香港返還25周年記念映画祭で上映されそうな映画

 すいません、ほんとにどうでもいい話です。

 今年の11月に渋谷のBunkamuraル・シネマで、「香港特別行政区設立25周年記念映画祭 Making Waves – Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力」というイベントがあるのだそうだ。上映作品はこれから発表になるが(こういうイベントの常で、情報は小出しにされる)、全部で8本。うち1本は「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」デジタル・リマスター版だとのこと。

 では、残りの7本は何だろうか? もちろん政治的なニュアンスのある作品は選ばれないだろう(キウイ・チョウ監督作とか)。香港のスタッフ・キャストが関わり香港資本が入った作品であっても、本土を舞台にした香港映画らしくない映画は選ばれにくそうだ。そもそも香港映画の製作本数はいまやかなり少ない。こうなると、発表を待たずとも、だいたい予想がついちゃうかもしれない。
 実は香港政府はすでにこの企画上映を世界あちこちでやっているそうで、webにはイタリア(Far East Film Festival, Udine)、バリ(Bali International Film Festival)、ロンドン(Focus Hong Kong)、タイ(バンコクなど三都市で開催)での上映作品がリストアップされていた。この傾向をみれば、東京の上映作品もわかりそうなものですね。

 というわけで、過去の傾向を知り予想を立てるため、ウーディネ・バリ・ロンドン・タイでの上映作をリストアップしてみました。おまえはどれだけ暇なのか、といわれても反論できない。

  • Legendary in Action! / 大俠Action! (2022 香港)[Udine] IMDbではみつらなかった。監督主演の張建聲Justin Cheung とは香港の俳優ジャスティン・チャンのことではないかと思う。「プロジェクト・グーテンベルク 贋札王」の偽札グループのメンバーね。
  • Sunshine of My Life / 一路瞳行 (2022 香港)[Udine] IMDbでは見つからなかった。監督は新人監督・朱鳳嫻 Judy Chu、主演はカラ・ワイ姐さん。
  • Finding Bliss: Fire and Ice / 尋找極致的喜悅:火與冰 (2022 香港) [Udine]. 音楽ドキュメンタリー。
  • Table for Six / 飯戲攻心 (2022 香港)[Udine] 監督は陳詠燊 Sunny Chan, 「逆流大叔」に続く第二作。コメディらしい。
  • Tales from the Occult / 失衡凶間 (2022 香港)[Udine, London] フルーツ・チャンほか監督のホラー・アンソロジー。
  • The First Girl I Loved / 喜歡妳是妳 (2021 香港)[Udine, London, Thai]. 大阪アジアン映画祭2022で「はじめて好きになった人」として上映。よく知らないけどシスターフッドものだと思う。
  • Schemes in Antiques / 古董局中局 (2021 中国)[Udine] デレク・クオック監督。たぶん日本には入ってきてない。これ、中国映画となっている資料が多いんですけどね…
  • Time / 殺出個黃昏 (2021 香港) [Thai] 大阪アジアン映画祭2022で「黄昏をぶっ殺せ」として上映後、Netflixで配信(日本語字幕なし)。
  • Far Far Away / 緣路山旮旯 (2021 香港) [Udine]. 大阪アジアン映画祭2022で「僻地へと向かう」として上映。
  • Anita / 梅艷芳 (2021 香港)[London, Thai] 2021年の大ヒット作。大阪アジアン映画祭2022で上映後、Disney+で配信。
  • Drifting / 濁水漂流 (2021 香港)[Bali] 社会派ドラマ。主演はフランシス・ン、たしか本作で金像獎の主演男優賞にノミネートされていた。
  • Twelve Days / 12日 (2021 香港)[Udine] 監督は林愛華 Aubrey Lamという人で、「捜査官X」の脚本としてクレジットされている。
  • Breakout Brothers / 逃獄兄弟 (2020 香港)[Bali,London] 製作は東方電影發行、監督は麥浩邦Ho Pong Mak。人気シリーズの第一作。日本には入ってきてないと思う。
  • Caught in Time / 除暴 (2020 中国・香港) [Udine]. 「オーヴァーヒート 最後の制裁」としてamazonで配信中。監督は香港出身のラウ・ホーリョン、悪役として香港のスターであるダニエル・ウーが出演しているものの、舞台は本土だし、主演は本土の俳優・王千源だし、実際の事件をモチーフにした犯罪映画だから、中国警察の宣伝映画とならざるをえない。これがウーディネで香港映画として上映されたというのはちょっと不思議な感じだけど…。
  • Hand Rolled Cigarette / 手捲煙 (2020 香港)[Bali, London] 首部劇情電影計劃から出てきた作品。大阪アジアン映画祭2021で「手巻き煙草」として上映されたのち、Netflixで配信(日本語字幕なし)。
  • Septet: The Story of Hong Kong / 七人樂隊 (2020 香港)[Bali] 東京FILMEX2020で「七人楽隊」として上映後、武蔵野エンタテインメント様が権利を買って下さいまして、2022年10月から劇場公開。私は先日の新宿武蔵野館での先行上映で観ました。良い映画です。
  • Keep Rolling / 好好拍電影 (2020 香港) [Thai] 香港の大監督アン・ホイのドキュメンタリー。大阪アジアン映画祭2020で「映画をつづける」として上映後、「我が心の香港~映画監督アン・ホイ」として劇場公開。配信も始まりました。
  • One Second Champion / 一秒拳王 (2020 香港) [Thai] 趙善恆Chiu Sin Hang監督主演。日本には入ってきてないと思う。
    2022/09/25追記: シネマートの企画上映「のむコレ」2022で「ワン セカンド チャンピオン」として上映される模様。

