月別アーカイブ: 2024年12月

読了: Lally, et al. (2010) 習慣形成を個人レベルで追跡する実験をやりました

Lally, P., van Jaarsveld, C.H.M., Potts, H.W.W., & Wardle, J. (2010) How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European Journal of Social Psychology, 40, 998-1009.

 仕事の都合でめくった奴。
 えーと、Gardner & Lally (2018) いわく、人間の習慣形成を個人内で追いかけた定量研究はこの論文ともう一本しかない、のだそうである。現時点でもそうなのかどうかは知らんけど。
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読了: Best & Papies (2017) 「状況化された認知」の観点から見た消費者習慣への介入

Best, M., Papies, E.K. (2017) Right Here, Right Now: Situated Interventions to Change Consumer Habits. Journal of the Association of Consumer Research, 2(3), 333–358.

 仕事の都合で読んだ。習慣の特集号に載った論文のひとつ。
 長いしめんどくさそうだし、なによりタイトルに”situated”と入っていることに危険信号を感じ(すいません)、あとまわしにしていた。いやいやながら目を通してみたら、著者らの言うsituated cognitionとはBarsalouさんのいうそれで、少々ほっとした。不勉強ゆえの思い込みだろうけど、状況化された認知がどうたらこうたら…という能書きから始まった場合、たいてい社会学者とか哲学者とかの雲をつかむような話に流れていくことを覚悟しなければならないのに対し、Barsalouさん一派ならば実証研究に留まってくれるという謎の安心感がある。
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読了: 舟津(2019) 制度ロジックってなによ?

舟津昌平 (2019) 制度ロジック多元性下における組織のイノベーションマネジメント ―文献調査に基づく理論研究―. 赤門マネジメント・レビュー, 18(4).

 ときどき学会の大会とかに行って研究者の先生方の話をフガフガと拝聴していたりするんだけど、最近「制度ロジック」という言葉を何度か耳にしたことがあって(たしか消費者行動研究コンファレンスだ)、なんとなーくめくってみた論文。あんまし真剣に読んでないので、失礼な話ではあるのだが、読んだのは何でも記録しておこうという主旨です… すいません…
 いま調べたら、著者の先生は東大の講師になっておられる模様。
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読了:川端(2018) 日本国民道徳論における潔白性概念とお風呂

川端美季 (2018) 近代日本の国民道徳論における「潔白性」の位置づけ. 立命館人間科学研究, 37, 75-89.

 勤務先の同僚が「風呂キャンセル界隈」言説について調べていて、横で聴いてて面白い話だと思ったので、川端美季「風呂と愛国」と一緒に目を通したもの。
 明治後期、海外視察をした衛生専門家のあいだで日本の入浴習慣を美風と捉える言説が生まれる。で、教育勅語の下で構築された国民道徳論では(井上哲次郎とか)、日本の国民性のひとつとして潔白性が挙げられ、入浴習慣はその証拠とみなされるようになった… というような内容であった。
 大正・昭和期には国民道徳論も徐々に変容していき、潔白性はどんどんランクアップしていき、この論文のスコープを超えるけれど、お国のために潔く死に至るべしという戦時下の言説へとつながっていくわけである。へええ。