川本耕次に花束を 増補改訂版. 虫塚虫蔵(編). 2023/10.
一昨年亡くなった編集者・作家・ライター・ブロガー、川本耕次さんの追悼文集。コミケで頒布されたもので、通販で買った。
享年69歳。きわめて多岐にわたる仕事をした方であったが、そのほとんどは時代とともに失われていく性質のものであったと思う。長く残るのは、やはりちくま新書「ポルノ雑誌の昭和史」なんだろうなあ。
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読了:「続テルマエ・ロマエ」「邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん」
今月の半ばに、それまでに読み終えた本を記録したんだけど、抜け落ちがあったり、その後読み終えた本があったりなので、追加してメモしておくことにした。まずはコミックス。
続テルマエ・ロマエ 1 (愛蔵版コミックス)
ヤマザキ マリ続きを読む
読了: Tran & Paparoidamis (2019) self-accontabilityが高いと倫理的製品への選好が高まるというPeloza et al.(2013)の実験は再現できるか
Tran, T.T.H., Paparoidamis, N.G. (2019) Taking a closer look: Reasserting the role of self-accountability in ethical consumption. Journal of Business Research, 126, 542-555.
Peloza, White, & Shang (2013 J. Mktg.)という、消費者のself-accountabilityを高めると倫理的な製品への選好が高まる (つまり、「自分の行動を自分に説明できるようにしなきゃ」と感じると環境にやさしい製品とかを買いやすくなる)という実験研究論文があって、その再現・拡張をやった研究。
著者らは元論文をPeloza, White, & Jingzhiって呼んでるんだけど、JigzhiってShanさんのファーストネームじゃないかなあ? 「田中・鈴木・花子(2013)によれば」みたいな感じになってない?
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読了: Stillman, Medvedev, & Ferguson (2017) セルフコントロール葛藤下の心的過程をマウスの軌跡で測る
Stillman, P.E., Medvedev, D., Ferguson, M. (2017) Resisting temptation: Tracking how self-control conflicts are successfully resolved in real time. Psychological Science, 28(9), 1240-1258.
仕事の都合でセルフ・コントロール葛藤下での正当化についていろいろ調べていて見つけた論文。正当化とは関係ないんだけど面白そうなので読んでみた。マウスのトラッキングで葛藤をリアルタイムに測りますという話。
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読了: Dhiman, Sen, Bhardwaj (2015): 自分の行為を自分に対して説明しなければならないと感じると自己制御は促進される
Dhiman, A., Sen, A., & Bhardwaj, P. (2015) Effect of self-accountability on self-regulatory behaviour: A quasi-experiment. Journal of Business Ethics, 148, 79-97.
都合により大慌てで読んだ論文。自分の決定についてのself-accountability (自分の決定を自分に対して説明しなければならないという知覚) が自己制御に効くか、という話。
なぜか仕事と称して、こういうビジネスの皮をかぶった心理学の論文をちくちく読んでいるのって、ほんとに奇妙な人生だ。冷静に考えると辛くなる。
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読了: van de Ven, Blanken, & Zeelenberg (2018) 強い誘惑に駆られるとなんだって誘惑に屈する理由になる
van de Ven, N., Blanken, I., Zeelenberg, M. (2018) Temptation-based reasoning: When tempted, everything becomes a (better) reason to indulge. Journal of Marketing Behavior, 3, 185-209.
都合で読んだもの。セルフ・コントロール葛藤下での正当化の研究である。
著者らはオランダ・ティルブルフ大所属。google様曰く被引用件数6件。さみしい。
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読了:野口(2016) 尾形光琳「紅白梅図屏風」の真ん中に流れている黒い川をどうやって作るのか
読んだものはなんでも記録しておこうということで…
先日、和歌山毒物カレー事件の冤罪説の立場に立ったドキュメンタリー映画「マミー」を観て、分析化学者たちが鑑定をめぐって対立する様子に、鑑定というのも一筋縄ではいかないものなのだなあ、と感心した。で、一方の化学者の方についてぼんやり検索していてたどり着いた文章。えーと、一方の化学者の方が講演したら、その講演をこの著者の方が聴いていて、もう一方の化学者の方をめぐって実はこんな対立もあるんですよと教えてくれたのだそうである。
野口康(2016) 金碧の真実 光琳の紅白梅図. 海洋化学研究, 29 (2), 59-78.
