引き続き、Gelman(2007) のメモ。
Gelman, A. (2007) Struggles with survey weighting and regression modeling. (with commentaries.) Statistical Science. 22(2), 153-164.
論文に対して寄せられた5人の識者によるコメントと、Gelmanさんによる返答を読んでみた。
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引き続き、Gelman(2007) のメモ。
Gelman, A. (2007) Struggles with survey weighting and regression modeling. (with commentaries.) Statistical Science. 22(2), 153-164.
論文に対して寄せられた5人の識者によるコメントと、Gelmanさんによる返答を読んでみた。
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仕事の都合でGelmanらのMRP(マルチレベル回帰・事後層別)についてちょっとだけお話しする機会があって、資料を準備していてふと気がついたんだけど、Gelmanさんが前に書いた”Struggles…”という面白い論文があった。あれはMRPの萌芽だったんじゃないだろうか。あの論文ではそうは呼ばれていなかったけど。
Gelman, A. (2007) Struggles with survey weighting and regression modeling. (with commentaries.) Statistical Science. 22(2), 153-164.
私は2014年にメモをとりながら読み終えている。メモを読み返してみると、手法提案論文というよりはもっと大きな枠組みを提示した論文なのだが、確かに、MRPの基本アイデア(非確率標本に対する階層回帰と事後層別)が提示されている。
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Brown, A., Maydeu-Olivares, A. (2013) How IRT Can Solve Problems of Ipsative Data in Forced-Choice Questionnaire. Psychological Methods, 18(1), 36-52.
もういい加減うんざりしてきたんだけど、Thurstonian IRTの論文をもう一本だけ。
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Tshi, R.C., Bockenholt, U. (2011) Understanding Choice Behavior Beyond Option Scaling Using Structural Equation Models. Journal of Data Science, 9, 427-444.
またも一対比較の話。いいかげん飽きてきた…
Maydeu-Olivares and Bockenholt(2005)を拡張し、順序づけデータの分析をSEMで分析する際に共変量とか含める、という主旨。
流石に今回は、どんな話かだいたい見当がつくような気がするので、かなり端折ってメモする。
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Pritikin, J.N. (2020) An exploratory factor model for ordinal paired comparison indicators. Heliyon, 6.
一対比較データを扱うRパッケージのひとつにpcFactorStanというのがあって、その元論文。このパッケージを使うつもりはあまりないんだけど、順序尺度の一対比較データから刺激の個人効用を推定する、それもStanで… という点には大いに関心があるので、試しに目を通してみた。
掲載誌は初めて見たけど、オープン・アクセス・ジャーナル。版元はCell Pressだから、そんなに変な雑誌ではない…と思いたい。
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Brown, A.(2014) Item Response Models for Forced-Choice Questionnaires: A Common Framework. Psychometrika, 81(1), 135-60.
先日より一対比較による個人差推定について延々考えているんだけど、もういい加減に飽きてきた…。
これは参考になるかと思って読んでみた奴。
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Brown, A., Maydeu-Olivares, A. (2012) Fitting a Thurstonian IRT model to forced-choice data using Mplus. Behavior Research Methods. 42(2).
一対比較データからの個人効用推定の問題で延々と悩んでいる関係で、毒もくらわば皿まで、という気分で読んでみた奴。
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野々田聖一, 分寺杏介, 岡田謙介 (2021) 2因子を測定する一対比較型質問紙における推定法. 行動計量学, 48(2), 53-68.
仕事の都合で延々と一対比較について考えているんだけど(官能評価みたいな古典的場面じゃなくて、むしろ効用の個人差を知りたいような場合の話)、もともとそんなに詳しいわけでも、すごく関心があるわけでもない話題で、正直、ちょっと疲れてきました。
もっと心安らぐ話はないものだろうか… Web3.0とかさ… 知らんけど…
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Bockenholt, U. (2001) Hierarchical Modeling of Paired Comparison Data. Psychological Methods, 6(1), 49-66.
仕事の分析で悩むところあってめくった奴。一対比較データを階層モデルで分析しましょうという話。古い論文だが、Tsai(2003)で引用されていたので。
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Tsai, R.C. (2003) Remarks on the Identifiability of Thurstonian Paired Comparison Models under Multibple Judgments. Psychometrika, 68(3), 361-372.
比較課題から刺激の効用を推定するときのモデルの識別性について悩むところ多く、なにかの足しになるかと思って読んでみた。先日読んだMaydeu-Olivares & Bockenholt(2005) で引用されていた論文。
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Bockenholt, U. (2004) Comparative Judgments as an Alternative to Ratings: Identifying the Scale Origin. Psychological Methods, 9(4), 453-465.
仕事の都合で悩むことがあって、なにかの足しになるかと思って読んでみた奴。
比較課題や順位付け課題でもって刺激の効用というか評価を定量化したとき、常識的に考えるとその値の絶対的な大きさには意味がないんだけど、いやいや工夫すれば絶対的な大きさに意味を持たせることもできるんですよ、という論文。
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Burkner, P.C., Shulte, N., Holling, H. (2019) On the Statistical and Practical Limitations of Thurstonian IRT Models. Educational and Psychological Measurement, 79(5), 827-854.
