書籍:ノンフィクション」カテゴリーアーカイブ

読了:「香港電影城」「キーウで見たロシア・ウクライナ戦争」「反逆罪」「香港デモ戦記」

90年代後半、小学館が香港映画のガイド本のシリーズを出していたことがあった。これはその1冊目。中央線沿線の駅の近くの古本屋で見つけてつい買ってしまった。奥付には編集:新企画社とある(小学館傘下の編プロで、後に小学館スクウェアに吸収された模様)。
 国立国会図書館のデータベースによれば以下が出版されたらしい。売れたんでしょうね。

  • 冬門稔弐ほか「香港電影城 : 香港映画スーパーガイド」(1995)
  • 冬門稔弐ほか「香港電影城 : 香港映画スーパーガイド 2」(1996)
  • 冬門稔弐ほか「香港電影城 : 香港映画スーパーガイド. 3 (香港銀幕特急)」(1996)
  • 冬門稔弐ほか「香港電影城 : 香港映画スーパーガイド. 4 (香港映画時代) (Popcom business)」(1997)
  • 香港電影城編集部編「香港街歩き大丈夫ガイド」(1997)
  • 冬門稔弐ほか「香港映画ルネッサンス : 香港映画スーパーガイド(香港電影城 ; 5)」(1998)
  • 香港電影城編集部編「香港スター伝説 : 新・香港電影城 (エスノブックス)」(1999)

小学館は同時期に谷垣健治「燃えよ!!スタントマン : 香港電影」(1997)も出版している。かのアクション監督・谷垣健治さんの最初の著書だと思う。それらしい古本屋に行くたびに探している本である。
 1995年と言えば、香港返還は目の前に迫り、ジョン・ウーはハリウッドで「ハード・ターゲット」を撮ったが、ジョニー・トーはあまたの職人監督のひとりに過ぎず、レスリー・チャンは全然元気、という時期である。パラパラめくっただけだけど、なんだかしんみりしちゃいました。
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読了:「宿命の子」「あいまいさに耐える」「現代アジアの民主と独裁」「ルポ フィリピンの民主主義」

2024年末までに読んだ本、ノンフィクション、その3。

意外にもこれは大変興味深い本であった。フィリピンって政治にはいろいろ問題がある国だと思ってはいたが、他人ごとではない面もあるのね…
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読了:「老いゆく団地」「人事と権力 日銀総裁ポストと中央銀行の独立」「コーカサスを知るための60章」「ジョージア映画全史: 自由、夢、人間」「引き裂かれるアメリカ トランプをめぐるZ世代の闘争」

2024年末までに読んだ本、ノンフィクション、その2。

東京都北区の都営桐ヶ丘団地でのフィールドワークに基づく本。
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読了:「吟遊詩人の世界」「バブルの後始末」「民主主義の源流 古代アテネの実験」「されど魔窟の映画館 浅草最後の映写」「社会主義の誤解を解く」

2024年末までに読んだ本、ノンフィクション、その1。

12月に学会で大阪豊中に行き (消費者行動研究コンファレンス)、帰りにちょっと寄り道して千里万博公園の国立民族学博物館に寄った。特別展が面白そうだったから。実際とても面白く、図録まで買ってしまった。
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読了:「川本耕次に花束を」「歴史の話」「東京の台所」「ポエニ戦争」「日本霊異記」「仕事」

川本耕次に花束を 増補改訂版. 虫塚虫蔵(編). 2023/10.
 一昨年亡くなった編集者・作家・ライター・ブロガー、川本耕次さんの追悼文集。コミケで頒布されたもので、通販で買った。
 享年69歳。きわめて多岐にわたる仕事をした方であったが、そのほとんどは時代とともに失われていく性質のものであったと思う。長く残るのは、やはりちくま新書「ポルノ雑誌の昭和史」なんだろうなあ。
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読了:「日本人は漢文をどう読んだか: 直読から訓読へ」「石田徹也全作品集」

今年に入って読んだ本、単行本その3。

「石田徹也全作品集」, 求龍堂, 2010.
ちょっとお酒がはいった状態で、私鉄沿線駅前の閉店間際の小さな本屋さんを覗いたら、なぜか求龍堂のフェアをやっていて、すでに版元品切の石田徹也の全作品集が、なんと新刊で販売されていた。想定予算をはるかに上回る価格であったが、思わずレジに駆け込み、胸に抱えてふらふらと帰ってきた。ああ散財… 節約しなきゃ…
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読了:「スポメニック 旧ユーゴスラヴィアの巨大建造物」「埋木舎と井伊直弼」「MOCT 『ソ連』を伝えたモスクワ放送の日本人」「わたしと日産」「映画を追え: フィルムコレクター歴訪の旅」「ウクライナの夜: 革命と侵攻の現代史」

