読了: Schmidt & Eisend (2015) 広告反復効果のメタ分析

Schmidt, S., Eisend, M. (2015) Advertising Repetition: A meta-analysis on effective frequency in advertising. Journal of Advertising, 44(4), 415-428.

 仕事の都合で読んだ奴。広告反復の効果についてのメタ分析。正直、こういうのはきっとビデオリサーチの方とかが真剣に研究しておられると思うし、あんまり関心持てないんすけど…

 要点のみメモしておく。
 まず仮説が9つにまとめられている。メタ分析の宿命として、わりかしありふれた仮説群である。

  • H1. 横軸に反復回数、縦軸に態度への効果をとると逆U字型になる
  • H2. 捩軸に反復回数、縦軸に再生への効果をとると対数型になる[ちゃんと読んでないけど、収穫逓減ってことでしょうね]
  • H3. 反復効果は曝露間に空白が空いていた方が高い[これは私のためのメモなのでexposureを曝露と訳しますが、広告の世界ではなんていうんですかね、接触でしょうか]
  • H4. 反復効果は長時間曝露のほうが高い
  • H5. 反復効果は新ブランドのほうが高い
  • H6. 反復効果は新広告のほうが高い
  • H7. 反復効果は曝露直後のほうが高くなる
  • H8. 反復効果は関与が低い人のほうが高い
  • H9. 反復効果は埋め込み型広告のほうが高い

 分析対象は37本。Appendixをみると、1974年から2007年までの研究が並んでいる。それだけ昔のまで集めておいてそんなもんなの? 意外に少ないな。
 掲載誌は、JMR, JCR, J.Adv.などが多い。あ、意外にも、74年のJ. Applied Psych. というのもある。現在、実験心理学系の産業応用研究のトップジャーナルはJEP:Applied (1995年創刊)だと思うけど、たぶん広告効果の研究は創刊以来ほぼ載ってないと思う。きっと70年代後半から80年代のどこかで分化が生じたんでしょうね。
[追記: いやいや、ちょっと検索してみたら、広告の研究、JEP:Appliedに結構載ってたわ… たとえば96年には広告によるブランド名記憶の潜在/顕在の違いの研究が載っている(Krishnan & Shapiro)。またいいかげんなことを書いてしまった…]

 それはまあともかく、得られた知見についてアブストラクトからメモしておこう。本文も目を通したんだけど忘れちゃった。

  • ミニマリスト説より反復説を支持。[えーと、スリーヒット理論みたいな、広告反復の効果は3回くらいで飽和するというような説は支持できない、という話だったと思う]
  • 低関与、曝露間空白ありのほうが反復効果は高い[H3, H8を支持ってことね]
  • 埋め込み広告、massed 曝露のほうが反復効果は高い[前者はH9のこと。後者はなんだっけ、忘れた]
  • 再生であれ態度であれ、反復効果は時間と共に減衰する。[H8ね]

H4, H5, H6はどうなったんだっけ? 忘れた。まあいいや、必要になったら読みなおそう…