読了: Fan, Lau, Zhao (2015) ビッグデータとマーケティングの5P

Fan, S., Lau, R., Zhao, J.L. (2015) Demystifying Big Data Analytics for Business Intelligence Through the Lens of Marketing Mix. Big Data Research, 2(1), 26-32.

 仕事の途中で見つけて、整理の都合上とりあえず目を通しておくか、とざっとめくった奴。google様的には引用件数321なので、あまり馬鹿にしてはいけません。

 ビッグ・データ管理のマーケティング・ミックス・フレームワークをご提案します。
 行を{データ, 手法, アプリケーション}, 列を{人, 製品, プロモーション, 価格, 場所} として3×5の行列を書く。で、いろんなデータ・手法・アプリケーションをこの表のセルに置いていく。

 データについて。収集手法でいうと、企業の使う二大巨頭はサーヴェイとログ。ほかにインタビュー、フォーカスグループ、観察、アーカイブなどがありますね。
 [えええ?? なにがいいたいのか全然わかんない… フレームワークの図をみると、サーヴェイは5P全部に書いてあって、ログは見当たらない。peopleのところにclick stream, priceのところにtransactional dataって書いてある。ビジネスデータ分析で価格のことを調べたかったらtransactional dataを使いなさいっていう意味? プロモーションのことを調べるときにtransactional dataを使っちゃだめ? ちょっと待って、なにをどうしたいのか全然わかんない]

 手法について。データマイニング手法にはアソシエーション発見、分類、クラスタリング、回帰がある。適切な手法を選ぶべし。
 [アソシエーション発見はpromotion, priceに、分類はpeople, placeに、クラスタリングはpeople, productに、回帰はpromotion, price, placeの3セルに書いてある。さらにtopic modelingがproductに、協調フィルタリングがpromotionに書いてある。どどどどういう意味なのこれ? productについて理解するために、購買の共起をアソシエーション発見で調べたり、製品をクラスタリングしたりするってこと? そんならplaceについて理解するために店舗をクラスタリングしてもよくない? わからん、なにがいいたいのか俺には全くわからん]

 アプリケーションについて。
 [この節に到達してようやく話の主旨がわかった。これ、ビジネスにおける(っていうかマーケティングのおける)ビッグデータの主要な用途を整理し概観しますという文章なのだ。で、それを5Pにわけたもんで、それぞれのアプリケーションにおいて主に使うデータ収集方法と手法も、ついでに5Pに分けて書いてしまったのだ。なあんだ… どんなアプリケーションが念頭にあるのかを先に教えてくれないとさ、筋が全く見えないですよ。いやー罪作りだなー]

  • people: 顧客セグメンテーションと顧客プロファイリング。従来通りセグメンテーションすることもあるし(デモグラとかで)、1to1マーケティングでは個々の顧客をプロファイリングすることもある。
  • product: 製品オントロジーと製品のレピュテーション管理。Webの評判データをマイニングして監視するとか、ソーシャルメディアから製品オントロジーを抽出するとか(Lau, Li, Liao, 2014 Decis.SupportSys.)。
  • promotion: プロモーション分析と推薦システム。昔はどんなプロモーションが誰に・どのカテゴリで効くのかを回帰分析したりしたものだ。いまじゃクチコミデータを使ったり場所でターゲティングしたりする。eコマースでは推薦システムで認知を高めたりするが、評価データに基づく協調フィルタリングは人数が多いと大変だったりして、データのvolume, velocity, varietyの3次元でいうとvelocityが課題になる。
  • price: 価格戦略と競合分析。昔はサーヴェイデータについて回帰分析しました。eコマースの時代には… [bra bra bra. 後略]
  • place: ロケーションベース広告とコミュニティの動的分析。前者はvelocityが課題。後者はユーザの場所ベースのネットワークでプロファイリングするという話で、verietyとvelocityが課題。

 今後の課題:

  • 目標にあった適切なデータソースの選び方。
  • 適切なデータ分析手法の選び方。分布のインバランスとか、変数の数が多すぎるとか、いろいろ難しいよね。
  • 異なるデータソースを統合する方法。
  • データソース間の異質性をどうするか。サーベイとログで結果がちがうとか。
  • マーケティング・インテリジェンスの技法への投資をどうするか。データサイエンティストに投資するのかデータプラットフォームに投資するのか、とか。
  • データはどんどんビッグになって、今日のビッグデータは明日はビッグじゃなかったりするので、世の中の変化に追いついていかないとあきませんね。[なんかこう雑なビジネスマン向け講話みたいになってきたな]

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 pdfを眺めながら逐次とったメモなので、読み返してみると途中の混乱が丸わかりである。いや、でもさ… これは書き方が悪いよね… (小声で)
 そういうわけで、ふーん、という内容でした。ふーん。よし次に行こう次に。

 そうそう、ちょっとメモしておくと: マーケティング・ミックスという言葉を最初に使ったのはBorden(1964)という人。彼いわく12個あった。McCarthy(1964)がまとめて4P(product, promotion, price, place)とした。で、それじゃあまりに生産志向なまとめ方だというので、Goi(2009, Int.J.Mark.Study)はpeopleを足して5Pといっている、のだそうである。ふーん。