読了: Moes, Fransen, Verhagen, Fennis (2022) CSR的な広告が道徳的正当化を経由して衝動購買を引き起こす

Moes, A., Fransen, M., Verhagen, T., Fennis, B. (2022) A good reason to buy: Justification drives the effect of advertising frames on impulsive socially responsible buying. Psychology & Marketing, 39(12), 2260-2272.

 しばらく前に読んだ奴。
 メモはほかのところに書いたので省略するけど、消費者による購買の正当化を価値的正当化と道徳的正当化にわけ、それぞれを誘発する広告(自己利益的広告と他者利益的広告)を提示して衝動購買(意向と行動)への効果をみるという話であった。他者利益型のほうが効く、それは道徳的正当化に媒介される、という結果。

 消費者による正当化の研究にもいろいろあるけれど、ここでは媒介変数である。媒介分析をやったり、調査報酬を使って選択行動を調べたりといった工夫はあるけれど、ざっくりいえば、古き良き態度変容研究のパラダイムだと思う(メッセージが要因で態度がアウトカム)。
 価値的正当化という概念がちょっと曖昧であるような気がした。「それを買う価値がある」ということなのか、「俺はそのベネフィットを受けるに値する」ということなのか。