読了:Barnett (1988) 市場予測の4つのステップ

Barnett, W. (1988) Four steps to forecast total market demand. Harvard Business Review. Jul. 1, 1988.

 仕事の足しになるかと思って読んだ奴。HBRの記事で、別にメモを取りながら読まなきゃいけないような内容ではないんだけど、なんでも記録しておくに越したことはないと思って。

 いわく、
 市場予測には次の4つのステップがある。

 ステップ1、市場の定義。
 すべての潜在ユーザが含まれるように広めに定義すること。需要のドライバーを同定しつつ、予期せぬ製品代替のリスクを減らせる。
 需要のドライバーは製品の市場シェアやカテゴリシェアのドライバーとは違うので注意。
 製品代替を理解することが重要。顧客にインタビューするとか、専門家の意見を聴くとか。
 選択肢の価値がどうなっているのかを注意深く定量化すること。原油価格がプラスチックの価格に影響しプラスチックの金属や紙に対する代替能力に影響する、とか。市場の価格-数量曲線は個々の製品の需要曲線より急勾配になることが多い[多少の価格変動ではスイッチしにくいからってことかな?]
 市場定義がすごく難しい場合、ないし製品のシェアが小さい場合は、市場予測は重要でない。製品代替と競争性の理解に焦点を絞ったほうが良い。[そりゃそうだな]

 ステップ2、需要をカテゴリに分解する。
 カテゴリは、需要のドライバーを整合的に適用できる程度には小さく均質でないといけないし、努力する価値がある程度には大きくないといけない。需要のキードライバーを仮定して、真の状況を捉えるためにはどの程度まで詳細に調べないといけないか考えると良い。
 例、白紙の需要予測。紙の市場を12個の最終使用カテゴリに分解した。そのうち4つが需要の80%を占めていたので(business formsとか)、さらに細かく分解した。残りのカテゴリ(雑誌とか)はマクロ経済トレンドに回帰するだけで済ませた。
 各セグメントについての既存データがあるかどうかも考えないといけない。よいデータがない場合には自分で調べないといけないけど、それには時間も金もかかる。
 需要予測のためのカテゴリとマーケティング戦略立案のためのカテゴリは異なる。[なるほどね、そりゃそうだ]

 ステップ3、需要のドライバーについて予測する。
 各カテゴリの需要のドライバーとなる変数について予測する。回帰かなにかをするわけだけど、ポイントは、簡単に手に入るデータだけではなくて、その裏にある要因に注目すること。
 たとえば白紙の需要予測の場合、カテゴリのひとつは複写用紙だったのだが、さらにそれをplain paper copier paperとnonimpact page printer papterにわけた。で、前者の需要のドライバーを経済パフォーマンスと経済パフォーマンスあたりのplain paper copier使用の2つとした。
 […いろいろ書いてあったけどメモ省略…]

 ステップ4、感度分析。
 「この予測ががらっと変わるとしたらその要因は?」という問いが大事なんだけど、単にあれこれ仮定を変えるのではなくて、まずは戦略リスクが最も大きい領域について考えること。[…メモ省略…]

 云々、云々。

 … なんというか、実務家向けに書いているつもりであろうあいまいな書き方で、非常にイライラした。含蓄のあることは云わんでいいから、もっと明確に説明してほしい。