日別アーカイブ: 2025年5月4日

覚え書き: Pearl先生、「強い無視可能性」概念を全力でディスるの巻

 いま流行りの因果推論の分野における一方の巨匠Pearl先生は、同時にかなり攻撃的な物言いでも知られている方である。もしかすると同業の先生方は困っちゃっているのかもしれないし、パレスチナ問題に関するツィートは私もちょっと引いちゃいましたが(私はもうXにアクセスしてないので最近の動向はわからない)、専門家がご専門の話題について旗幟を鮮明にし論点を明示してくださるのは、初学者としては助かる面もありますね。それに、ほら、人の悪口ってちょっと楽しかったりしませんか。しますよね。

 Pearl先生の主著”Causality”は第1版が邦訳されているが、難解さで知られており、私は何度もトライしては挫折している。いっぽう、第2版(2009)には第1版から追加された章があり、その一部はwebで公開されており、それらはなかなか楽しい内容が多い。11.5.3節の架空対話は以前ほとんど全訳してしまった。
 このたび調べ物をしていて、因果推論の重要概念として人口に膾炙している「強い無視可能性」概念を批判しその提唱者らをディスっている文章を見つけてしまい、お茶を啜りつつフガフガと楽しく読んだ(すいません)。勢いあまってメモを取ったので載せておく。
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読了: Muthen & Asparouhov (2020) ランダム切片つきの潜在遷移分析

Muthen, B., Asparouhov, T. (2020) Latent Transition Analysis with Random Intercepts (RI-LTA). Psychological Methods, 27(1), 1-16.

 仕事の都合で手に取った。Mplusの開発元であるMuthenチームが提案しているランダム切片潜在遷移分析(RI-LTA)の論文。
 説明が丁寧でとても読みやすいし、内容も面白いのだが、ちょっといま時間がないもので、おおまかな主旨がわかったところで中断した。記録の都合で読了にしておくけれど、いつか必要になったら読み直そう、ということで…
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