読了:「暴君 シェイクスピアの政治学」「ファシズム」「憲法学の虫眼鏡」「クルアーン 神の言葉を誰が聞くのか」「中華の成立 唐代まで」 暴君――シェイクスピアの政治学 (岩波新書) スティーブン・グリーンブラット, 河合 祥一郎 2020年に読んだ本の中で最高の面白本のひとつであった。シェイクスピアを題材にしているが、どこからどうみても現代政治についての本である。 続きを読む →
読了:「戦争は女の顔をしていない」「めしばな刑事タチバナ」「天国大魔境」「木根さんの1人でキネマ」「九龍ジェネリックロマンス」 戦争は女の顔をしていない 2 小梅 けいと, スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ, 速水 螺旋人 いやあ、これは凄い… 続きを読む →
読了:「私の少年」「セクシー田中さん」「ハコヅメ」「BLUE GIANT SUPREME」「BLUE GIANT EXPLORER」「ニュクスの角灯」 2020年に読んだ本をまだ記録し終えていなかった。まずはコミックスから。 私の少年(9) (ヤングマガジンコミックス) 高野 ひと深 見事な完結であった。 続きを読む →
読了:「ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険」「中年格差」「感染爆発にそなえる」「道化のような歴史家の肖像」「猫を棄てる」 ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険 コーリー・スタンパー, 鴻巣 友季子, 竹内 要江, 木下 眞穂, ラッシャー 貴子, 手嶋 由美子, 井口 富美子 ウェブスター辞書の編集者だった人による、英語の辞書編纂をめぐるエッセイ。面白かった。 続きを読む →
読了:「低反発枕草子」「記者、ラストベルトに住む」「エロの「デザインの現場」」「誰が音楽をタダにした?」「世界で最も危険な男」 記者、ラストベルトに住む —— トランプ王国、冷めぬ熱狂 金成隆一 著者は朝日新聞の若い記者さん。この人によるアメリカの現地報告は抜群に面白い。この人の能力もあるだろうけど、所属社のバックアップあってのことかもしれないと思う。日本はこれからもどんどん貧しくなっていくだろうから、こういう力作は次第に読めなくなるかもしれない。 続きを読む →
読了:「ヨハネ受難曲」「ローマ帝国の崩壊」「独裁と孤立 トランプのアメリカ・ファースト」「それを、真の名で呼ぶならば」「みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史」 ヨハネ受難曲 (単行本) 礒山 雅 この本がきっかけで、一時期は朝から晩までヨハネ受難曲ばかり繰り返し聴いていた。いずれあの曲を訊くとコロナ禍を思い出すようになるんじゃないかと思う(そういう日が来るまでなお生きていればの話だが)。 続きを読む →
読了:「奪われた家/天国の扉」「ヌメロ・ゼロ」「集結 P分署捜査班」「贖罪」「呼び出された男」 奪われた家/天国の扉 (光文社古典新訳文庫 Aコ 10-1) コルタサル, 寺尾隆吉 コルタサルの短編集。密度が濃すぎてなかなか読み進められなかった… 続きを読む →
読了:「ペスト」「白い病」「ペスト」「湖の男」「神と罌粟」 ペスト (新潮文庫) カミュ, 嶺雄, 宮崎 ペスト (中公文庫 テ 3-2) ダニエル デフォー, Defoe,Daniel, 正穂, 平井 白い病 (岩波文庫 赤 774-3) カレル・チャペック, 阿部 賢一 今春、部屋に閉じこもっていて読んでいた本。わかりやすい選択だ… 続きを読む →
読了:「香港と日本 記憶・表象・アイデンティティ」「クラシック音楽の歴史」「百年戦争」「メディア不信」 香港と日本 --記憶・表象・アイデンティティ (ちくま新書) 銭 俊華 香港出身で東大在籍中の若い方が書いた本。知らない話が多く、興味深く読んだ。 続きを読む →
読了:「平成政治史」「政治部不信」「独ソ戦」「カエサル」 独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書) 大木 毅 読んだらすぐにメモを取っておかないといけないな… この本に関しては、ドイツ軍もソ連軍も同じように蛮行に走るという点が印象に残った。 続きを読む →
