そんなこんなで、こちらから引っ越してまいりました。
誰にとってもどうでもよい話だと思うのだけれど、引っ越しに至った経緯をメモしておく。すいません、これは自分のための覚え書きであります。
このブログは2004年12月に遡る。なぜこんなに長続きしているのか自分でもよくわからない。たぶん誰も読んでいないからだろう。
このブログの最大の目的は、読んだ本の記録をとることであった。本来はそのへんのノートに手書きで書けばいいんだけど、いちいち書名を書くのが面倒である。ブログなら、ISBNを打ち込めば書名や書影が出てくるという仕組みを用意することができる。逆にいうと、その仕組みがないなら意味がない。
そこで艱難辛苦の末、レンタルサーバにmovable typeを導入し(当時一世を風靡したCMSプラットホームである。以下MTと略記)、プラグインでこの仕組みを実現した。投稿するたび、本文中のISBNらしき文字列を探し、みつかったら当時存在した電子書店bk1のAPIを叩いて書誌情報と書影画像へのリンクを取得し、HTMLに変換してISBNと差し替えるというプラグインである。perlで苦労して自作した。そういう時代だったのである。
ことの発端はこのプラグインである。
自分なりに気に入った見栄えになり、自己満足に浸ったのはよいが、2004年以来なんどか動作しなくなり(理由の例: bk1の撤退)、そのたびに泣きながら大改造する羽目になった(例, amazonのAPIの仕様を調べて書き換える)。
今春、またも動かなくなってしまった。気づくのが遅かったんだけど、Amazon Product Advertisement APIの仕様がまたも大きく変わっていた。
仕方がないので、また泣きながら大改造したんだけど、これがどんなに頑張っても動かない。正確に言うと、シェルからperlスクリプトとして呼べばうまく動作するんだけど、MT上で動かそうとした途端にだめになる(APIが500を返す)。涙目で天を仰ぎました。情報技術の神よ、私が悪いのですか。
あとでわかったことだけど、私は悪くない。別のサーバで同一バージョンのMTをまっさらから構築して試したけど、やはり動かない。しかし最新版のMTなら動く。想像するに、古いMTに含まれているperlライブラリの問題であろう。
それならMTをバージョンアップすればよい。今だから言えることだが、旧ブログはMT 4.38というアンティークな代物をだましだまし使い続けていたのであった。これは安全性という観点からも好ましいことではない。
よし!MTのアップデートだ!
しかしながら、ここにハードルがあって…
MT 4.38ではいくつかのタイプのデータベースが使えたが、MT 5からはMySQLが必須となる。いっぽう、私が借りていた超格安レンタルサーバでは、MySQLなどという気の利いたデータベースは使えない。
仕方がないので、(1)新たにサーバを借り(そう、おっさんは物事を金で解決するのである)、(2)MT 4.38を導入し、(3)旧サーバのバックアップからデータを復元し(なんど試してもデータをうまく復元できなかった。正直、これには魂を削られた。最終的にはバックアップデータのXMLを手で修正して突破した)、(4)データベースをMySQLに切り替え、(5)最新のMTであるMT 7にアップグレードし、(6)ドメイン名を移行した。
艱難辛苦のかいあって、ついに目的に到達した。プラットホームは最新だしプラグインも動く。よくやった俺! ただの運動不足の冴えないおっさんではないぜ!
…という地味な苦労話があったのだが、最終的に、MTを使うのはやめて、別のブログを立ち上げることにした。
理由はきわめて単純。MT 4.38から5に移行する際、データベース切り替えにより記事IDが変わる、よってパーマリンクが変わってしまうからである。これを回避する方法はないらしい。おいMT 4.38, お前はいったいどういう仕様なんだ!と腹を立てたところで、相手はとっくにサポート切れの骨董品である。
旧ブログの内容は移行せず、MTを削除することにした。さようならmovable type。長い間ありがとう。
旧ブログの記事は引き続き読めるが、それらはありし日のMTが静的に生成したHTMLファイルであり、もう更新はできない。
長々書いてきたのだが、教訓はふたつ。
- 今回調べてみてわかったんだけど、自前でレンタルサーバを借りて自前でCMSプラットホームを構築するなどという時代はとっくに終わっていた。いまどきそんなことをするのは業者さんくらいのようだ。個人ユーザのためには簡単便利なブログサービスがいっぱいある。機能は至れり尽くせり、ISBNを書名に書き換えることだってお手の物。いまやブログはプロが管理しているのを借りる時代なのだ。
- なまじ勢い込んで自作のスクリプトなんかを運用していると痛い目にある。ほかに有益な時間の使い方はいっぱいあった。
教訓2はつくづく身に染みたが、教訓1はまだ不十分とみえて、このブログは、新しく借りたサーバに自前で構築したWordPressで書いている。
ちなみに、CMSプラットホームの首位はWordPressとなり、movable typeのユーザはいつのまにか激減していたようだ。あんなにいっぱいいたのに、みんなどこに行っちゃったんだろう? 浦島太郎のような気分だ。
すいません、ちょっと書影を貼るテストをします。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
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書影取得についてはいまのところAmazon Auto Linksというプラグインを使わせていただいておりますが(開発者の方に感謝)、著者名や出版社名や出版年月を表示できないのがつらいところだ。いずれ自作するか… (教訓2も身に染みていない)