のブランド擬人化との違いはなんだろうか。ローソンのあきこちゃんとか...

 ゼネラル・ミルズのケーキミクスといえば、消費者心理の専門家ディヒター先生がフロイト的観点から「母親は手間を掛けずに愛を注ぎたいんだから、乾燥卵は抜いて、消費者に卵を自分でいれさせなさい」とアドバイスし、おかげですごく売れた。とか、消費者心理の専門家ディヒター先生がフロイト的観点から「母親にとってケーキ作りとは新しい生命をつくることなのだ」と喝破し、そこで赤ちゃん風のキャラクターをつくったらすごく売れた。とか、そういう成功譚があっちこっちに載っている。いずれも落ちは「すごく売れた」であるところ、マーケティング系の与太話の共通項である。ちょっとできすぎていると思う。どれも元はディヒター本人の自慢話なんじゃないかという気がしてきた。
 この論文では、ディヒターは「恐慌期のイメージは戦後の好況にふさわしくない」と肖像画の変更を提言した「心理学者」として登場する。出典は前掲の"Finding Betty Crocker"。ちょっと読んでみたい。

論文:マーケティング - 読了: 久野 (2009) ベティ・クロッカーさんの変遷

2013年6月12日 (水)

Bieman, C. (2006) Chinese Whispers - an Efficient Graph Clustering Algorithm and its Application to Natural Language Processing Problems. Proceedings of the HLT-NAACL-06 Workshop on Textgraphs.
 ネットワーク・グラフの可視化・分析ソフトにgephiというのがあって、使いこなしているとは言い難いけど、しばらく前から愛用している。あのポヨンポヨンと動く感じがたまらない。ときどき落ちたり固まったりするところも愛嬌があってよい。例えていえば、ちょっとおっちょこちょいな巨乳の眼鏡っ子という感じだ。(なにを云っているのだ私は)
 そのgephiに、ネットワーククラスタリングのためのChinese Whispersという機能が搭載されている。クラスタリングに関連する資料を読んでいて突然に気になったんだけど、あのChinese Whispersってなんだ? 中国人のささやき? 耳元で謝謝とか呟くのか? チャイナドレスのお姉さんが? ずいぶん色っぽいではないか。
 ...というわけで引用文献をめくってみた。正直、論文の本題にはあまり関心がない。すいません。

 基本的には、非階層的なハード・パーティショニングのアルゴリズムである。最初は全ノードが各自のクラスに属する。で、全ノードをランダムな順序で抽出し、「近隣ノードにおける上位クラス」に所属させる。全部回ったらまた繰り返す。という、超簡単なアルゴリズムだが、巨大なネットワークでもすごく速くクラスタリングできるのだそうだ。もっとも、常に収束するとは限らないけど。
 肝心の、命名の由来だが... 英語では「伝言ゲーム」のことをChinese Whispersというのだそうです。英和辞典にも載っていた。がっくり。

論文:データ解析(-2014) - 読了: Bieman (2006) チャイニーズ・ウィスパー・アルゴリズム

Kalinka, A.T., Tomancak, P. (2011) linkcomm: an R package for the genratino, visualization, and analysis of link communities in networks of artitrary size and type. Bioinformatics. 27(14), 2011-2012.
 webを眺めていたら、職業:データサイエンティスト、という方が書いているブログがあって、勉強になるなあと思って読んでたのだが(というか、データサイエンティストってほんとにいるんだ、とびっくり。一角獣みたいな伝説的存在かと思っていた)、その方がlinkcommというRパッケージを紹介されていた。なんですかそれは? というわけで、探して読んでみた。開発者によるたった2ページの紹介記事。
 えーっと、ネットワークを下位のコミュニティへとクラスタリングしていく手法なんだけど、ノードの類似性じゃなくてリンクの類似性を考える。ノード k から i へのノードと k から j へのノードがあったとして、i の一次近隣ノードと j の一次近隣ノードのjaccard係数をリンク間の類似性とする、というのが基本アイデア(前になにかで読んだことがあるなあと思ったら、やはりAhnというポスドクの人のNatureの論文だ)。重みや向きを持つリンクにも拡張できる。でもって階層クラスタリングを行う。いろんな視覚化手法を積んでて、楽しそう。

論文:データ解析(-2014) - 読了: Kalinka & Tomancak (2011) linkcommパッケージ

Stern, B. (2004) The importance of being Ernest: Commemorating Dichter's contribution to advertising research. Journal of Advertising Research, 165-169.
 いくら待っても計算が終わらないので、山積みの資料のなかから適当に選んでもう一本読んだ論文。(なにが起きているか薄々気づいているんですが。Muthen先生はかつてこういっていた。モデルの推定が収束しない最大の理由、それはモデルの誤りである、と...)

 広告研究の専門誌に載った、アーネスト・ディヒターの業績を振り返る文章。いわく、アカデミズムにおいてディヒターが急速に忘れられたというのは本当で、消費者行動論の教科書を15冊調べたが名前が載っていたのは3冊。200年に出た"The Why of Consumption"という論文集で彼の名前が出てくるのは最初と最後の頁だけ。でもモチベーション・リサーチは広告の実務家たちに受け継がれ、マーケティング業界の「コード」となっている。名前は忘れられていても、「モチベーションの源としての無意識について論じるとき、そこにはいつもディヒターがいる」。。。という、いささか格好良い文章であった。

 どうでもいいけど、面白かった話:

 いま気が付いたけど、この論文の著者こそ、さっき読んだ論文に出てきたBarbara Sternではないか... 調べてみたら、マーケティングの有名な研究者で、数年前に亡くなっている。

論文:マーケティング - 読了: Stern (2004) アーネスト・ディヒターへの頌歌

松井剛 (2004) 消費社会批判の4類型. 一橋大学研究年報: 商学研究. 45, 171-196.
 計算の待ち時間に読んだ紀要論文。「本読みました」という感じのレビューだけど、勉強になりました。
 えーっと、著者によれば、消費社会批判には大きく4つある。

  1. 文化の画一化とアメリカナイゼーションへの批判。アドルノとか、マルクーゼとか(フランクフルト学派っていうんですかね)、フロムの「破壊」に出てくる「マーケティング的性格」とか。
  2. 企業による消費者欲求の操作に対する批判。パッカードのモチベーション・リサーチ批判とか、ガルブレイスの「ゆたかな社会」とか。この種の批判に対する反論としては、「そんなにうまく操作できてないからいいじゃんか」説と(は・は・は。メディア強力効果説にニュースキャスターが反論するようなもんですね)、「操作じゃないよ教えたげたんだよ」説がある。
  3. 欲求が社会システムによって構造的に規定されている、という批判。Offe (1984) "Contradictions of the Welfare State"という本が挙げられている(クラウス・オッフェ、ハーバーマスの弟子らしい)。それから、「マクドナルド化」とか、ボードリヤールとか。これに対して著者の方は「自らの行為を規定する社会システムからの圧力を知りつつも、その行為を選び取るという主体性がないとは言い切れないだろう[...] むしろ考えるべきなのは、主体的な行為が社会構造を再生産し改変するという逆方向のプロセスだろう」と述べているけれど、うーん、これがリッツァやボードリヤールへの批判として成立しているのかどうかよくわからない。まあとにかく、私はシステムと主体のインタラクションを見たいんだ、という、著者の方の気持ちのあらわれなんでしょうね。其の言や善し。
  4. 最後に、ヴェブレンとかジュリエット・ショアのような、競争的な浪費への批判。著者いわく「消費者間相互作用に着目するがゆえに、企業やメディアといった消費社会を構成する様々なプレイヤーの利害関係がどのようなものであり、それがどのような問題を生みだすのかという視点に欠けている」とのこと。なるほど、それはそうかも、と納得。とはいえ、それは大河小説を書くような、とても難しい作業になるんでしょうけど...

