読了: Hofstetter, et al. (2013) あなた最近エクササイズしてますか? Facebook上のあなたの友達にも裏をとり、答えが一致したら報酬をあげます

Hofstetter, R., Hildebrand, C., Herrmann, A., Huber, J. (2013) Revealing Painful Truths: the Impact of Friends on Self-Reports of Health-Related Behavior. Advances in Consumer Research, 41.

 仕事で探し物をしていてついでに目を通した奴。本文1ページ半、見出しも図表も空行も一切なく本文が切れ目なく続く。推敲もなんだかちょっといい加減な感じ。学会発表要旨なんじゃないかと思う。

 いわく。
 消費者は自らの選択を通じてアイデンティティを表現するよね。選択行動は友人から観察できるよね。というわけで、社会的望ましさバイアスを低減させる新しい消費者調査アプローチをご提案いたします。
 これは一種の協調ゲームである。参加者は対象者とその友達。全員がある設問に答えるんだけど(「定期的にエクササイズしてますか」とか)、対象者は自分について、友達は対象者について答える。回答が一致してたら報酬を渡す。観察可能な行動についての問いであれば真実申告が増大すると期待できる。

 実験1。健康関連の7件法設問40個を用意。いずれも社会的に望ましい行動についての設問だが観察可能性はいろいろ。
 被験者は学生196名、40個からランダムに選んだ20個を提示し回答させておく。フィラーをやらせて、協調ゲームについて教示する。
 で、Facebookのアプリを立ち上げて、Facebook上の友達何人かに声を掛けさせる。あとでそのうち一人が観察者になる。で、協調ゲームに突入し、さっきの20問に再び回答する。[←書き方が不親切でよくわからんのだが、ゲームに参加するのは結局二人なの?]
 結果。ゲーム条件での回答のほうが回答が低い[←社会的に望ましい行動を行いましたという自己報告が低いという話かな]。ゲームの成績は、観察可能性が高い行動で高く、親しい友達の間で高い。

 実験2。被験者はオンライン消費者パネルからの121人。[ここからの記述も不親切でよくわからんのだが、要はこういういうことだろうという推察をメモ:] 次の5群に割り当てる。(1)普通に回答する。(2)あなたの友達はあなたが実際にそうであるよりもあなたが健康的に行動していると思っていますと教示。(3)あなたの友達はあなたが実際にそうであるよりもあなたが不健康に行動していると思っていますと教示。(4)あなたの友達はあなたのほんとうの行動を知っていますと教示。(5)ベンチマーク。研究者が行動を観察する。
 課題。健康についてのビデオと楽しいビデオのどっちをみますかと訊く(群5では実際にどっちか選ばせて観させる)。
 結果。群1, 群2では健康ビデオを見たいという回答がベンチマークより多かったが、群4では変わらなかった。

 とこのように、健康関連行動について訊くときは社会的協調ゲームの文脈で訊けば社会的望ましさバイアスが減るはずです。
 というわけで、冒頭に書いた新手法をご提案する次第である。この提案は行動ゲーム理論でいうところの純粋協調ゲームで…[とかなんとか。中略]

 我々は上記の4つの研究を通じて[←いや2つしか書いてないじゃん?]、このアプローチによって人は健康関連行動についての社会的に望ましくない真実をより認めやすいという新しい証拠を得た。さらに、真実申告が改善される3条件を定めた。(1)行動が観察可能なとき, (2)観察者が近い友人のとき、(3)焦点となっている行動についての対象者の信念と観察者の信念が整合しているとき。
 限界: データ収集をFacebookでやった点。他の環境だとまたちがうだろう。
 云々。

 … いや、うん…. この原稿がきちんとしているかどうかは別にどうでもいいのよ。消費者行動論の分野でこういうtruth-telling mechanismの研究をやっているという点に関心があるのでメモしておく次第。
 筆頭著者のReto Hofstetterさんという人、どうやらほかにも調査における他者に関する研究をしているらしく、今年のJMRにも面白そうなのを載せていた。(あ、2001年のJMRでWTP測定手法の比較研究をやっていた人だ… 世間狭い…)