月別アーカイブ: 2023年12月

読了: Godambe & Thompson (1986) 推定関数の理論から見た母集団特性の推定 (難しい話をより難しく)

Godambe, V.P, & Thompson, M.E. (1986) Parameters of Superpopulation and Survey Population: Their Relationships and Estimation. International Statistical Review, 53(2), 127-138.

 調査データの分析について調べていると、母平均のHajek推定量 (標本の個々の値をその個体の標本包含確率の逆数で重みづけて平均した量)は母平均のデザイン不偏推定量ではないけれど、実はある種のモデルのもとでモデル不偏推定量なのだ… という話がでてきて、そこでこの論文がよく引用されている。
 第一著者のGodambeさんという人は推定方程式アプローチの理論で有名な人らしい。第二著者はHorvitz-Thompson推定量のThompsonとは別人の模様。
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読了: 柳本(1995) 推定方程式に基づく推定

 読んだものはなんでも記録しておこう、ということで…

柳本武美(1995) 推定方程式に基づく推定: 最尤法とモーメント法から. 応用統計学, 24(1), 1-12.

 別の論文に挑戦しようとして(メモしておくとGodambe & Thompson(1986)、有限母集団特性のモデルベース推定の話)、到底歯が立たず、せめてもの手がかりにならないかと思ってめくった。
 正直、これも難しくてよくわからんかった… 悲しい…
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読了: Dorfman & Valliant (1997) Hajek推定量再訪

Dorfman, A.H., Valliant, R. (1997) The Hajek Estimator Revisited. Proceedings of the Section on Survey Methods Research, American Statistical Association.

 標本ウェイティングについて調べ物をしていると、googleの検索結果にはいつもこれが上位に挙がってくる。内容は難しそうだし、そもそも論文ではないし、毎回「これはちがうだろう」と避けていたのだが、あまりによく見かけるので、これもなにかの勉強だろうと思い、メモをとりながら読んでみた。正直、かなり早い段階で後悔しはじめたのだが…
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読了: Delovoye & Savje (2020) Horvitz-Thompson推定量の一致性

 標本抽出について調べていると、値を抽出確率の逆数で重みづけて合計して母集団サイズで割ると(Horvitz-Thompson推定量)、それは母平均の不偏推定値だよ、いっぽう母集団サイズじゃなくて重みの和で割ると(Hajek統計量)、それは不偏じゃない、でも一致推定量だよ、なんていう話が出てくる。で、不偏性の証明は出てくるけど、一致性の証明は出てこない。おまえらユーザには理解できんだろうから省略するよ、というニュアンスがひしひしと伝わってくる。なんだかイライラする。いま文化大革命とか起きたら、私は紅衛兵となってキャンパスに突入し統計家を群衆のもとに引き出して自己批判を迫るかもしれない。(すいません冗談です)
 まあご配慮は正しいんだけどさ。推定量の漸近的挙動なんて途方に暮れるじゃないですか。聞かされても絶対理解できるわけないじゃないですか。でもちょっと覗き見したいんですよね。背伸びして大人の世界に触れてみたい、というか。(いいおっさんが… 我ながらキモイ)

Delovoye, A., Savje, F. (2020) Consistency of the Horvitz-Thompson estimator under general sampling and experimental design. Journal of Statistical Planning and Inference, 207, 190-197.

 そんなこんなで、本文が短いので読んでみた。HT推定量の一致性の一般的条件を示すのだそうです。Google様いわく、被引用件数11件。
 さあ、怖いものみたさでゴー!
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読了: Tille & Wilhelm (2017) 標本抽出デザインの良し悪しを決める三つの原理

Tille, Y., Wilhelm, M. (2017) Probability Sampling Designs: Princeples for Choice of Design and Balancing. Statistical Science, 32(2), 176-189

 Statistical Science誌の2017年の調査特集号に掲載された論文を全部読んじゃおうプロジェクト、その第4弾。この論文は標本抽出デザインの選択という話で、いまの私の関心からちょっと外れているので、メモは粗めである。
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読了: Skinner & Wakefield (2017) 標本抽出デザインと調査データ分析:イントロダクション

 仕事の都合で、調査データのウェイティングという複雑怪奇な問題について考える羽目になることがあるのだけれど、なにか役にたつ資料はないものかと探していると、Statistical Scienceの2017年の調査特集号に突き当たることが多い。去年目を通した Elliot & Valliant(2017)、先日読んだBreidt & Opsomer(2017)もこの号に掲載された論文だった。
 四の五の言わず、この号に載った9本の論文(残り7本)に片っ端から目を通しちゃえばいいのではないか、と思って、とりあえず(おそらくは編者によるのであろう)イントロをパラパラめくり始めたら、これが意外に面白く、かつ難しく… 結局、最初からメモを取りながら読み直すことになった。

Skinner, C., Wakefield, J. (2017) Introduction to the Design and Analysis of Complex Survey Data. Statistical Science, 32(2), 165-175.
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読了:川田(2008) 許鞍華の映画について

川田耕 (2008) 憤怒・和解・自由 -許鞍華の映画について- (上), 京都学園大学経済学部論集, 17(2), 47-60.
川田耕 (2008) 憤怒・和解・自由 -許鞍華の映画について- (下), 京都学園大学経済学部論集, 18(1), 53-67.

 香港の映画監督アン・ホイの作品についての評論。作品でいうと、デビュー前のTVシリーズから「おばさんのポストモダン生活」あたりまでをカバーしている。未見の作品のあらすじを知りたくて手に取った。
 「男人四十」というマイナー作品に対する評価が非常に高くてちょっとびっくりした。あれ、ジャッキー・チュンがカリーナ・ラムと寝ちゃうのってどうなの? 悩んでおいて結局寝るの? って思うんですけどね。もっとも、私がモテるおっさんに冷たすぎるというだけで、物語としてはあれでいいのかもしれない。
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ウェイティング回顧録 2023

 世の中には、興味を持って取り組める事柄もあれば、全く興味はないけどやらなきゃならない雪かきみたいな仕事もあれば、本質的な興味はないんだけけど行きがかり上なんだか気になる問題というのもある。私にとっての三番目の代表例が、調査における標本ウェイティングである。きわめて切実な問題であり(その割に解説が少ない)、とても難しい(その割にお金にならない)。

 というわけで、ときどき必要に駆られて資料を読み、ブログに記録したりしているんだけど、ブログに書いた内容を忘れるどころか、書いたことさえ忘れてしまう。三歩歩けば全て忘れる、ニワトリなみの記憶力である。
 そこで、これまでに書いたウェイティングに関するエントリをまとめておこう。… というエントリを、実は2015年に書いているんだけど、それから幾星霜、追加して読んだものもたまってきて、いよいよ記憶があやふやになってきた。再度まとめ直す。すいません、これは私の私による私のためのメモです。
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