 よく教科書などに「かつてモチベーション・リサーチというのがあったけど大昔にすたれました」って書いてあるけど、すたれたってのはホントなのかなあ、という疑問があって、なんとなくwebを検索していたときに見つけた論文であった(と、読み終える間際に思い出した)。Barbara Sternという人が、広告会社ではずっと現役だったと指摘しているらしい。やっぱそうですよね。読んでみようかな、と題名をみたら、文学理論からみたマーケティング、なあんて書いてある... 死ぬほどめんどくさそうだ...

論文:マーケティング - 読了: 松井 (2004) 消費社会批判の4つのタイプ

2013年6月 9日 (日)

最後に、2013年第一四半期。売上点数ががくんと減りまして...

■臨床心理関連:

Bookcover こわかったあの日に バイバイ! : トラウマとEMDRのことがわかる本 [a]
アナ M. ゴメス / 東京書籍 / 2012-05-25
トラウマとEMDRについての絵本、だそうだ。表紙にはかわいいトラらしきキャラクターが描かれているので、本文にはウマがでてくるのかもしれない。(ごめんなさい)

Bookcover 医療・保健・福祉・心理専門職のためのアセスメント技術を高めるハンドブック―ケースレポートの方法からケース検討会議の技術まで― [a]
近藤 直司 / 明石書店 / 2012-05-23

Bookcover 心理療法/カウンセリング 30の心得 [a]
岡野 憲一郎 / みすず書房 / 2012-07-21

Bookcover 新世代の認知行動療法 [a]
熊野宏昭 / 日本評論社 / 2012-04-05
認知行動療法については知識も関心もないのだが、この本、ちょっと面白そう。

Bookcover 相談援助職の記録の書き方―短時間で適切な内容を表現するテクニック [a]
八木 亜紀子 / 中央法規出版 / 2012-08

Bookcover 方法としての行動療法 [a]
山上 敏子 / 金剛出版 / 2007-07-12

Bookcover 行動分析学入門 ―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書) [a]
杉山 尚子 / 集英社 / 2005-09-16

■データ解析関連:

Bookcover メタ分析入門: 心理・教育研究の系統的レビューのために [a]
/ 東京大学出版会 / 2012-10-31
これは買っとかないといけないなあ...

■そのほか:

Bookcover 看護研究のための文献レビュー: マトリックス方式 [a]
ジュディス ガラード / 医学書院 / 2012-05-25
この本、ずっと気になっていたのである。読んでみなければ。

Bookcover 総統国家―ナチスの支配 1933―1945年 [a]
ノルベルト フライ / 岩波書店 / 1994-04-15
あ、これは既読だ。お買い上げありがとうございます。

■書籍以外:

というわけで、実は売上点数から想像されるほどの収入にはならないのですが(中古本の売上が多いから)、おかげさまで昨年から今年にかけて、厚めの本を数冊買えるだけのアフィリエイト収入がありました。ありがとうございます。自動車やマンションや戦闘機などのご購入をご検討のかたは、このブログからamazonに飛んでいただけると、忘れた頃になって私に感謝されます。

雑記:売上報告 - 売上報告:2013年第一四半期

続きまして、2012年第四四半期。

■データ解析関連:

Bookcover やさしい統計入門―視聴率調査から多変量解析まで (ブルーバックス) [a]
柳井 晴夫,田栗 正章,藤越 康祝,C.R.ラオ / 講談社 / 2007-06-21
おおお、また売れてる! 素晴らしい。ここまできたら、著者の先生方にすこしバックしてもらえないかしらん?

Bookcover 宇宙怪人しまりす 医療統計を学ぶ 検定の巻 (岩波科学ライブラリー) [a]
佐藤 俊哉 / 岩波書店 / 2012-06-06
この本が売れているのもうれしい。楽しくてためになる本です。

Bookcover Excelでスッキリわかる ベイズ統計入門 [a]
涌井 良幸,涌井 貞美 / 日本実業出版社 / 2010-11-11
この本、売れてそうだなあ。読んでませんけど。

Bookcover 史上最強図解 これならわかる!ベイズ統計学 [a]
涌井 良幸,涌井 貞美 / ナツメ社 / 2012-02-21
こんな本も出ている... 知らなかった。

Bookcover SPSSによるロジスティック回帰分析 [a]
内田 治 / オーム社 / 2011-03-24

Bookcover The R Tips―データ解析環境Rの基本技・グラフィックス活用集 [a]
舟尾 暢男 / オーム社 / 2009-11

Bookcover すぐ読める生存時間解析―カプラン・マイヤー法/ロジスティック回帰分析/コックスの比例ハザードモデルが、よくわかる! [a]
高橋 信 / 東京図書 / 2007-02

Bookcover プログラミングR―基礎からグラフィックスまで [a]
高階 知巳 / オーム社 / 2008-11
おっと、この本、知らなかった。2008年刊。


■臨床心理関連:

Bookcover うつ・不安・不眠の薬の減らし方 [a]
原井 宏明 / 秀和システム / 2012-12

Bookcover 学校コミュニティへの緊急支援の手引き [a]
窪田 由紀,林 幹男,向笠 章子,浦田 英範 / 金剛出版 / 2005-04-01

Bookcover 臨床心理学 第12巻第1号 特集:行動分析学で広がる心理臨床 [a]
/ 金剛出版 / 2011-12-01

Bookcover 臨床行動分析のABC [a]
ユーナス ランメロ,ニコラス トールネケ / 日本評論社 / 2009-01

■心理学関連:

BookcoverThinking, Fast and Slow[a]
Daniel Kahneman / Penguin / 2012-5-10
この本、わたくしも原著で買い込み、読み終えないうちに翻訳がでちゃった、というクチです。お買い上げになった方が無事に読み終えた事をお祈りします。

Bookcover 心理学・入門 --心理学はこんなに面白い (有斐閣アルマ) [a]
サトウ タツヤ,渡邊 芳之 / 有斐閣 / 2011-04-09
読んでないけど、著者名からして、きっと面白いにちがいない。

■なぜか大学勤めの人が(こっそり)買いそうな本が売れている。誰だよいったい。正直に名乗り出なさい、そしておごってください。

Bookcover [高等教育シリーズ] 成長するティップス先生 (高等教育シリーズ) [a]
池田 輝政,戸田山 和久,近田 政博,中井 俊樹 / 玉川大学出版部 / 2001-04-15

