月別アーカイブ: 2024年7月

読了: Splical (2022) 世論調査と世論マイニングについて批判理論の観点から物申す

Splichal, S. (2022) In data we (don’t) trust: The public adrift in data-driven public opinion models. Big Data & Society, 1(13).

 調べものして、寄り道して読んじゃった奴。そんなことをしている暇はないはずなのに…
 ビッグデータと社会科学、というような感じの学術誌に載った、哲学的エッセイというか、そういう感じの論文。前半は世論概念の歴史なんだけど、リップマンどころか、マキャベリからスタートいたします。
 著者Slavko Splichalさん(77歳)はスロベニアの社会学者?らしい。近著に”Datafication of Public Opinion and the Public Sphere”というのがある。ひー。難しそうな本ですね。
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読了: Rogelberg, et al.(2001) アンケート調査そのものに対する人々の態度を調べる尺度を作ったよ、使ってね

Rogelberg, S. G., Fisher, G. G., Maynard, D. C., Hakel, M. D., & Horvath, M. (2001). Attitudes toward Surveys: Development of a Measure and Its Relationship to Respondent Behavior. Organizational Research Methods, 4(1), 3-25.

ちょっと関心があってめくってみた論文。調査に対する一般的な態度を測る尺度を作ったよという話である。
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読了: Mukhopadhyay & Johar (2009) 前に買うのを我慢したことが、今回のぜいたくを正当化する

Mukhopadhyay, A., & Johar, G.V. (2009) Indulgence as self-reward for prior shopping restraint: A justification-based mechanism. Journal of Consumer Psychology, 19, 334-345.

 仕事の都合で読んだやつ。無関係なぜいたく品購買機会のあいだで生じるダイナミクスの話。第一著者の博論とのこと。
 消費者購買行動の研究で、お金を快楽的に無駄遣いしたり高カロリー食品を買っちゃったりすることをindulgenceというのだけれど、良い訳語が見当たらない。「放縦」というのも硬すぎてわかりにくいし…

 時間の都合で実験の部分をとばして読んだ。いずれメモを取りなおそう。いずれっていつだよ… → 実験の部分のメモを追記しました。

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読了: Okada (2001) 消費者の買い替え決定における下取りの効果を心的会計できれいに説明する

Okada, E.M. (2001) Trade-ins, Mental Accounting, and Product Replacement Decisions. Journal of Consumer Research, 27(4), 433-446.

 ちょっと都合があって読んだ。耐久財の買い替えの意思決定についての、心的会計の観点からの実験研究。著者の先生は前に読んだ購買正当化についての論文の著者で(あれは美しい実験研究であった)、謝辞によればこの論文はPenn U.での博論(ちょっと待って、じゃ購買正当化の論文は修論とかだったの?)。現在は一橋大の先生らしい。
 前の論文でも感心したんだけど、これまた、実にスマートな論文で…
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読了: Spears (2006) 購買後後悔の最小化における計画購買 vs. ぶらぶらファクター

Spears, N. (2006) Just Moseying Around and Happening Upon It versus a Master Plan: Minimizing Regret in Impulse versus Planned Sales Promotion Purchases. Psychology & Marketing, 23(1), 57-73.

 仕事の都合で読んだやつ。計画購買vs. 衝動購買、販促、後悔最小化、そしてぶらぶらファクター(なにそれ)と、なかなかキーワードが多くて一言で説明しにくい論文である。
 google様いわく被引用件数64。掲載誌はメジャーとはいいにくいと思うが、そのわりにはちょっと多めかな。
 いやー、それにしても、超わかりにくい論文であった…
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読了: Dittmar, Beattie, & Friese (1995) 男と女の衝動購買

Dittmar, H., Beattie, J., Friese, S. (1995) Gender identity and material symbols: Objects and decision considerations in impulse purchases. Journal of Economic Psychology, 16, 499-511.

 そうそう、記録するのを忘れていたけど、これもしばらく前に読んだやつ。
 メモは他のところでとったので省略するけど、風呂敷としては、衝動購買についての社会構築主義モデルを提案する論文である。なんだかすごそうですね。
 でも、この研究が実際にやっていることって… 要するに、男と女で衝動購買する財がちがう、購買時の検討内容がちがう、という調査研究である。うーん。社会構築主義とおっしゃるからには、「消費者の衝動買いは消費社会にどのように支えられ、かつ消費社会をどのように支えているのか」とか、「女性の衝動購買において感情的側面が重視され、男性において機能的側面が重視されるという現象はなぜ生じているのか」とか、そういうことを説明なさるのかと思ったんですけど? いや、まあ、いいですけどね。私がなんか理解し損ねているだけかもしれないし。

読了: Mandolfo & Lamberti (2021) 衝動購買研究方法論システマティック・レビュー

Mandolfo, M., Lamberti, L. (2021) Past, Present, and Future of Impulse Buying Research Methods: A Systematic Literature Review. Frontiers in Psychology, 12:687404.

先日仕事の都合で読んだやつ。衝動購買の研究の方法論についてのシステマティック・レビュー。

 メモは他のところでとったので省略するけど、実のところ大多数の論文は定量調査&SEMなのだそうで、ちょっとげんなり。目に浮かびますね。いかにもアンケート一発で検証できそうな仮説を列挙しておいて、アンケート一発で検証する論文… いや、どんな研究にも価値があると思いますけど…
 面白そうだなと思ったのをメモしておくと、Vohs & Faber (2007 JCR)。自己制御資源が枯渇すると衝動購買しやすいという話らしいのだが、目的変数はただの購買意向とかじゃなくて、実際の購買行動をみているらしい。それからDe Vries & Fennis (2019 Int.Mktg.Rev.)ってのも面白そうだな。ローカルブランドは解釈レベルがどうのこうので衝動購買がどうのこうのという話らしいのだが(ふーん)、これも実際に購買行動をアウトカムに取っている模様。