これは完全に、私による私のための覚書です。いや、全部そうなんですけどね。
仕事の都合もあって、性懲りもなく時系列のマルコフ・スイッチング・モデルについて調べているのだけれど、いろいろと困惑している。手元の具体的問題というのは常になにかしら特殊性を帯びているもので、教科書的な事例がそのまま適応できることはめったにない。
このたびは、ものすごおおおくたくさんの時系列がある、カレンダー時間は共通、レジームも共通、でもスイッチングのタイミングは時系列ごとに推定したい、という問題を抱えている。こういうのってなんていえばいいんですかね? そんなに変わった問題ではないと思うんだけど、計量経済学の先生は頼りにならなさそうだ。
この手の話について検索すると途端に上位に出現するのが、かのMplusの開発元、Muthen一家による動的SEM(DSEM)の論文である。パネルの縦断測定をSEMの枠組みで分析しちゃおう、計量経済学者たちよ、おまえらがやってんのは所詮は我々の分析の特殊ケース(N=1のケース)に過ぎない、そこにひざまずいて心理学者に謝れ、とおっしゃる危ない奴らである(いってません)。
正直、勘弁してほしい。いや、Muthen先生たちに罪はないのよ。彼らの論文はわかりやすいことが多いし、Mplusは我々いたいけなユーザを泥沼に沈めるいっぽうでとんでもない問題を一発で解決してくれることもある。でも… あの先生たちの論文って往々にして、聞きなれないモデル名称が頻出するじゃないですか。さらにいえば、そもそも論文など読みたかないじゃないですか。疲れているんです、生きているだけで。
というわけで、以下からメモ。
Asparouhov, T., Muthen, B., Hamaker, E. (2016) Latent class analysis for intensive longitudinal data, Hidden Markov processses, Regime Switching models and Dynamic Structural Equations in Mplus.
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