Bookcover こんな大学教授はいりません [a]
鷲田小彌太 / 言視舎 / 2012-02-28

Bookcover 大学における学習支援への挑戦―リメディアル教育の現状と課題 [a]
日本リメディアル教育学会 / ナカニシヤ出版 / 2012-09-30

Bookcover 大学の実力 2013 (暮しの設計) [a]
読売新聞教育取材班 / 中央公論新社 / 2012-09-25

Bookcover 大学教員準備講座 (高等教育シリーズ) [a]
夏目 達也,近田 政博,中井 俊樹,齋藤 芳子 / 玉川大学出版部 / 2010-03

Bookcover 大学教授という仕事 増補新版 [a]
杉原厚吉 / 水曜社 / 2012-10-12

Bookcover 小さな大学の大きな挑戦―沖縄大学五〇年の軌跡 [a]
沖縄大学五〇年史編集委員会 / 高文研 / 2008-05

Bookcover 科研費獲得の方法とコツ 改訂第2版 [a]
児島将康 / 羊土社 / 2011-08-10

BookcoverThe Chicago Manual of Style [a]
University of Chicago Press / 2010-08

■そのほかいろいろ:

Bookcover docomo GALAXY S III α SC-03E完全ガイド (マイナビムック) (Android Fan) [a]
永田 一八 / マイナビ / 2012-12-11

Bookcover コトラーが教えてくれたこと 女子大生バンドが実践したマーケティング [a]
西内啓,福吉潤 / ぱる出版 / 2010-12-07
ははははは... と笑って表紙を眺めていたら、著者はなんと、最近のベストセラー「統計学が最強の学問である」の著者ではないか。こんな本を書いていたのか。

Bookcover パンフルート演奏入門 [a]
ヨリ ムルク / 本の風景社 / 2007-08-10

Bookcover 史上最強カラー図解 プロが教える人体のすべてがわかる本 [a]
/ ナツメ社 / 2012-06-20
診察室のお医者さんがこの本めくってたら、ちょっと可笑しいですね。

金融経済統計月報の2012年9月号と10月号。

Bookcover 鋼鉄奇士シュヴァリオン 1 (ビームコミックス) [a]
嵐田佐和子 / エンターブレイン / 2012-11-15
このマンガ、一巻の段階ではそれほどでもなかったんだけど、設定自体はとても良いと思う。次巻を期待している次第。

■書籍以外:

雑記:売上報告 - 売上報告:2012年第四四半期

続いて、2012年第三四半期。

■データ解析関連:
BookcoverInterpreting and Using Regression[a]
Christopher H. Achen / Sage Publications, Inc / 1982-11-24
おお、この本がまた売れている... お勧めです。

BookcoverLogistic Regression: A Primer[a]
Fred C. Panpel / Sage Publications, Inc / 2000-7-19
知らなかった。amazon.comのコメントは結構高評価だ。

Bookcover 宇宙怪人しまりす医療統計を学ぶ (岩波科学ライブラリー (114)) [a]
佐藤 俊哉 / 岩波書店 / 2005-12-06
おお、よかったよかった。これ、良い本です。周囲に配りたいくらい。

Bookcover プロモーション効果分析 (シリーズ・マーケティング・エンジニアリング) [a]
守口 剛 / 朝倉書店 / 2002-12
以前読んで勉強になった本。版元品切れらしい。もったいないなあ。

■臨床心理関係:

Bookcover インクルーシブセラピー―敬意に満ちた態度でクライエントの抵抗を解消する26 [a]
ビル・オハンロン / 二瓶社 / 2007-10

Bookcover 臨床心理学まなぶ4 統合的介入法 (臨床心理学をまなぶ) [a]
平木 典子 / 東京大学出版会 / 2010-11-22

■心理・教育関係:

Bookcover 「わかる」ということの意味 新版 (子どもと教育) [a]
佐伯 胖 / 岩波書店 / 1995-09-25
どなたかがサエキバン先生の著作を辿る旅をしておられる模様。著作が多いから、大変だろうなあ。

Bookcover 卒論・修論をはじめるための心理学理論ガイドブック [a]
/ ナカニシヤ出版 / 2007-04
ははははは。

■そのほか、ノンフィクション。まずは既読本から...

Bookcover 現代の貧困――リベラリズムの日本社会論 (岩波現代文庫) [a]
井上 達夫 / 岩波書店 / 2011-03-17

Bookcover 社会学への招待 [a]
ピーター・L. バーガー / 新思索社 / 2007-11

Bookcover 高度成長 (中公文庫) [a]
吉川 洋 / 中央公論新社 / 2012-04-21

以下は未読本:

BookcoverWhy Nations Fail: The Origins of Power, Prosperity, and Poverty[a]
Daron Acemoglu, James Robinson / Crown Business / 2012-3-20
面白そうだなあと思ったら、ちかぢか訳書が出るらしい。「国家はなぜ衰退するのか」という題名になるそうだ。

Bookcover ムック コード進行の掟 CD付き (リットーミュージック・ムック―ギター・マガジンロック・スタディ・シリーズ) [a]
安東 滋 / リットーミュージック / 2002-03-28

Bookcover 一般システム理論――その基礎・発展・応用 [a]
L.フォン・ベルタランフィ / みすず書房 / 1973-07-10
すいません、読んでないです... でも、現時点でこれを苦労して読むのって、どうなんだろうか。よくわからない。

AneCan (アネキャン) 2012年10月号 [雑誌]。AneCan, わたし時々買って読んでます。朝の電車で憂鬱そうにしている女性はこんな事考えているのか、などと、なかなか面白い。

歌劇 2012年 02月号 [雑誌]。おおお、リアル「ZUCCA×ZUCA」の世界だ...

■フィクション:

Bookcover ムーン・パレス (新潮文庫) [a]
ポール・オースター / 新潮社 / 1997-09-30
P.オースターの青春小説。

■コミックス:

Bookcover 俺はまだ本気出してないだけ 5 (IKKI COMIX) [a]
青野 春秋 / 小学館 / 2012-09-28
これ、なかなか面白かったです。このたび映画化される由。主人公のおっさんが堤真一って、ちょっと格好良すぎて心配なんだけど。

Bookcover 森薫拾遺集 (ビームコミックス) [a]
森 薫 / エンターブレイン / 2012-02-15

Bookcover 瓶詰の地獄 (角川文庫) [a]
夢野 久作 / 角川グループパブリッシング / 2009-03-25

■書籍以外:

雑記:売上報告 - 売上報告:2012年第三四半期

つづけて2012年第二四半期:

■なぜか売れてる臨床心理関連:

Bookcover EMDR症例集 [a]
/ 星和書店 / 2003-03
Bookcover トラウマからの解放:EMDR [a]
フランシーン シャピロ,マーゴット・シルク フォレスト / 二瓶社 / 2006-02
Bookcover 図解臨床ガイド トラウマと解離症状の治療―EMDRを活用した新しい自我状態療法 [a]
サンドラ・ポールセン / 東京書籍 / 2012-03-21
十数年前、EMDRについて最初に聞いたときは、かの業界の人々ったら、そんなオカルトにひっかかって、もう...という印象であった。なぜ効くのか、作用機序はあきらかになったのかしらん?

