読了:「ギリシア悲劇III エウリピデス(上)」「パートタイマー・秋子」

現代日本を代表する劇作家、永井愛の2003年の作品。食品スーパーを舞台に、倫理的課題に直面する人々を描く。このたび再演されることになり単行本となった模様。
 これから全国ツアーをやるらしいけれど、私は池袋の東京芸術劇場で観て、衝撃のあまり物販コーナーでこの本を買い、項垂れてとぼとぼと帰ってきた。永井愛さんの作品は喜劇の形をとって、私たちの虚飾と偽善に満ちた生活をあまりに鋭く抉るので、とてもじゃないが平常心ではいられないのである。

昨年のホメロス・ブームの余波で、ちくま文庫のギリシア悲劇選集をちびちび読んでいた。はるか昔のかけ離れた文化での芝居なので、全然理解できないところのほうが多いんだけど、それでも胸を撃つくだりがあるというところが不思議である。この本に収められた作品だと「トロイアの女」が印象深い。