今年に入って読んだ単行本、その2。

マンガ「だんドーン」を読んでて井伊直弼さんに関心を持ち、たまたま見つけた本を読んでみた。版元は彦根にある地方出版社で、著者は彦根藩の家老の家柄の方。井伊直弼ゆかりの武家屋敷の保存にどれだけ苦労してきたかという話であった。戦前戦中に陸軍や県庁にいろいろ嫌がらせされたという話が興味深かった。
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読了:「ダンテ論: 『神曲』と『個人』の出現」「ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義」「21世紀の中国映画」「『モディ化』するインド」「1兆円を盗んだ男 仮想通貨帝国FTXの崩壊」「独裁が生まれた日」「シーア派: 起源と行動原理」

今年に入って読んだ単行本、その1。感想をメモしておく時間がない。なぜこんなにため込んでしまうのか…


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読了:「国家の危機」「中世ラテン語の辞書を編む」

今年に入って読んだ本、文庫編、その2。

こんなことを云うのは大変申し訳ないんだけど、他の国の政治が全然うまくいってないという話を読むと、なんだかちょっと救われる… いや、全く笑い事ではないんですが。
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読了:「豆腐の文化史」「ローマ帝国の衰退」「中国共産党 vs. フェミニズム」「ガザ紛争の正体:暴走するイスラエル極右思想と修正シオニズム」「『RRR』で知るインド近現代史」

今年に入って読んだ本、新書その2。

とても楽しい内容で、ページをめくっているあいだは至福の時間であった。こういう本ばかり読んで暮らしたいものだ。
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読了:「入門ユダヤ思想」「幕末から維新へ」「日本文化の歴史」「魔女狩りのヨーロッパ史」「暴力とポピュリズムのアメリカ史」「客観性の落とし穴」「大阪・関西万博『失敗』その本質」

今年に入って読んだ本、新書その1。


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読了:「狼煙を見よ」「階級とはなにか」「ドキュメント異次元緩和」「アテネ 最期の輝き」「限界ニュータウン」「予言者の研究」

東アジア反日武装戦線「狼」グループの青年たちに焦点を当てたノンフィクション。このたび「さそり」グループの指名手配犯死亡のニュースが流れたのを機に手に取った。
 犯人たちの家族のエピソードが辛く、心が沈む。海外に逃げた大道寺さんはその後どうしているのだろうか。生きていれば75歳らしい。
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読了:「仁義なきヤクザ映画史」「鬼の筆」「トルコ 建国100年の自画像」「赤ちゃんポストの真実」「空からきた魚」

ノンフィクション、その2。

稀代の迷作「幻の湖」製作への経緯について関心があって読んだんだけど、失敗に至る要因が積み重なっていくくだり、胃が痛くなるような思いであった。辛いなあ。
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読了:「イーロン・マスク」「戦時下のウクライナを歩く」「ナチズムの美学」「台湾のアイデンティティ」「かたちには理由がある」「『伝える』ことと『伝わる』こと」「検証 ナチスは『良いこと』もしたのか?」

2023年末までに読んだ本のうち、ノンフィクション、その1。


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読了:「「断絶」のアメリカ、その境界線上に住む」「真理の語り手:アーレントとウクライナ戦争」「調べる技術:国会図書館秘伝のレファレンス・チップス」「私がつかんだコモンと民主主義」「国商 最後のフィクサー葛西敬之」

ノンフィクション、その5。

これはとても役に立つ本であった。
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読了:「信仰か、マインド・コントロールか」「ドキュメント通貨失政」「日本銀行 虚像と実像」「千年の歓喜と悲哀 アイ・ウェイウェイ自伝」「病むことについて」

ノンフィクション、その4。

読んでかなり日が経ってしまったけど、とても面白い内容であった。
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読了:「アジア都市音楽ディスクガイド」「ウクライナ 通貨誕生」「デス・ゾーン」「アメリカは内戦に向かうのか」「ギリシア・ローマの文学」

ノンフィクション、その3。

独立直後のウクライナの通貨制定に関わったエコノミストによる回顧録。
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