Bookcover うつからの脱出―プチ認知療法で「自信回復作戦」 [a]
下園 壮太 / 日本評論社 / 2004-05

Bookcover ナラティヴ・セラピーの登龍門 [a]
若島 孔文,生田 倫子 / アルテ / 2008-11
Bookcover ブリーフセラピーの登龍門 [a]
/ アルテ / 2005-07
この2点、なぜか2冊づつの売上。どうもありがとうございます。

Bookcover 児童虐待 (エビデンス・ベイスト心理療法シリーズ) [a]
C・ウィカール,A・L・ミラー,D・A・ウルフ,C・B・スピンデル / 金剛出版 / 2012-04-03

Bookcover 大人のADHDの認知行動療法<本人のためのワークブック> [a]
S・A・サフレン / 日本評論社 / 2011-12-01

Bookcover 家族心理教育から地域精神保健福祉まで [a]
後藤雅博 / 金剛出版 / 2012-03-17

Bookcover 小学校スクールカウンセリング入門 [a]
吉田 克彦,若島 孔文 / 金子書房 / 2008-07

Bookcover 教師のためのブリーフセラピー [a]
若島 孔文,吉田 克彦,生田 倫子 / アルテ / 2006-05

■心理・教育関連:

Bookcover 「学び」の構造 [a]
佐伯 胖 / 東洋館出版社 / 2000
あれれ? これ、何十年か前の本だと思うのだが... 2000年刊とのこと。

Bookcover はじめて学ぶヴィゴツキー心理学―その生き方と子ども研究 (フォーラム21) [a]
/ 新読書社 / 2003-05

Bookcover みんなのベイトソン [a]
野村 直樹 / 金剛出版 / 2012-04-13

Bookcover 生涯人間発達学 [a]
上田 礼子 / 三輪書店 / 2012-03

■データ解析関連:
BookcoverInterpreting and Using Regression[a]
Christopher H. Achen / Sage Publications, Inc / 1982-11-24
あまり有名でないけど、これ、隠れた名著だと思います。ほんとに勉強になった。
(この本に関しては、珍しく、お買い上げの方が判明している... まだ珈琲おごってないですね、スイマセン)

■マーケティング関連:

Bookcover 消費者ニーズの法則―消費者が買う理由(ワケ)、買わない理由(ワケ) [a]
梅沢 伸嘉 / ダイヤモンド社 / 1995-04
新製品開発のカリスマ、と呼ばれている方の本。ふうん。

■そのほか、ノンフィクションいろいろ:

Bookcover メディアの支配者(下) (講談社文庫) [a]
中川 一徳 / 講談社 / 2009-06-12
これ、面白いでしょう! 読み始めたらやめられないですよ、ほんとに。

Bookcover 子どもをめぐるデザインと近代―拡大する商品世界 [a]
神野 由紀 / 世界思想社 / 2011-04-02
地味な本だけど、これ、大変エキサイティングな内容でした。

Bookcover 釜ケ崎有情 すべてのものが流れ着く海のような街で [a]
神田 誠司 / 講談社 / 2012-02-17
朝日連載、大阪あいりん地区のルポルタージュ。これだけのために新聞代払ってもいい、という内容であった。

ランニング生活 NO.1[雑誌]。表紙によれば、ランニングで「脳が元気になる」のだそうだ。ううむ。ブログなど書いている場合ではないな...

すんごい美女限定!極上OL STYLE 17。そうか、OLフェチってのがあるのか。つくづく細分化された市場だ。

■フィクション:

Bookcover 20世紀最後の戯曲集 [a]
野田 秀樹 / 新潮社 / 2000-09
野田秀樹さんの戯曲って、読んでもなにが面白いのかよく理解できない。きっと舞台で観なければいけないのであろう。

■コミックス:

Bookcover BLUE (OHTA COMICS) [a]
山本 直樹 / 太田出版 / 2006-07-20
山本直樹の代表作。版元品切れなのか...

Bookcover うちの妻ってどうでしょう? 1 (1) (アクションコミックス) [a]
福満 しげゆき / 双葉社 / 2008-04-28
Bookcover うちの妻ってどうでしょう? 2 (アクションコミックス) [a]
福満 しげゆき / 双葉社 / 2009-06-27
Bookcover 僕の小規模な失敗 [a]
福満 しげゆき / 青林工芸舎 / 2005-09
Bookcover 僕の小規模な生活(2) (KCデラックス モーニング) [a]
福満 しげゆき / 講談社 / 2008-10-23
Bookcover 僕の小規模な生活(3) (KCデラックス モーニング) [a]
福満 しげゆき / 講談社 / 2009-11-20
福満しげゆきさん祭り。好きな本が売れて、ちょっとうれしいです。

Bookcover 清々と 1 (ヤングキングコミックス) [a]
谷川 史子 / 少年画報社 / 2009-12-28
Bookcover 清々と 2 (ヤングキングコミックス) [a]
谷川 史子 / 少年画報社 / 2011-08-29
Bookcover 積極―愛のうた― (クイーンズコミックス) [a]
谷川 史子 / 集英社 / 2006-10-19
わが敬愛する名人・谷川史子さんのマンガ。現実世界を完璧に無視した超清純美少女学園もの「清々と」も悪くないですが、やはり「積極」の凶悪さにはかないません。おっさんを狙いすまして泣かせにきています。

■以下、書籍以外。

雑記:売上報告 - 売上報告:2012年第二四半期

どなたかがこのブログの書影をクリックして買い物して下さる→amazonは私に小銭を投げる→高度資本主義の末端で生きる私はわんわんと喜び、血も涙もない多国籍企業に忠誠を誓うのであった。

というわけで、ときどきこのブログを通じた売上記録を調べていたのだが、ここ一年以上さぼっていた。まずは2012年第一四半期に売れた商品のまとめ。なぜかわからないが、かなりのペースで売れている。

■統計学・データ解析関係:

Bookcover やさしい統計入門―視聴率調査から多変量解析まで (ブルーバックス) [a]
柳井 晴夫,田栗 正章,藤越 康祝,C.R.ラオ / 講談社 / 2007-06-21
なんと! 3冊も売れている。お買いあげありがとうございます。お勧めの名著でございます。

Bookcover 本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本 [a]
吉田 寿夫 / 北大路書房 / 1998-11
この本も絶対のお勧め。こういう本を書くのはほんとに大変なことだと思います。我々は統計ユーザは、数字は苦手だとかなんとか四の五の文句いってないで、さっさとこういう教科書を読んだ方がいいと思う次第です。

Bookcover Excelでスッキリわかる ベイズ統計入門 [a]
涌井 良幸,涌井 貞美 / 日本実業出版社 / 2010-11-11

■マーケティング関係:

BookcoverDestination Marketing and Management: Theories and Applications[a]
Youcheng Wang / C a B Intl / 2011-10-31
観光マーケティングについての論文集らしい。へええ。

Bookcover “現代家族”の誕生―幻想系家族論の死 [a]
岩村 暢子 / 勁草書房 / 2005-06
おおお、また売れている。この本、ほんとに面白いです。

Bookcover マーケティング思考の可能性 [a]
石井 淳蔵 / 岩波書店 / 2012-01-27
いかん、買ったまま読んでないぞ...

