雑記」カテゴリーアーカイブ

カテゴリカル因子分析において因子得点をどうやって求めるのか

 カテゴリカル変数について因子分析をしたとき、その因子得点ってどうやって求めるの? いや、ベイズ推定のときにシミュレーションで求めるのは知っているけど(plausible valuesっていうんでしたっけ)、そうじゃなくて頻度主義的に求めたときには…
 仕事の都合で上記の疑問を抱き、構造方程式モデリングのソフトウェア Mplus の技術文書を読んでみたんだけど、途中でさらに別の文書に遡る羽目になり、ずいぶん時間がかかってしまった。
 以下は Mplus Technical Appendix 11. Estimation of Factor Scoresのメモである。Mplus ver.3の頃の古い文書であり、パラメータのベイズ推定量の話は出てこない。
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Mplus は計算するときモデルをどのように再定式化しているか

 構造方程式モデリングのソフトウェア Mplus を使っていて、よくわからないことが起きて解説を辿っていくと、最終的にすごく基礎的な説明までさかのぼることになり、難しすぎて断念することがある。今回も仕事の都合で、ちょっとそういうことが起きかけて、大変イライラしたので仕事を放りだし、初期の技術文書をメモを取りながら読んだ。
 以下は Mplus Technical Appendix 2. The general modeling framework からのメモである。Mplus ver.3の頃の古い文書なので(Mplusの最新版は8.5)、当然ながらベイジアンな話は出てこない。
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仮説の事後確率をBICで評価する(Wagenmakers, 2007より)

 ベイズ・ファクターのBICによる近似についてなんだかよくわかんなくなっちゃったので、ちょっとメモしておく。
 出典は
 Wagenmakers, E.J. (2007) A practical solution to the pervasive problems of p values. Psychonomic Bulletin & Review, 14(5), 779-804.
 この論文は前に目を通したんだけど(なんと4年前だ)、長い論文だし、途中で飽きてしまって適当に読み飛ばしていた。
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購入頻度が負の二項分布に従うと考えられているのはなぜか

 消費者パネルの購買データを真夜中にコリコリと集計しながらあれこれ考えていて、なんだか混乱しちゃったので書いたメモを載せておく。

 よく、顧客の月あたり購入回数の分布は負の二項分布に従う、とかっていうじゃないですか。いかにも「そんなの常識ですよね」というような顔で。頭のいい人のそういうとこ、まじでむかつく。
 というわけで、以下、自分向けの易しい説明である。
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「調査におけるX件法評定項目の回答はXによってどう変わるか」研究リスト

 仕事の関連で、調査でX件法評定項目を使う際、5件法にしようか7件法にしようか…といったことが問題になる場合がある。ありふれた問いだが、ちょっと答えようのない問いでもある。その道の経験者(ないし経験者を自負する人)は、それぞれに俺セオリーを心に抱いているものだが(例, 「私が思うに日本人にはX件法が向いていると思うんです」)、いずれもその人の逸話的な経験によるものであって(いったい日本人を誰とどう比較したのだろう?)、たいがいあてにならないと思った方がよい。
 調べてみると、この問題については実証研究が腐るほどある。しかし得られている結果はてんでんばらばらで、どう捉えたらよいのかよくわからない。エビデンスに基づく意思決定というのは、実際にはなかなか難しいもんですね。

 そういうわけで、あんまり関心の湧かないトピックではあるんだけど、いったいどんな研究があるのか集めてみた。たった3本の論文から、先行研究が50件以上集まった。やれやれ。
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