読了: 美馬 et al. (2022) N-of-1 研究入門

美馬達哉, 小金丸聡子, 芝田純也, 佐藤岳史 (2022) N-of-1研究をどう行うか. リハビリテーション医学, 59, 1111-1117.

 勉強のつもりで目を通した啓蒙論文。

 N-of-1デザインって全然わかってなかったんだけど(昔の教科書には書いてなかったですよね?)、CONSORTのガイドラインでは、単一の試験参加者についてABABやABCABC試験をやるデザイン、という風に定義されているらしい。前向き試験で、ランダム化もブラインド化もやる。適しているのは、慢性疾患とかで、介入の効果が即時的で、キャリーオーバーが少ない場合。
 分析の際は、時系列データを一般化線形混合モデルで分析する。最適介入を知るための臨床研究という側面を重視するなら階層ベイズモデルが望ましい由。

 心理学とかでいうところのシングル・ケース・デザイン(SCED)とどう違うのかなと思ってたんだけど、その話は書いてなかった。N-of-1 はSCEDの下位分類、ってことであってるのだろうか。