Bookcover マンガでわかる 街角の行動観察‐ちょっと得するマイペース思考‐ [a]
久宗 周二 / 創成社 / 2011-11-20
面白そうなんだけど、これ、どういう本なのだろう? 行動観察といっても、人間工学や安全性の視点のものか、障害の視点のものか、はたまたマーケティング的な視点のものか...

■臨床心理関係。なぜか教育臨床、それもひきこもり・不登校関連の本がすごく売れている。このブログをどなたがお読みになっているのかわからないのだが、今期に限らず、臨床心理系の本がかなりよく売れる。友人の仕業ではないかと疑っています。お心当たりのあるかた、名乗り出てくださいまし。コーヒーでもおごります。

ひきこもり関連:

Bookcover 「閉じこもり」から抜け出すには [a]
前川 哲治 / 創元社 / 2010-05-13

Bookcover こころの科学 (2005年 9月号) 123号 ひきこもり [a]
岡崎祐士,青木省三,斎藤環 / 日本評論社 / 2005-08-25

Bookcover ひきこもりつつ育つ―若者の発達危機と解き放ちのソーシャルワーク [a]
山本 耕平 / かもがわ出版 / 2009-02

Bookcover ひきこもりと大学生ー和歌山大学ひきこもり回復支援プログラムの実践 [a]
宮西照夫 / 学苑社 / 2011-11-25

Bookcover ひきこもりの若者と生きる―自立をめざすビバハウス7年の歩み [a]
安達 俊子,安達 尚男 / 高文研 / 2008-01

Bookcover ひきこもる思春期 (こころのライブラリー) [a]
/ 星和書店 / 2002-05

Bookcover ひきこもる若者たち (うつの時代シリーズ) [a]
村尾 泰弘 / 至文堂 / 2005-05

Bookcover はじめてのひきこもり外来―専門医が示す回復への10ステップ [a]
中垣内 正和 / ハート出版 / 2008-04-08

Bookcover ニート・ひきこもりと親―心豊かな家族と社会の実現へ [a]
日本精神保健社会学会 / 生活書院 / 2008-06

Bookcover 青年のひきこもり―心理社会的背景・病理・治療援助 [a]
/ 岩崎学術出版社 / 2000-03

Bookcover 臨床心理学 第11巻第3号 特集:ひきこもり支援論 [a]
/ 金剛出版 / 2011-05-06

Bookcover 引きこもりと向きあう―その理解と実践的プロセス [a]
蔵本 信比古 / 金剛出版 / 2001-09

Bookcover 新・引きこもりからの旅立ち―不登校「その後」・就職拒否に悩む親子との関わりの記録 [a]
富田 富士也 / ハート出版 / 2000-05
あ、この本はちょっと読んでみたい...

Bookcover 社会的ひきこもりへの援助―概念・実態・対応についての実証的研究 [a]
倉本 英彦 / ほんの森出版 / 2002-10
トヨタ財団助成研究の報告書らしい。

Bookcover 引きこもりの理解と援助 [a]
近藤 直司,蔵本 信比古,長谷川 俊雄,川上 正己 / 萌文社 / 1999-11

不登校関連:

Bookcover 上手な登校刺激の与え方―先生や家庭の適切な登校刺激が不登校の回復を早めます! [a]
小沢 美代子 / ほんの森出版 / 2003-05
登校刺激って言葉があるのか...

Bookcover 不登校・ひきこもりと居場所 [a]
忠井 俊明,本間 友巳 / ミネルヴァ書房 / 2006-12

Bookcover 不登校対応ガイドブック [a]
齊藤 万比古 / 中山書店 / 2007-03-20

Bookcover 不登校―その心もようと支援の実際 [a]
伊藤 美奈子 / 金子書房 / 2009-08

Bookcover 不登校の児童・思春期精神医学 [a]
齊藤 万比古 / 金剛出版 / 2006-10

Bookcover 事例に学ぶ不登校の子への援助の実際 [a]
小林 正幸 / 金子書房 / 2004-10

Bookcover 人とうまくつき合えない子どもたち―不登校・ひきこもり・ニート、その理解と支援 [a]
小田 貴美子 / 学事出版 / 2006-12

Bookcover 行動療法を生かした支援の実際―発達障害・不登校の事例に学ぶ [a]
/ 東洋館出版社 / 2007-07

Bookcover 発達障害が引き起こす不登校へのケアとサポート (学研のヒューマンケアブックス) [a]
齊藤 万比古 / 学研教育出版 / 2011-09-13

アスペルガー関連:

Bookcover パスポートは特性理解 [a]
NPO法人ノンラベル・田井みゆき / クリエイツかもがわ / 2009-08-26
書名の意味がわからなかったのだが、アスペルガー障害の援助者向けに、障害の特性について紹介した啓蒙書らしい。なるほど。

Bookcover 仕事がしたい! 発達障害がある人の就労相談 [a]
梅永 雄二 / 明石書店 / 2010-01-30

Bookcover 大人のADHDの認知行動療法<セラピストガイド> [a]
S・A・サフレン / 日本評論社 / 2011-12-01

Bookcover 家庭編 アスペルガー症候群・高機能自閉症の子どもを育てる本 (健康ライブラリー イラスト版) [a]
/ 講談社 / 2008-07-11

Bookcover 思春期のアスペルガー症候群 (こころライブラリー イラスト版) [a]
/ 講談社 / 2008-11-29

認知行動療法:

Bookcover だいじょうぶ 自分でできるこだわり頭[強迫性障害]のほぐし方ワークブック(イラスト版 子どもの認知行動療法 3) (イラスト版子どもの認知行動療法) [a]
ドーン ヒューブナー / 明石書店 / 2009-12-10
Bookcover だいじょうぶ自分でできる悪いくせのカギのはずし方ワークブック (イラスト版 子どもの認知行動療法 6) [a]
ドーン・ヒューブナー / 明石書店 / 2010-02-23
この2冊、書名さえしらなかったが、APA(米心理学会)が企画した認知行動療法の絵本だそうだ。APAって、そんなこともやるのか、しらなかった。

Bookcover ワークブック アトウッド博士の〈感情を見つけにいこう〉1 怒りのコントロール [a]
トニー・アトウッド / 明石書店 / 2008-11-27
Bookcover ワークブック アトウッド博士の〈感情を見つけにいこう〉2 不安のコントロール [a]
トニー・アトウッド / 明石書店 / 2008-11-27

Bookcover 認知行動療法事典 [a]
/ 日本評論社 / 2010-12-24

そのほか、いろいろ:

児童心理増刊 学校と子どもを活かすブリーフセラピー 2012年 02月号 [雑誌]。ISBNがない。

Bookcover 子どものための自分の気持ちが<言える>技術 [a]
平木 典子 / PHP研究所 / 2009-08-27
内容紹介いわく、「小さいうちにお互いを尊重しあうコミュニケーションの考え方とその方法:アサーションを身に付けると一生困りません」いや、一生困らないってことはないでしょうけど...