ここからは旧作の上映。

  • Initial D / 頭文字D (2005 香港)[Udine] 日本の人気マンガ「頭文字D」を香港で実写化したもの。「頭文字D THE MOVIE」として国内版DVDがあるし、Netflixで配信している。
  • July Rhapsody / 男人四十 (2002 香港) [London] おお、渋いなあ。「男人四十」、アン・ホイ監督が「女人、四十。」のあとでとった作品。ソフトも配信もみあたらないが、福岡市総合図書館がフィルムを収集しているので、たまに国内で上映されることがあります。私は数年前に新宿で観ました。
  • Infernal Affairs / 無間道 (2002 香港)[Bali] 言わずと知れた特大ヒット作「インファナル・アフェア」。国内版DVDも配信もありまくる。
  • Comrades, Almost a Love Story / 甜蜜蜜 (1996 香港) [London] ピーター・チャン監督の名作と名高い「ラブソング」ですね。国内版DVDあり。配信はみあたらない。
  • Executioners / 現代豪俠傳 (1993 香港)[Udine] 「ワンダー・ガールズ 東方三侠2」のこと。国内版DVDが出てます。
  • The Heroic Trio / 東方三侠 (1993 香港)[Udine]「ワンダー・ガールズ 東方三侠」のこと。国内版DVDが出ているけどたぶん入手困難。
  • Rouge / 胭脂扣 (1987 香港)[Bali, Thai] 「ルージュ」。これも名作ですね。国内版DVDあり、配信あり。

 さて、11月に渋谷で上映されるのはどんな作品だろうか。

  • まず、上記リストのうち複数都市で上映された奴は怪しい。二度あることは三度あるというではないか。
  • 映画の権利の話って私にはよくわからないんだけど、なんだか大阪アジアン映画祭でかかった映画って、その後の特集上映やイベントでも上映されやすいような気がするんですよね。
  • いっぽう、すでに日本で劇場公開済の作品や、”Anita”のように配信が始まっている作品が上映されるとは思えない。
  • 旧作の上映枠は「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」で埋まっていると思う。

 というわけで、ここからは大胆予想。

  • The First Girl I Loved“(はじめて好きになった人)は確実にくると思うんですよね。すでに複数都市で上映しているし、大阪アジアンでやってるし、評判が良いようだし。
  • Breakout Brothers“も有力候補だ。複数都市で上映している。
  • Far Far Away“(僻地へと向かう)も大阪アジアンで上映されている。
  • Time“(黄昏をぶっ殺せ)も来るかもな。大阪アジアンで上映後、Netflixで配信されているけど日本語字幕はついてない。名脇役ラム・シューさんもご出演である。
  • バリエーションを持たせたいだろうから、ジャンル映画も入るだろう。ホラー”Tales from the Occult“はどうだろう。
  • ドキュメンタリー”Finding Bliss: Fire and Ice“も入りそう。
  • 人気スター主演の話題作、”Drifting“も入るかも。(だんだん自分の願望が入ってきてしまっている…)

以上で7本。さあ、正解はいかに。

 しかしこういうときに、「政治的なニュアンスが含まれる映画はもう選ばれないだろうな…」とわかってしまうのは、とても悲しいことですね。