Brown & Maydeu-Olivares (2011 Edu.Psych.Measurement)の後続研究らしい。ほんとは研究そのものにはあんまし関心なくて、RのthurstonianIRTパッケージについて知りたくてめくっただけなんだけど…
あとで気がついたが、第一著者はRのbrmsパッケージ(Stanで回帰分析するパッケージ)の中の人だ。写真を拝見したところ若いお兄さんである。へええ。
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Mattos, D.I., Ramos, E.M.S. (2021) Bayesian paired comparison with the bpcs package. Behavior Research Methods.
題名のとおり、一対比較データをベイジアンモデルで分析しますという話。Rのbpcsパッケージの解説である。なにがどうベイジアンなのかを知りたくて目を通した。
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Maydeu-Olivares, A., Bockenholt, U. (2005) Structural Equation Modeling of Paired-Comparison and Ranking Data. Psychological Methods, 10(3), 285-304.
仕事の都合で読んだ奴。
順位付けや一対比較のデータをSEMのソフトで分析しましょう、という解説論文。supplementary materialとしてMplusのコードも用意されている。
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コンジョイント分析について調べていて、そのご先祖として誰も彼もが頻繁に引用するLuce & Tukey (1964)による歴史的論文を、実は誰も読んでないんじゃないか、という疑念を持った。
だってさ、どなたの紹介をよんでも、いまいち雲をつかむような感じで、その意義がいまいち腑に落ちないんだもん。だいたい、あの「コンジョイント測定」ってのは、60-70年代に存在した公理的測定理論という超難解な分野の概念であるはずだ。そんなのを理解できる人がそれほど多いとは思えない。そうですよね? そうだといってください。
Luce, R.D., Tukey, J.W. (1964) Simultaneous Conjoint Measurement: A New Type of Fundamental Measurement. Journal of Mathematical Psychology. 1, 1-27.
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先日の真夜中、データを図示するという地味な作業をコリコリとやっていて、あれ? これってなんだっけ? と混乱してしまったことがあった。
個体変量行列でも集計表でもなんでもいいけど、とにかく行列\(X\)があるとするじゃないですか。これを列中心化して、主成分分析やって、各変数(\(X\)の列)の第一主成分負荷と第二主成分負荷を座標にして、変数を二次元空間にマッピングしたとしますよね。同時に、各ケース(\(X\)の行)の第一主成分得点と第二主成分得点を座標にして、ケースを二次元空間にマッピングしたとしますよね。
そこに誰かがやってきて、ちょっとちょっと、\(X\)と同じ列を持ってる追加のケースがあるんだけどさ、その図に無理やり乗っけてくれない? と云ってきたとしよう。いいですよってんで、主成分負荷を変えずにその追加ケースの主成分得点を出してケースの図に乗せてあげる。こういうことはよくある。これをsupplementary caseなどという。
また別の誰かがやってきて、ちょっとちょっと、\(X\)と同じ行を持ってる追加の変数があるんだけどさ、その図に無理やり乗っけてくれない? と云ってきたとしよう。いいですよってんで、この変数の主成分負荷を出して変数の図に乗せてあげる。こういうこともよくある。これをsupplementary variableなどという。
ここで、あれれ、と混乱してしまったのである。俺なにやってんだ?
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Traets, F., Sanchez, D.G., Vandebroek, M. (2020) Generating Optimal Designs for Discrete Choice Experiments in R: The idefix Package. Journal of Statistical Software, 96(3).
離散選択実験の実験計画を生成するRパッケージ idefix の解説。
たしか昨年だったか、実践投入前の儀式として読んだのだが(なぜか出張先のホテルで)、バタバタしていてメモを取らなかった。中身をすっかり忘れてしまっているので、前半部分を読み直した。
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Vermeulen, B., Goos, P., Vandebroek, M. (2007) Models and optimal designs for conjoint choice experiments including a no-choice option. SSRN.
選択型コンジョイント分析で「どれも選ばない」選択肢をいれるときの最適実験計画(←そういうのがあるんです)についての論文。
なんか大学の紀要みたいな感じだし、もっとちゃんとしたのを探したほうがいいのかも…と思いながらめくったんだけど、これが大変勉強になった。
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Chrzan, K., Orme, B. (2000) An Overview and Comparison of Design Strategies for Choice-Based Conjoint Analysis. Research Paper, Sawtooth Software.
読んだものはなんでも記録しておこう、ということで…
コンジョイント分析のソフト会社Sawtooth Softwareが公開しているTechnical Paperのひとつで、選択型コンジョイント分析の実験計画(どんなプロファイルをどうやって組み合わせて提示するか)について、理屈はともかくとしてどうやってつくるか、という話。非常に土臭い、他ではちょっと読めない話がまとまっている。
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Hallinan, A.J. (1993) A Review of the Weibull Distribution. Journal of Quality Technology. 25(2), 85-93.
先日、ひょんな事情により目を通した論文。
ワイブル分布について調べていて、資料によって式が違うので大変混乱し、解説を探して見つけた次第である。ワイブル分布って工学とかで使う奴でしょ? 私は文系も文系なのにそんなの知るわけないじゃん? と思うわけだが、生きていく上ではいろんなことが起きる。
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