読了:「マックス・ウェーバー」「EU離脱」「コンビニチェーン進化史」「カラヴァッジョ<聖マタイの招命>」「かんぽ崩壊」 マックス・ウェーバー-近代と格闘した思想家 (中公新書) 野口 雅弘 この本は意外に面白かった。どうでもいいけど、プロテスタンティズムの倫理となんとやらに出てくる「鉄の檻」って、正確に訳すと檻というより「殻」とか「外衣」なのだそうだ。ふーん。 続きを読む →
読了:「半グレと芸能人」「コロナ後の世界」「中東政治入門」「アメリカ大統領選」「物語 東ドイツの歴史」 物語 東ドイツの歴史-分断国家の挑戦と挫折 (中公新書 2615) 河合 信晴 東西統一の暗い側面についてはじめて知った。東ドイツ出身の人々が統一前の東ドイツにノスタルジーを感じることがあるという事情が、ようやく理解できたように思う。 続きを読む →
読了:「県警VS暴力団」「ビジネス・フレームワークの落とし穴」「人類と病」「ジョージ・オーウェル」「白人ナショナリズム」 県警VS暴力団 刑事が見たヤクザの真実 (文春新書 1263) 藪 正孝 元福岡県警刑事の回顧録。東海テレビの「ヤクザと憲法」というドキュメンタリーについて批判していて、変な感想だけど、あ、映画もご覧になるのか…と思った。(そりゃみますよね) 続きを読む →
読了:「ドキュメント 強権の経済政策」「難民問題」「イスラームからヨーロッパをみる」「マックス・ウェーバー」「インドネシア大虐殺」 マックス・ヴェーバー――主体的人間の悲喜劇 (岩波新書) 今野 元 どちらかといえば伝記的記述に焦点を当てた内容。読んでから半年くらい経っちゃったので細かいところは忘れたけど、ヴェーバーさん、結構つきあいにくそうな人だった… 続きを読む →
読了:「健康で文化的な最低限度の生活」「7人のシェイクスピア」「愚者の星」「銀の匙」「はじめてのひと」 7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT(12) (ヤングマガジンコミックス) ハロルド 作石 7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT(13) (ヤングマガジンコミックス) ハロルド 作石 シェイクスピアの作品群は社会からはじき出された疑似家族の共同製作であったという設定の下での、大変に面白い歴史マンガ。13巻を読んでいて気づいてちょっと嬉しくなっちゃったことがあるのでメモしておくと、シェイクスピアのソネット集にはW.H.という謎の人物に宛てられた献辞がある。この物語におけるシェイクスピア集団のひとり、ワース・ヒューズ青年の名前は、きっとこれを踏まえているんだろうな。 続きを読む →
読了:「OL進化論」 OL進化論(38) (ワイドKCモーニング) 秋月 りす OL進化論(39) (ワイドKCモーニング) 秋月 りす OL進化論(39) (ワイドKCモーニング) 秋月 りす OL進化論(41) (ワイドKCモーニング) 秋月 りす OL進化論(42) (ワイドKCモーニング) 秋月 りす 日本の4コママンガの歴史に残る記念碑的作品(そう思いません? )。この三十年の社会変動と併走しつづけた、暖かくも鋭い世情観察の記録である。連載は続いていたものの単行本化が停止していたのが、なぜか今年に入って唐突な連続刊行。もしかして、ついに…
読了:「ビューティフル・エブリデイ」「おいおいピータン!!」「おひとり様物語」「ニュクスの角灯」「邦キチ!映子さん」 ニュクスの角灯 1 (乱コミックス) 高浜寛 なぜか全6巻セットが表示されるけど、読んだのは1巻目。このマンガ家の初期の作品については、なんだか大学でマンガの研究をしているインテリの習作のようだなあという感想で、どこが良いのかわからなかったんだけど(すいません)、これを読んで見直した。こんなに面白いマンガを描く人だったとは。 続きを読む →
読了:「メタモルフォーゼの縁側」「夢の端々」「神は細部に宿るのよ」「きょうも厄日です」「女のはしょり道」 夢の端々 上 (フィールコミックス) 須藤佑実 夢の端々 下 (フィールコミックス) 須藤佑実 少女期に同性愛的な一瞬を共にした二人の女性の半生を、映画「ペパーミント・キャンディ」のような時系列逆順で描く。いやあ、女の人って、怖い… 続きを読む →