Rust, R.T., Ambler, T., Carpenter, G.S., Kumar, V., Srivastava, R.K. (2004) Measuring Marketing Productivity: Current Knowledge and Future Directions. Journal of Marketing, 68, 76-89.
仕事の都合で調べ物しててめくったやつ。
いわく… マーケティングの支出は株主価値を高めるのか。そのアカウンタビリティが欠けているせいで予算が減らされてしまっている。
本論文ではマーケティング・アクションの生産性の測定について、幅広い枠組みをご提案しましょう。なおこの論文では、製品とかプライシングとか顧客リレーションシップとかじゃなくて、いわゆるマーケティング支出(コミュニケーションとかプロモーションとか)に注目する。
… というイントロからはじまる論文なんだけど、取り扱う範囲があまりに広く、あまりに総説的なレビューなもので、読んでてそんなに面白いものではなかった(すいません)。
最初に提示されている概念枠組みだけメモしておく。
企業レベルでみると、A.戦略(製品戦略とか)→B.マーケティング資産(ブランドエクイティとか)→C.市場ポジション(シェアとか)→D.財務的ポジション(利益とか)→A.戦略、というループがある。D.財務的ポジションからE.企業価値が派生する。
マーケティングアクションはこれに並走するループとなる。すなわち、a.戦術(広告とか)→b.顧客インパクト(態度変容とか)→c.市場インパクト(シェア変化とか)→d.財務インパクト(ROIとか)→a.戦術、というループである。d.財務インパクトからe.企業価値インパクトが派生する。
ふたつのループの間には、まず A.戦略→a.戦術 という関係がある。残りは逆向きで、b,c,d,eはそれぞれB,C,D,Eに影響する。
[消費者ベースのブランド・エクイティもbじゃなくてBに入る模様。企業とブランドという分け方ではなくて、長期と短期という分け方なんでしょうか]
というわけで以下の研究レビューは、チェーン全体のモデル(UrbanのPERCETORとか)、戦略と戦術(Aとa)、顧客インパクト(b)、マーケティング資産(B)、市場インパクト(c)、財務インパクト(d)、企業価値インパクト(e)、経済環境と競合環境、という順番で進むのであった。ふーん。