書籍」カテゴリーアーカイブ

読了:「川本耕次に花束を」「歴史の話」「東京の台所」「ポエニ戦争」「日本霊異記」「仕事」

川本耕次に花束を 増補改訂版. 虫塚虫蔵(編). 2023/10.
 一昨年亡くなった編集者・作家・ライター・ブロガー、川本耕次さんの追悼文集。コミケで頒布されたもので、通販で買った。
 享年69歳。きわめて多岐にわたる仕事をした方であったが、そのほとんどは時代とともに失われていく性質のものであったと思う。長く残るのは、やはりちくま新書「ポルノ雑誌の昭和史」なんだろうなあ。
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読了:「続テルマエ・ロマエ」「邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん」

今月の半ばに、それまでに読み終えた本を記録したんだけど、抜け落ちがあったり、その後読み終えた本があったりなので、追加してメモしておくことにした。まずはコミックス。


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読了:「言語哲学がはじまる」

面白かった。しばらく前に「言語哲学大全」トライアスロンというのをはじめて(飯田隆のあの4部作を通読しようという無謀な試み)、案の定1冊目で挫折していたのだが、再開するためのエネルギーを少し得たような気がする。

読了:「辻」「古都」「地球星人」「殺人出産」「エウロペアナ: 二〇世紀史概説」「城下 安政飢民抄」

今年に入って読んだ本、フィクション編、その2。

古井由吉の小説って文体が独特で、なんどか挑戦しては内心挫折していたのだけれど、このたびはじめて、少しだけ読み方が分かってきたかも、と思った。
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読了:「ギリシア悲劇 I アイスキュロス 」「ギリシア悲劇 II ソポクレス 」「スパイたちの遺産」「シェフチェンコ詩集」「好色一代男」「この世にたやすい仕事はない」「高熱隧道」

今年に入って読んだ本、フィクション編、その1。

ちくま文庫のギリシア悲劇シリーズ、ものすごく面白いわけでもないんだけど、なぜか読み進めてしまう。残るはエウリピデスの下巻のみとなった。
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読了:「日本人は漢文をどう読んだか: 直読から訓読へ」「石田徹也全作品集」

今年に入って読んだ本、単行本その3。

「石田徹也全作品集」, 求龍堂, 2010.
ちょっとお酒がはいった状態で、私鉄沿線駅前の閉店間際の小さな本屋さんを覗いたら、なぜか求龍堂のフェアをやっていて、すでに版元品切の石田徹也の全作品集が、なんと新刊で販売されていた。想定予算をはるかに上回る価格であったが、思わずレジに駆け込み、胸に抱えてふらふらと帰ってきた。ああ散財… 節約しなきゃ…
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読了:「スポメニック 旧ユーゴスラヴィアの巨大建造物」「埋木舎と井伊直弼」「MOCT 『ソ連』を伝えたモスクワ放送の日本人」「わたしと日産」「映画を追え: フィルムコレクター歴訪の旅」「ウクライナの夜: 革命と侵攻の現代史」

今年に入って読んだ単行本、その2。

マンガ「だんドーン」を読んでて井伊直弼さんに関心を持ち、たまたま見つけた本を読んでみた。版元は彦根にある地方出版社で、著者は彦根藩の家老の家柄の方。井伊直弼ゆかりの武家屋敷の保存にどれだけ苦労してきたかという話であった。戦前戦中に陸軍や県庁にいろいろ嫌がらせされたという話が興味深かった。
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読了:「ダンテ論: 『神曲』と『個人』の出現」「ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義」「21世紀の中国映画」「『モディ化』するインド」「1兆円を盗んだ男 仮想通貨帝国FTXの崩壊」「独裁が生まれた日」「シーア派: 起源と行動原理」

今年に入って読んだ単行本、その1。感想をメモしておく時間がない。なぜこんなにため込んでしまうのか…


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読了:「国家の危機」「中世ラテン語の辞書を編む」

今年に入って読んだ本、文庫編、その2。

こんなことを云うのは大変申し訳ないんだけど、他の国の政治が全然うまくいってないという話を読むと、なんだかちょっと救われる… いや、全く笑い事ではないんですが。
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読了:「豆腐の文化史」「ローマ帝国の衰退」「中国共産党 vs. フェミニズム」「ガザ紛争の正体:暴走するイスラエル極右思想と修正シオニズム」「『RRR』で知るインド近現代史」

今年に入って読んだ本、新書その2。

とても楽しい内容で、ページをめくっているあいだは至福の時間であった。こういう本ばかり読んで暮らしたいものだ。
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読了:「入門ユダヤ思想」「幕末から維新へ」「日本文化の歴史」「魔女狩りのヨーロッパ史」「暴力とポピュリズムのアメリカ史」「客観性の落とし穴」「大阪・関西万博『失敗』その本質」

今年に入って読んだ本、新書その1。


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読了:「スーパースターを唄って。」「おんなの窓」「戦争は女の顔をしていない」「ひらやすみ」「バクちゃん」

今年に入って読んだコミックス、その4。

音楽で貧困から這い上がろうとする少年たちの物語。
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読了:「ヴィンランド・サガ」「ペリリュー外伝」「北北西に曇と往け」「だんドーン」「みっしょん!!」「ツイステッド・シスターズ」「ぼっち死の館」

今年に入って読んだコミックス、その3。

私が尊敬してやまない名匠の新シリーズ、第二巻。市井の平凡な主婦が車の免許を取ろうとするという話だが、その背後には深い葛藤がうごめいている。
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読了:「ギリシア悲劇III エウリピデス(上)」「パートタイマー・秋子」

現代日本を代表する劇作家、永井愛の2003年の作品。食品スーパーを舞台に、倫理的課題に直面する人々を描く。このたび再演されることになり単行本となった模様。
 これから全国ツアーをやるらしいけれど、私は池袋の東京芸術劇場で観て、衝撃のあまり物販コーナーでこの本を買い、項垂れてとぼとぼと帰ってきた。永井愛さんの作品は喜劇の形をとって、私たちの虚飾と偽善に満ちた生活をあまりに鋭く抉るので、とてもじゃないが平常心ではいられないのである。
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読了:「狼煙を見よ」「階級とはなにか」「ドキュメント異次元緩和」「アテネ 最期の輝き」「限界ニュータウン」「予言者の研究」

東アジア反日武装戦線「狼」グループの青年たちに焦点を当てたノンフィクション。このたび「さそり」グループの指名手配犯死亡のニュースが流れたのを機に手に取った。
 犯人たちの家族のエピソードが辛く、心が沈む。海外に逃げた大道寺さんはその後どうしているのだろうか。生きていれば75歳らしい。
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読了:「だんドーン」「イリオス」「愛と呪い」「落花生」「神田ごくら町職人ばなし」「わたしを忘れないで」

もうすこしこまめに記録をとろうと反省した次第である。年明け以降に読んだ本、コミックスから。

最近読んだコミックスのベストワン。ベルギーのバンド・デシネで、認知症の祖母と生きづらさを抱える娘との旅を描く感動的な物語であった。著者は1997年生まれだそうだ。参るなあ。
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