Smith, H.J., Pettigrew, T.F., Pippin, G.M., Bialosiewicz, S. (2012) Relative Deprivation : A Theoretical and Meta-Analytic Review. Personality and Social Psychology Review, 16(3), 203-232.
街を歩くと憂鬱になる。あちこちに目につくオレンジ色の選挙ポスター。ついに日本にも極右ポピュリズムの高波が押し寄せてきた。欧州諸国のニュースをみるに、いつかはそのときが来ると頭ではわかっていたのだが、世情の変化は想像を超えて速い。これから見たくないものをたくさん見なければならないだろう、という絶望感がある。
あの人たちの主張に対してはどうかしているとしかいいようがないし、オレンジ色の政党はいずれ別の何かに代わるかもしれないけれど、その背後にある人々の「大事なものを奪われた」という感覚は、これからの社会を突き動かし、毒し続けるだろうと思う。私にできることはあまりないけれど、せめてこれから起きることを少しでも理解したいものだ、とあれこれ思いあぐね、相対的剥奪に関するレビュー論文に目を通した。心理学のリジッドな実証研究に目の前の生々しい現象についての示唆を期待するのは、ちょっと筋違いかなという気もするんだけど。
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