Bookcover 摂食障害の「解決」に向かって―ソリューション・フォーカスト・ブリーフセラピーによる治療の実際 [a]
バーバラ マクファーランド / 金剛出版 / 1999-03

Bookcover 精神療法 第37巻第6号 特集:家族・夫婦面接をもつことの意義 [a]
/ 金剛出版 / 2011-12-01

Bookcover 臨床家のための家族療法リソースブック―総説と文献105 [a]
日本家族研究家族療法学会 / 金剛出版 / 2003-05-28

Bookcover ストレスマネジメント・ワークブック―ストレスを知り、じょうずにつきあうために! [a]
ストレスマネジメント教育実践研究会 / 東山書房 / 2002-01-01

さいごに、聴覚障害関連:

Bookcover あなたの声が聴きたい―難聴・中途失聴・要約筆記 [a]
江時 久,幡掛 節子,前田 愛子,宇田 二三子,今橋 幸恵 / 文理閣 / 2003-10

Bookcover 中途失聴者と難聴者の世界―見かけは健常者、気づかれない障害者 [a]
山口 利勝 / 一橋出版 / 2003-08

Bookcover 聴覚障害者が見たアメリカ社会―障害者法と情報保障 [a]
しみず よりお / 現代書館 / 2004-02

Bookcover 音から隔てられて―難聴者の声 (岩波新書 青版 936) [a]
/ 岩波書店 / 1975-07-21

... いやあ、誠に恐縮です。コーヒーにケーキもつけます。

■そのほか書籍。

Bookcover すぐに役立つ 初めての人のための社会起業のしくみとNPO運営ガイド [a]
/ 三修社 / 2011-11-22
Bookcover NPO法人会計基準 完全収録版 [a]
/ 八月書館 / 2010-12
Bookcover NPO法人会計基準対応版 これ1冊で実務に対応できる 基礎からわかるNPO会計 実務者必携! [a]
馬場 英朗 / 合同出版 / 2011-06-25
Bookcover 社会起業家のためのNPO・新公益法人Q&A―仕組みの違いから優遇税制まで [a]
脇坂 誠也 / 三和書籍 / 2009-12
NPOの立ち上げに関心のお持ちの方がおられたらしい。

Bookcover 血族の王―松下幸之助とナショナルの世紀 [a]
岩瀬 達哉 / 新潮社 / 2011-07
この本は読んだ覚えがあるぞ。

Bookcover 小倉昌男 経営学 [a]
小倉 昌男 / 日経BP社 / 1999-10

Bookcover よそ見津々 [a]
柴崎 友香 / 日本経済新聞出版社 / 2010-09-23
エッセイ集とのこと。

Yha! Hip & Lip (ヤァ ! ヒップ アンド リップ) 2012年 02月号 [雑誌]。お尻フェチの人のためのアダルト誌らしい。いろんな趣味があるなあ。

Bookcover 杯気分!肴姫 一杯目 (ビームコミックス) (BEAM COMIX) [a]
入江 喜和 / エンターブレイン / 2010-05-24
Bookcover 杯気分!肴姫 二杯目 (ビームコミックス) (BEAM COMIX) [a]
入江 喜和 / エンターブレイン / 2010-05-24
Bookcover 杯気分!肴姫 三杯目 (ビームコミックス) (BEAM COMIX) [a]
入江 喜和 / エンターブレイン / 2010-06-25
ベテラン漫画家・入江喜和さんの、たしかデビュー作。私もこの作品、とても好きです。ご同慶の至り。

■以下は書籍・雑誌以外の商品。はじめてMP3の売上が...

■そのほか諸々:

雑記:売上報告 - 売上報告:2012年第一四半期

2013年6月 8日 (土)

Beck, N., Katz, J.N., Tucker, R. (1998) Taking time seriously: Time-series-cross-section analysis with a binary dependent variable. American Journal of Political Science. 42(4), 1260-1288.
Singer & Willett の縦断データ解析本を読んでいて、へえー、と感心した箇所があって(離散時間ハザードモデルでのcloglog リンクとlogitリンクのちがいについての説明)、そこで引用されていたのでちょっと読んでみた。えーと、論文の主旨は「BTSCSデータの正しくて簡単な分析方法を教えてやるよ」とのこと。

 BTSCSデータ? はあ? と思ったが、binary time-series cross-sectionデータ、つまり「従属変数が二値な時系列クロスセクションデータ」の略で、どうやら政治学の分野ではよく用いる略語らしい。いろんなジャーゴンがあるものだなあと感心。
 「時系列クロスセクション」って、世間一般ではパネルデータっていいませんか? と思ったのだが、「パネル」というときには時点が少なく個体数が多い場合を指し(そういえばそういう語感ですね)、いっぽう「時系列クロスセクション」は時点が多く個体数が少ない場合を指す由。要するに、多変量時系列データが数セット縦積みになっていることをいうのであろう。そういえば前に習ったような気もする。往時茫々...

 なんでも、BTSCSデータ(舌がもつれそうですね) は国際関係の研究ではよくあるデータ形式なのだそうで、たとえばいくつかの二か国間関係に注目し、国のペアx年をオブザベーション、「軍事衝突がおきた」とか政治の仕組みとかを変数にとったデータをつくって、政治がどうだったら軍事衝突が起きやすい、なんていう分析をするのだそうだ。ほー。
 で、多くの研究者が「軍事衝突が起きた」を従属変数、政治についてのの変数群を独立変数にとった単純な回帰モデルをつくってしまっている(ロジスティック回帰とかプロビット回帰とかで)。でもオブザベーション間に自己相関があるから、標準誤差がすごく過小評価されてしまう。危険を感じてハザードモデルを使う人もいるけど、数が少ない。

 そこで著者らいわく、勉強しなくていいからこれだけは覚えておけ。ある単位期間にイベントが起きる確率のことをハザードという。ふつうは連続時間上で測ったイベントヒストリーデータを用いてハザードをモデル化する。ところがイベント時間の測定が離散時間上でなされている場合もあって、そういうのをgrouped durationという。で、BTSCSデータ (覚えにくいですね) はまさにgrouped duration データそのものである。

