論文」カテゴリーアーカイブ

読了: Little(2011) Calibrated Bayesアプローチからみた欠損データ分析

Little, R. (2011) Calibrated Bayes, for Statistics in General, and Missing Data in Particular (with comments and a rejoinder). Statistical Science, 26(2), 162-186.

 統計学者Little先生があちこちで提案している Calibrated Bayes アプローチについて調べていて、その一環として読んだ奴。
 良く引用されるLittle(2011)は2012年にメモをとりながら読んでいたのだが、私には話が大きすぎ、いまいち雲をつかむような感じでよく分からなかった。この論文は「欠損データ」と問題が狭く指定されているので、もう少しわかりやすいかと思ったのだが…
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読了: Sterba (2009) 母集団のモデルベース推論とデザインベース推論、そしてその統合

Sterba, S.K., (2009) Alternative model-based and design-based frameworks for inference from samples to populations: From polarization to integration. Multivariate Behavioral Research. 44(6), 711-740.

 仕事の都合で読んだ奴。心理学者のみなさん向けに、model-basedの統計的推論とdesign-basedの統計的推論を統合したアプローチを紹介するというもの。
 なお、本文中には統合的アプローチのためのソフトのレビューをonline appendixで提供していると書いてあるが、見当たらない(本文中のURLはリンク切れ)。Mplusとかが紹介してあったようだ。
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読了:Chaudhuri & Holbrook (2001) ブランドへの信頼とポジティブ感情がロイヤルティを経由してシェアや価格に効く

Chaudhuri, A., Holbrook, M.B. (2001) The Chain of Effects from Brand Trust and Brand Affect to Brand Performance: The Role of Brand Loyalty. Journal of Marketing, 65(2), 81-93.

 仕事の都合で読んだ。
 トップジャーナルの論文だしさ、なんらか仕事の足しになるかなあと思ったんだけどさ…
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読了: Elliot & Valliant (2017) 非確率標本に基づいて推測を行うふたつのアプローチ

Elliot, M.R., Valliant, R. (2017) Inference for nonprobability samples. Statistical Science, 32(2), 249-264.

 仕事の都合で読んだ奴。非確率標本からの統計的推測についての概観論文。
 市場調査実務家というのは「統計学の先生のいうことは無作為標本を前提とした綺麗ごとなので僕らの仕事にはあまり役立ちません」「それよりもビジネス理解が大事です」などと言い訳を繰り返していてもなんとかなる気楽な商売なのだが、実際には本論文のように仕事と直結する統計学の研究はたくさんあり、学びうることは多い。あまりに多い。真面目に考えるとなかなか辛い。言い訳を繰り返していた方が健康的かもしれない。
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読了:山本(2012) Majority Judgment解説

山本芳嗣 (2012) 1人1票からMajority Judgmentへ. オペレーションズ・リサーチ, 57(6), 295-301.

 Balinski & Laraki (2011) “Majority Judgment”の解説(あれ、この論文では2010年刊行となっているぞ?)。Balinski & Laraki のPNAS論文がとても難しかったので、この論文で復習した次第である。日本語で解説が読めるなんて、ありがたいことだ。
 PNAS論文を読んでて、「個々の判定者が一部の選択肢しか評価してない場合はどうすればいいの…」と思ってたのだが、著書のほうにはそういう議論もあるんだそうな。

読了:Balinski & Laraki (2007) Majority Judgement とはなにか

Balinski, M., Laraki, R (2007) A theory of measuring, electing, and ranking. PNAS, 104(21), 8720-8725.

 研究会で経済学の先生に、majority judgementという社会的決定ルールがあると教えて頂き、俺にもわかるだろうか?と探して読んでみた。たった6頁だけど、けっこうしんどい。
 定理の証明は著者らの近著 “One-Value, One-Vote: Measuring, Electing and Ranking” をみよとのこと。おそらく “Majority judgment: measuring, ranking, and electing“(2011)のことであろう。
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読了: Gelman (2007) ウェイティングと回帰モデリングを巡る悪戦苦闘 (質疑応答編)

引き続き、Gelman(2007) のメモ。

Gelman, A. (2007) Struggles with survey weighting and regression modeling. (with commentaries.) Statistical Science. 22(2), 153-164.