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読了: Loosveldt & Storms (2008) 「調査というものに対する一般的な態度」を調査で測るための尺度をつくったよ
Loosveldt, G., & Storms, V. (2008) Measuring public opinions about surveys. International Journal of Public Opinion Research, 20(1), 74–89.
survey climate(調査一般に対する人々の態度)の尺度研究。先日読んだ Gengler, et al. (2021) で引用されていた。google様いわく被引用回数83。意外に少ないけど、でもテーマがマイナーだからね…
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読了:「言語哲学がはじまる」
読了:「日ソ戦争 帝国日本最後の戦い」
読了:「辻」「古都」「地球星人」「殺人出産」「エウロペアナ: 二〇世紀史概説」「城下 安政飢民抄」
読了:「ギリシア悲劇 I アイスキュロス 」「ギリシア悲劇 II ソポクレス 」「スパイたちの遺産」「シェフチェンコ詩集」「好色一代男」「この世にたやすい仕事はない」「高熱隧道」
今年に入って読んだ本、フィクション編、その1。
ギリシア悲劇 (1) (ちくま文庫 き 1-1)
アイスキュロス, 高津 春繁ギリシア悲劇 (2) (ちくま文庫 き 1-2)
ソポクレス, 松平 千秋続きを読む
読了:「日本人は漢文をどう読んだか: 直読から訓読へ」「石田徹也全作品集」
今年に入って読んだ本、単行本その3。
「石田徹也全作品集」, 求龍堂, 2010.
ちょっとお酒がはいった状態で、私鉄沿線駅前の閉店間際の小さな本屋さんを覗いたら、なぜか求龍堂のフェアをやっていて、すでに版元品切の石田徹也の全作品集が、なんと新刊で販売されていた。想定予算をはるかに上回る価格であったが、思わずレジに駆け込み、胸に抱えてふらふらと帰ってきた。ああ散財… 節約しなきゃ…
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読了:「スポメニック 旧ユーゴスラヴィアの巨大建造物」「埋木舎と井伊直弼」「MOCT 『ソ連』を伝えたモスクワ放送の日本人」「わたしと日産」「映画を追え: フィルムコレクター歴訪の旅」「ウクライナの夜: 革命と侵攻の現代史」
今年に入って読んだ単行本、その2。
埋木舎と井伊直弼 (淡海文庫 41)
大久保 治男続きを読む
読了:「ダンテ論: 『神曲』と『個人』の出現」「ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義」「21世紀の中国映画」「『モディ化』するインド」「1兆円を盗んだ男 仮想通貨帝国FTXの崩壊」「独裁が生まれた日」「シーア派: 起源と行動原理」
読了:「国家の危機」「中世ラテン語の辞書を編む」
今年に入って読んだ本、文庫編、その2。
国家の危機 (日経ビジネス人文庫)
ボブ・ウッドワード, ロバート・コスタ, 伏見威蕃続きを読む
読了:「墨汁一滴」「先祖供養と墓」「竹林の七賢」「ソクラテス以前以後」「来迎芸術」「決闘裁判」「ナチズムの記憶」
読了:「豆腐の文化史」「ローマ帝国の衰退」「中国共産党 vs. フェミニズム」「ガザ紛争の正体:暴走するイスラエル極右思想と修正シオニズム」「『RRR』で知るインド近現代史」
今年に入って読んだ本、新書その2。
豆腐の文化史 (岩波新書 新赤版 1999)
原田 信男続きを読む