 連続時間ハザードモデルとしてもっとも良くつかわれているのはCox比例ハザードモデルで、個体 i, 時点 s , 共変量 \bm{x}_{i,s} におけるハザードは
  h (s | \bm{x}_{i,s}) = h_0(s) exp( \bm{x}_{i,s} \beta)
これが離散時間になると、
  h (t | \bm{x}_{i,t}) = 1 - exp( -exp(\bm{x}_{i,s} \beta + \kappa_{t-t_0}) )
となる由。
 あれれ? \kappaってなに? と思ったので、Appendixの説明を追ってみた。まず時点 t における生存確率は
S(t) = exp( -\int_0^t h(\tau) d\tau )
 以下、めんどくさいので添字 i を略記する。時点 t_k - 1 から t_k までのハザードは
h(t_k) = 1 - exp ( -\int_{t_k -1}^{t_k} h(\tau) d\tau)
 \bm{x}が期間中に変わらないとして、h(\tau) = h_0(\tau) exp( \bm{x}_{t_k} \beta)を代入し、係数の部分を積分記号の外に出して
h(t_k) = 1 - exp ( -exp( \bm{x}_{t_k} \beta) \int_{t_k -1}^{t_k} h_0(\tau) d\tau)
どうせベースラインハザード関数 h_0(t)は未知なんだから、積分記号以降を \alpha_{t_k} として
h(t_k) = 1 - exp ( -exp( \bm{x}_{t_k} \beta) \alpha_{t_k})
 ここまでは思いついたのだが、さらに \kappa_{t_k} = log(\alpha_{t_k}) として
h(t_k) = 1 - exp ( -exp( \bm{x}_{t_k} \beta + \kappa_{t_k}))
 で、多重イベントの場合に対応できるように、前のイベントの生起時間を t_0 とし、\kappaの添え字はt_0からの差にしているのであった。

 というわけで、t-t_0 の上限の個数だけダミー変数をつくりなさい。で、前のイベントからの時間をこのダミー行列で表現しなさい(前のイベントから3年たっていたら3列目を1にする)。このダミー行列を独立変数にいれなさい(切片項の推定はやめなさい)。さすればこれらの変数の係数が \kappaの推定値となり、正しい分析ができるであろう。との仰せである。

 ...この論文ではgrouped PHM、つまり離散時間で測定されたイベントヒストリーデータにわざわざ連続時間ハザードモデルをあてはめている作戦をとっているわけだけど、するとハザード関数が 1-exp(-exp(...))となり、cloglogリンクのモデルになってしまう。でも、もし時間が本当に離散的に動いていたら logit リンクでよかったわけだ。ベースライン・ハザード関数をパラメトリックに指定する場合であれば、マジメに clogclog をつかう動機もまだ理解できるが、そうでないなら logit リンクで問題ないのではなかろうか? ...実のところ、この疑問が頭にあって、読んでみた論文であった。というわけで、面白いのはここからである。
 著者らいわく、ハザードが50%を越えなければ、どっちを使ったって大差ない。そして軍事衝突はそんなには起きない。だからロジットリンクを使っちゃいなさい(おおっと...)。すなわち
  h(t | \bm{x}_{i,t}) = 1 / { 1 + exp( -(\bm{x}_{i,t} \beta + \kappa_{t-t_0}) ) }
さすればお手元のソフトで簡単に分析できちゃうであろう、とのこと。意外に簡単なお返事で拍子抜け。
 
 その他の話題としては...このようにモデルにダミー変数を入れる必要があるか、尤度比検定で決めること(ベースラインハザードが定数だというのならそれはそれでハッピーだから)。入れるんなら全部入れること。ただし、全てのダミー変数をほんとに入れるよりも自然二次スプラインを使うのがお勧め(つくりかたはソフトに載ってるでしょ、とのこと)。ある個体の2回目以降のイベントが一回目よりも起こりやすい(にくい)と仮定する場合にどうするか(「いま何番目の生起待ちか」という変数をいれちゃうのが簡単)。左打ち切りがあったらどうするか(たいした問題ではない由)。時間変動する独立変数があったらダミー変数と相関してしまうけどどうするか(困るしかない)。欠損があったらどうするか(困れ)。云々。

 最後に分析例。単純なロジットモデルと、持続時間のダミー変数をいれたモデルでは、係数の推定値がずいぶんちがう。ああ、そりゃそうだろうな、前の戦争がどのくらい前だったかで戦争の起こりやすさは変わりそうだし、政治のしくみも変わりそうだ。その他、いろいろ分析しているけどパス。

 実のところ、この論文の主張は単に「イベント持続時間を考慮せよ」であって、誤差の自己相関を積極的にモデル化するという話ではない。著者らいわく、そういうアドバイスは容易だが実現は難しい。我々は実現を重んじているのだ、とのこと。
 というわけで、とても親切な啓蒙論文であった。ありがたいです。それから、政治学者はそんなに数学に強くないということがわかった。ありがたいです。

論文:データ解析(-2014) - 読了:Beck, Katz, & Tucker (1998) 政治学者のためのとっても簡単なイベントヒストリー分析

2013年6月 4日 (火)

Bookcover シェイクスピア全集 (〔31〕) (白水Uブックス (31)) [a]
ウィリアム・シェイクスピア / 白水社 / 1983-01
読み終えて思うに、この話、おかあさんがコワイと思うんですよね。。。滔々と弁じて息子に訴え、その結果息子を死に追いやるわけじゃないですか。後先考えずに情に訴える哀れな母親というより、なんというかその、宿命の死神とでもいえばいいのでしょうか。。。などと、読後あれこれ考えて過ごした。良い本はいいなあ。

フィクション - 読了:「コリオレーナス」

Bookcover ストイックという思想 [a]
岡野守也 / 青土社 / 2012-12-19
マルクス・アウレリウスについての研究書かと思ったら、なんというかその、偉い先生による人生講話であった。ろくに確かめもせず読み始めてすいませんでした、失礼いたします。。。という感じ。

Bookcover 道元の考えたこと (講談社学術文庫) [a]
田上 太秀 / 講談社 / 2001-06-08

Bookcover 道元 「小参・法語・普勧坐禅儀」 <全訳注> (講談社学術文庫) [a]
大谷 哲夫 / 講談社 / 2006-06-09

哲学・思想(2011-) - 読了:「ストイックという思想」「道元の考えたこと」「小参・法語・普勧坐禅儀」

Bookcover 戦争の論理―日露戦争から太平洋戦争まで [a]
加藤 陽子 / 勁草書房 / 2005-06

日本近現代史 - 読了:「戦争の論理」

Bookcover 人はなぜ人を殺したのか ポル・ポト派、語る [a]
舟越 美夏 / 毎日新聞社 / 2013-03-01
イエン・サリ、キュー・サムファンら、旧ポル・ポト派幹部へのインタビューを軸にしたノンフィクション。クメール・ルージュの恐怖政治と虐殺を生き延びた人々が、どのように過去と向き合い、人を赦していくか、という重いテーマを抱えた本であった。