 論文に対して寄せられた5人の識者によるコメントと、Gelmanさんによる返答を読んでみた。
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読了: Gelman (2007) ウェイティングと回帰モデリングを巡る悪戦苦闘 (8年ぶり2回目)

 仕事の都合でGelmanらのMRP(マルチレベル回帰・事後層別)についてちょっとだけお話しする機会があって、資料を準備していてふと気がついたんだけど、Gelmanさんが前に書いた”Struggles…”という面白い論文があった。あれはMRPの萌芽だったんじゃないだろうか。あの論文ではそうは呼ばれていなかったけど。

Gelman, A. (2007) Struggles with survey weighting and regression modeling. (with commentaries.) Statistical Science. 22(2), 153-164.

 私は2014年にメモをとりながら読み終えている。メモを読み返してみると、手法提案論文というよりはもっと大きな枠組みを提示した論文なのだが、確かに、MRPの基本アイデア(非確率標本に対する階層回帰と事後層別)が提示されている。
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読了: Dutwin & Buskirk (2017) 回収率が低いRDD調査とネットパネルの調査、どっちがましか

Dutwin, D., Buskirk, T.D. (2017) Apples to Oranges or Gala Versus Golden Delicious? Comparing Data Quality of Nonprobability Internet Samples to Low Response Rate Probability Samples. Public Opinion Quarterly, 81, 213-249.

 これも2017年POQ「サーヴェイ調査の明日」特集号より。
 タイトル通り、確率標本ではないネットパネル調査と、確率標本ではあるが回収率が低い調査のどっちがいいかという地獄のような話題である。第一著者はSocial Science Research Solutionsという調査会社の人。もの知らずなものでタイトルの表現がよくわからなかったのだが、GalaとGolden Deliciousというのはリンゴの品種らしい。
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読了:Mercer, et al. (2017) 因果推論から眺めた非確率的標本調査

Mercer, A.W., Kreuter, F., Keeter, S., Stuart, E.A. (2017) Theory and Practice in Nonprobability Surveys: Parallels between Causal Inference and Survey Inference. Public Opinion Quarterly, 81, 250-271.

 仕事の都合で読みまくった論文群のひとつ。
 POQの2017年「サーベイ調査の明日」特集号に載った論文。非確率標本ベースの調査を因果推論の観点からとらえ直すという啓蒙論文である。
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読了:Brown & Maydeu-Olivares (2013) 強制選択課題を用いているおまえらリサーチャーが項目反応理論を勉強しなければならない理由

Brown, A., Maydeu-Olivares, A. (2013) How IRT Can Solve Problems of Ipsative Data in Forced-Choice Questionnaire. Psychological Methods, 18(1), 36-52.

 もういい加減うんざりしてきたんだけど、Thurstonian IRTの論文をもう一本だけ。
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読了: Tsai & Bockenholt (2011) 順位付け・一対比較をSEMで分析する、ついでに共変量も別の結果変数も組み込む

Tshi, R.C., Bockenholt, U. (2011) Understanding Choice Behavior Beyond Option Scaling Using Structural Equation Models. Journal of Data Science, 9, 427-444.

 またも一対比較の話。いいかげん飽きてきた…

 Maydeu-Olivares and Bockenholt(2005)を拡張し、順序づけデータの分析をSEMで分析する際に共変量とか含める、という主旨。
 流石に今回は、どんな話かだいたい見当がつくような気がするので、かなり端折ってメモする。
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読了:Pritikin(2020) 人々に評価項目ごとにモノとモノとの一対比較をしてもらったデータで評価項目の探索的因子分析をする(RのpcFactorStanパッケージ)

Pritikin, J.N. (2020) An exploratory factor model for ordinal paired comparison indicators. Heliyon, 6.

