月別アーカイブ: 2023年1月

読了: Engel & Szech (2020) 人はささやかなエシカル消費を言い訳にして他の面ではエシカルに行動しない

Engel, J., Szech, N. (2020) A little good is good enough: Ethical consumption, cheap excuses, and moral self-licensing. PLoS ONE 15(1): e0227036.

 エシカル消費についての経済実験。ちょっと都合で調べものをしていて、あまり期待せずにぼけーっと眺めてたんだけど(PLOS ONEだしね)、途中で、あ、これ他者予測の話じゃん!と気づき、急に面白くなってきてメモをとった。
 土地勘が全くないもので、著者らについても全然知らんのだけど、ドイツの研究者である。
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読了:北條・岡田 (2018) アンカリング・ビネットを使って反応スタイルを分類する

北條大樹、岡田謙介(2018) 係留ビネット法による反応スタイルの分類:ヨーロッパの大規模健康調査を例に. 行動計量学, 45(1), 13-25.
 
 anchoring vignetteについての論文。以前ざっと目を通したんだけど、今回仕事の都合で再読。
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読了:西野(2012) メカニズムデザインからみたサービス

西野成昭 (2021) サービスモデリングの方法論 -メカニズムデザイン理論からのアプローチ-. 感性工学, 19(2), 47-54.
仕事の都合で調べ物をしていてみつけた。実は以前に拝読していたのだが、そのときから私の関心も変わっているので、改めてメモを取りながら読み直した。
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読了: Tsai & Bockenholt (2002) 2レベル線形一対比較モデルの推定と識別性

Tsai, R.C, Bockenholt, U. (2002) Two-level linear paired comparison models: estimation and identifiability issues. Mathematical Social Sciences. 43, 429-449.

 もういいかげんうんざりしているのだけれど、ひきつづき一対比較の論文である。
 Thurstonian一対比較モデルの識別性について論じている Tsai(2003) で、ペア特有誤差の分散が一定なときの識別条件についてこの論文がreferされていたので、読んでみた。なお、Tsai(2003)ではペア特有誤差の分散を制約しない識別条件がこの論文に頼らずに示されているし、ペア特有誤差がないときの識別条件ならTsai(2000) にわかりやすい導出があるので、べつにこれを読む必要はないんだけど、毒も喰らわば皿まで、ということで…
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