Bookcover 夫婦格差社会 - 二極化する結婚のかたち (中公新書) [a]
橘木 俊詔 / 中央公論新社 / 2013-01-24
最終章、結婚行動の地域差の分析が面白かった。ここの章だけ文体が違うような気がする。共著の若いお弟子さんが書いた章なのだろうか(著者の先生には悪いけど...いや、教員冥利に尽きる、かな...)。
 都市規模のちがういくつかの地域を採りあげて比較すると、女性の未婚率は大都市のほうが高いが、男性の未婚率は都市部と山間部で高く都市近郊で低い。いっぽう未婚者の交際状況についてみると(内閣府の調査)、異性との交際経験がないと答える人は地方のほうが多い。へえー。婚姻に対する圧力に地域差がある、都市部で低所得だと結婚に踏み切れない、(サーチ理論の観点から)都市部のほうがいまより魅力的な人に巡り会える機会が多いから結婚に踏み切れない、といった説明が可能である由。

Bookcover 正統と異端 - ヨーロッパ精神の底流 (中公文庫) [a]
堀米 庸三 / 中央公論新社 / 2013-04-23
 中世ヨーロッパのカトリック教会で、たとえば洗礼を授けてくれた聖職者があとで罪に問われて罷免されちゃったとき、その洗礼はいったいどうなるのか、やり直すべきか、いやいや秘蹟は神が与えたのだからそりゃおかしい... という論争があったのだそうだ。素人にはどうでもいいような話に聞こえるけれど、これが実は深刻な大問題なのである。
 この論争を手がかりに、政治と宗教とのダイナミックなせめぎ合いが描かれる。難しくてわからない箇所が多かったけど、それでもとても面白い内容であった。

Bookcover 死との対面: 瞬間を生きる (知恵の森文庫 t や 6-1) [a]
安岡章太郎 / 光文社 / 2012-08-08
原著は98年刊。エッセイというより、談話を構成したものじゃないかしらん。

Bookcover 日本型近代家族―どこから来てどこへ行くのか [a]
千田 有紀 / 勁草書房 / 2011-03-29

Bookcover 韓国 葛藤の先進国 (日経プレミアシリーズ) [a]
内山 清行 / 日本経済新聞出版社 / 2013-03-16

Bookcover 日本の転機―米中の狭間でどう生き残るか (ちくま新書) [a]
ロナルド ドーア / 筑摩書房 / 2012-11

Bookcover 演出術 (ちくま文庫) [a]
蜷川 幸雄,長谷部 浩 / 筑摩書房 / 2012-07

Bookcover イメージ―視覚とメディア (ちくま学芸文庫) [a]
ジョン バージャー / 筑摩書房 / 2013-01

Bookcover わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書) [a]
平田 オリザ / 講談社 / 2012-10-18

Bookcover 雑草のはなし―見つけ方、たのしみ方 (中公新書) [a]
田中 修 / 中央公論新社 / 2007-03
息抜きに読んだ本。空き地に生えてくるスギナ、抜いても抜いてもきりがないけれど、鉢植えで育てようとすると案外に難しいのだそうだ。根を張るまでが大変なのだそうである。へええ? 地球が滅びても奴らだけは生き残るんじゃないかというくらいしぶといのに、意外だ。

ノンフィクション(2011-) - 読了:「人はなぜ人を殺したのか」「演出術」「イメージ」「正統と異端」「わかりあえないことから」「死との対面」「日本の転機」「夫婦格差社会」「韓国・葛藤の先進国」「日本型近代家族」「雑草のはなし」

こんなことしている場合じゃないんだけど (夜明けまであと3時間半)、計算が終わらないので... 5月に読んだマンガの残り。

Bookcover エイス (1) [a]
伊図 透 / 講談社 / 2013-05-23
Bookcover エイス (2) [a]
伊図 透 / 講談社 / 2013-05-23
著者は双葉社で「ミツバチのキス」「おんさのひびき」を書いていた人。その後講談社で描いていたとは知らなかった。モーニング・ツー連載だそうだ。
 旧作はどちらもとても魅力的だったのだけど、全体の構成が奇妙というか、壮大な風呂敷が畳まれずに終わるというか、そういう危うさがあった(そこがよいのだ、という見方もあろうが)。本作もまさにそんな感じで、なぜか舞台が途中で日本からベネズエラに飛んでしまう。大丈夫なんだろうか、とちょっとどきどき。

Bookcover テラフォーマーズ 1 (ヤングジャンプコミックス) [a]
貴家 悠 / 集英社 / 2012-04-19
Bookcover テラフォーマーズ 2 (ヤングジャンプコミックス) [a]
貴家 悠 / 集英社 / 2012-08-17
Bookcover テラフォーマーズ 3 (ヤングジャンプコミックス) [a]
貴家 悠 / 集英社 / 2012-11-19
Bookcover テラフォーマーズ 4 (ヤングジャンプコミックス) [a]
貴家 悠 / 集英社 / 2013-02-19
Bookcover テラフォーマーズ 5 (ヤングジャンプコミックス) [a]
橘 賢一 / 集英社 / 2013-05-17
話題になっているようなので読んでみた。人の姿をしたゴキブリと戦う話。ヤングジャンプ連載。
 いろいろ瑕疵はあっても、とにかく一点だけ光り輝く部分があれば、それだけでマンガはとても面白くなるし、実際にこのように売れるのである。素晴らしいことだ。このマンガでいえば、ドラマ部分の子供っぽさは個人的にちょっと耐えられないのだが、とにかくゴキブリ人間の造形が実に良い。だって、身長2mくらいあるゴキブリのおっさんがですよ、凄いスピードで走ってきたりするんですよ、二足歩行で。これは怖い。

Bookcover とりぱん(14) (ワイドKC モーニング) [a]
とりの なん子 / 講談社 / 2013-03-22

Bookcover アノネ、(上) [a]
今日マチ子 / 秋田書店 / 2012-12-14
なんといっても、「アンネの日記」とユダヤ人虐殺を題材にした、かなり読み手を選びそうなこのマンガが、レディコミ誌「エレガンス・イブ」に載っているというのがすごい。嫁と姑が殴り合う格闘アクションコメディ「嫁姑の拳」もこの雑誌だった。尖ってるなあ。。。

Bookcover おうちがいちばん(7) (バンブーコミックス) [a]
秋月 りす / 竹書房 / 2013-04-27

Bookcover 女と猫は呼ばない時にやってくる (ジュールコミックス) [a]
小池田 マヤ / 双葉社 / 2012-05-17
Bookcover 老いた鷲でも若い鳥より優れている (ジュールコミックス) [a]
小池田 マヤ / 双葉社 / 2013-04-17
料理マンガの要素を取り入れている分だけ救いがあるけど、相変わらず業の深ーいマンガ。ちょっとついていけない...

Bookcover 数寄です! 3―女漫画家東京都内に数寄屋を建てる [a]
山下 和美 / 集英社 / 2013-02-25

Bookcover 猫なんかよんでもこない。その2 (コンペイトウ書房) [a]
杉作 / 実業之日本社 / 2013-03-14

コミックス(2011-) - 読了:「テラフォーマーズ」「エイス」「とりぱん」「猫なんか呼んでもこない」「数寄です!」「老いた鷲でも若い鳥より優れている」「女と猫は呼ばないときにやってくる」「おうちがいちばん」「アノネ、」

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