読んだ本はすべて記録しようと思っているのだけれど、2025年1月中旬以降に読んだ本の記録をさぼっていて、ただただ部屋の隅に積み上げている。例年、年明けには前年読んだ本を整理していたのだけれど、今年は身辺の激動により、とてもじゃないけど読書どころではなかった。
2月の声を聴き、ようやく仕事の合間や移動中に本の頁をめくるというところまで生活を立て直すことができた。順序は狂ってしまうけれど、たまたま読んだ本がとても面白かったのでメモしておく。
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宮崎市定「雍正帝: 中国の独裁君主」, 中公文庫, 1996.
著者は云わずと知れた中国史の大家。雍正帝って? と思いながら手に取ったんだけど、清朝の皇帝、康熙帝と乾隆帝の間に位置する人である。えーっと… ああそうか、香港映画「空とぶギロチン」における陰険な皇帝か。在位は1722-1735。調べてみたところ、日本でいうと享保年間である。
要するに雍正帝は根は善良な素朴な、当時の満州人そのものを代表する人物であった。だから中国的な独裁君主になりたいと念願し、その目的に向かってひたすら努力するうち、かつて中国に観られなかった一種独特の独裁体制を知らず知らずの間に創造したのであった。[…] 彼の涙ぐましいほどの善意にあふれた政治も、それが独裁君主制という形をとったために、報いられることが案外に少なかったばかりでなく、予期に反した逆効果さえ生んだ[…]。
思うに中国に数千年もの間、専制君主制が続いてきたのは、それがある程度の柔軟性を持ち、時代の進歩に適応して進歩してきたためである。[…] 歴代の、いわゆる名君なるものが現れて、たえず君主制の理想と実施とに改良を加え、無言の大衆の信頼をつないできた。雍正帝の独裁政治はまさにその絶頂に位する。そして独裁制に信頼する民衆は独裁制でなければ治まらないように方向づけられてしまった。これは中国人民にとって誠に悲しむべき結果である。この点からいえば、雍正帝の政治はまさに善意に溢れた悪意の政治といわなければならない。しかもこの種の善意に満ちた悪意の悲劇はまだすっかり終わってはいない。そして大きな歴史の裁きを待っているのである。
底本は1950年刊行の岩波新書である。中華人民共和国建国の翌年だ。
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上ではNDLの書影画像をじかに貼ってみたのだけれど(許可されています)、うーん、どうするのが効率的なのだろうか。