 一対比較データを扱うRパッケージのひとつにpcFactorStanというのがあって、その元論文。このパッケージを使うつもりはあまりないんだけど、順序尺度の一対比較データから刺激の個人効用を推定する、それもStanで… という点には大いに関心があるので、試しに目を通してみた。
 掲載誌は初めて見たけど、オープン・アクセス・ジャーナル。版元はCell Pressだから、そんなに変な雑誌ではない…と思いたい。
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読了:Brown (2014) 一対比較・順序づけ課題のいろんな因子分析モデル・理想点モデルをひとつの枠組みで整理する

Brown, A.(2014) Item Response Models for Forced-Choice Questionnaires: A Common Framework. Psychometrika, 81(1), 135-60.

 先日より一対比較による個人差推定について延々考えているんだけど、もういい加減に飽きてきた…。
 これは参考になるかと思って読んでみた奴。
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読了: Brown & Maydeu-Olivares (2012) 強制選択データのThurstonian IRTモデルをMplusで推定する

Brown, A., Maydeu-Olivares, A. (2012) Fitting a Thurstonian IRT model to forced-choice data using Mplus. Behavior Research Methods. 42(2).

 一対比較データからの個人効用推定の問題で延々と悩んでいる関係で、毒もくらわば皿まで、という気分で読んでみた奴。
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読了:野々田・分寺・岡田 (2021) 一対比較で2因子を測定するときの推定方法

野々田聖一, 分寺杏介, 岡田謙介 (2021) 2因子を測定する一対比較型質問紙における推定法. 行動計量学, 48(2), 53-68.

 仕事の都合で延々と一対比較について考えているんだけど(官能評価みたいな古典的場面じゃなくて、むしろ効用の個人差を知りたいような場合の話)、もともとそんなに詳しいわけでも、すごく関心があるわけでもない話題で、正直、ちょっと疲れてきました。
 もっと心安らぐ話はないものだろうか… Web3.0とかさ… 知らんけど…
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読了:Tsai(2003) 一対比較データに選好の個人差があるThurstonianモデルを当てはめるときの識別性について

Tsai, R.C. (2003) Remarks on the Identifiability of Thurstonian Paired Comparison Models under Multibple Judgments. Psychometrika, 68(3), 361-372.

 比較課題から刺激の効用を推定するときのモデルの識別性について悩むところ多く、なにかの足しになるかと思って読んでみた。先日読んだMaydeu-Olivares & Bockenholt(2005) で引用されていた論文。
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読了: Bockenholt (2004) 比較判断で推定した効用に原点を持たせるための3つの工夫

Bockenholt, U. (2004) Comparative Judgments as an Alternative to Ratings: Identifying the Scale Origin. Psychological Methods, 9(4), 453-465.
 仕事の都合で悩むことがあって、なにかの足しになるかと思って読んでみた奴。
 比較課題や順位付け課題でもって刺激の効用というか評価を定量化したとき、常識的に考えるとその値の絶対的な大きさには意味がないんだけど、いやいや工夫すれば絶対的な大きさに意味を持たせることもできるんですよ、という論文。
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読了: Burkner, Schulte, Holling (2019) 順位付けや一対比較課題の回答にThurstonian IRTモデルをあてはめて対象者の潜在特性を推定するのはどのくらい現実的なのか

Burkner, P.C., Shulte, N., Holling, H. (2019) On the Statistical and Practical Limitations of Thurstonian IRT Models. Educational and Psychological Measurement, 79(5), 827-854.
 Brown & Maydeu-Olivares (2011 Edu.Psych.Measurement)の後続研究らしい。ほんとは研究そのものにはあんまし関心なくて、RのthurstonianIRTパッケージについて知りたくてめくっただけなんだけど…
 あとで気がついたが、第一著者はRのbrmsパッケージ(Stanで回帰分析するパッケージ)の中の人だ。写真を拝見したところ若いお兄さんである。へええ。
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