Verplanken, B. (2017) Introduction. Verplanken, B. (ed.) The Psychology of Habits. Chapter 1.
仕事の都合で読んでいた論文集のイントロの章。読んだものはなんでもメモしておこうと思って…
日々の生活は習慣に満ちている。習慣は規則性を表現し心的資源を節約させる。習慣は我々の継続性の感覚に貢献する。たいていの習慣というのはなんらかの目的を満たす(良い目的かどうかは別にして、また、時間とともに目的は消えてしまうが)。
習慣の定義には、習慣を獲得されたpropensityとみなすJames以来の流れ、つまり手がかりと反応の連合の認知的表象とみる流れと、反復行動とみなす行動主義の流れがある。
20世紀末の二重過程モデルでは習慣的反応の自動性が強調された。対人行動の研究では、Triandis(1977)が行動の直接的な先行要因として意図と習慣を挙げた。これがOullette & Wood(1998)の二重過程モデルへとつながった。いわく、過去の行動は頻繁に実行されて習慣になっていれば将来の行動に強く影響し、いっぽうより熟慮的な行動意図は頻度が低い行動の予測氏になる。こういう習慣に関連した自動性についての指摘としてはAarts & Dijksterhuis(2000)もある。いわく、目標は習慣的反応を自動的に活性化する。
以上の研究史を踏まえて習慣を定義するならば、「特定に手がかりに対して自動的に反応する記憶ベースのpropensityであり、安定的な文脈における手がかり特有的行動の反復によって獲得されるもの」ということになるだろう。
[ここで図が入っている。行動、思考、潜在システムの3つが互いに関係しているという図。たとえば、思考から潜在システムに延びる矢印には心的習慣、情緒的動機づけと書いてあって、思考から行動に延びる矢印には熟慮的決定、属性ベース行動、心的習慣と書いてある。うーん、よくわからん]
後半は各章の紹介なので読み飛ばした。