Redine, A., Deshpande, S., Jabarakakirthy, C., Surachartkumtonkun, J. (2023) Impulse buying: A systematic literature review and future research directions. International Journal of Consumer Studies, 43, 3-41.
衝動購買研究のシステマティック・レビュー。183本の論文を集計している。
きちんと読めてないけど、整理の都合上読了にしておく。メモは他の形で取ったので省略。
個人的な読みどころは理論的枠組みによる分類であった。
さあ、目を閉じて、衝動購買の研究がどういう理論に基づいてなされているかを想像してみましょう。本数カウントだと、一番多いのはきっと個人差研究、ビッグ・ファイブとかだろう。横断調査一発で研究できるからお手頃だ(すいません)。認知過程の研究だったら… あ、解釈レベル理論が絶対出てくるな、消費者行動の研究ときたら猫も杓子も解釈レベルなんだから(すいません)。そうだなあ、きっと精緻化見込みモデルとかも出てくるだろう。。。
正解はこちらです。
- SORフレームワーク28本(要するに、環境要因が説明変数、内的状態が媒介変数、衝動購買が目的変数になっていて特定の理論によらない実証研究群がこう分類されているのだと思う)
- Big Fiveが6本(さっすがー、多いねえ)
- ホフステードの文化次元が5本(つまりは文化差研究であろう)
- 制御焦点が5本(おお、それがあったか)
- 解釈レベル3本(意外に少ない)
- 潜在状態・特性モデルが2本(勉強不足でよく知らんのだけどテスト理論みたいなのかな?)
- フロー理論が2本(なるほど、webで買い物してフロー状態になっちゃうようなことありそうね)
そして驚くなかれ、残りは34本、1理論に1本が対応する状態なのである。ほにゃらら理論のショーケース状態だ。すごい。持ち出される理論がこんなに統一されてないトピックって、ほかにある??
列挙されている34理論をメモしておく。どうやら粒度はさまざまな模様。
- benefit congruency framework(なにそれ)
- 古典的態度理論
- 認知的不協和理論
- 競争的覚醒モデル(もとはオークションでの心理状態のモデルらしい。面白そう)
- 消費衝動形成・enactmentモデル(なんかそういうのがあるらしい。しらんがな)
- 手がかり活用モデル(そうそう、これ勉強したいなあ)
- 二重システム理論
- 精緻化見込みモデル
- 期待確認モデル(顧客満足の研究で期待不確認モデルってのがあるけどあれとどういう関係?)
- 情報処理のヒューリスティック・システマティック・モデル(なんのことだろうか)
- parasocial interaction theory (???)
- 個人-環境適合理論
- 説得理論 (ざっくりしておる…)
- 購入後認知不協和
- プロスペクト理論 (Jeffrey & Hodge 2007 Electronic Commerce Res. というのが挙げられている)
- 熟慮性-衝動性理論 (認知発達???)
- 後悔理論
- 希少性理論
- シグナリング理論 (ぽかんとしたけど、どうやらSNSでのお勧めについての研究らしい。Chen, Lu, et al. 2019 Info.Mnagement)
- 社会的資本理論
- 社会構築主義理論 (衝動買いなどというものは社会的構築物に過ぎない、とかって書いてあるのかなあ…)
- 社会的アイデンティティ理論
- 社会的インパクト理論 (???)
- source magnification theory (???)
- 空間的存在理論 (???)
- 自己制御の強度モデル
- 技術受容モデル (衝動買いと関係あるの?)
- 消費衝動形成・enactmentモデル (あれ? さっきも出てきたよ?)
- 計画行動理論 (おおお、ずいぶん昔の話かと思ってたけど)
- 合理的行動理論 (えっ、計画行動理論とちがうものなんすか)
- 選択的注意理論
- 自己決定理論 (???)
- 時間割引理論
- 二因子理論 (だんだん名前が雑になってきたな…)