月別アーカイブ: 2023年10月

読了:竹内・星野(2014), 竹内(2015), 竹内・星野(2017), 竹内(2017) 消費者に製品評価を求める前にマインドセットを操作する

竹内真登, 星野崇宏(2014) 解釈レベルの操作を伴うコンジョイント測定法の開発: マーケティングリサーチに生じるバイアスの排除に関する実証分析. マーケティング・サイエンス, 23(1), 15-34.

竹内真登(2014) マーケティングリサーチへの応用を目的とした解釈レベルの新操作法の開発: 解釈レベル理論とメンタルシミュレーションに基づく提案と実験検証. 経済科学(名古屋大学大学院経済学研究科), 63 (2), 15-26.

竹内真登, 星野崇宏(2017) プロセスシミュレーションを伴うコンジョイント測定による購買予測: 写真提示を用いた操作と追跡調査による予測精度向上の確認. 行動計量学, 44(1), 45-56.

竹内真登(2017) マインドセット操作によるマーケティングリサーチの精度向上は可能か? メンタルシミュレーションと解釈レベル理論に基づく操作の違いに着目して. 行動計量学, 44(2), 151-165.

 仕事の都合で立て続けに読み直した。竹内真登先生による一連の研究。
 内容のメモは別のところでとっているので省略。実のところすべて再読なのだけれど、なんでも記録しておこう、ということで…

読了: Jiang, Adaval, Steinhart, & Wyer (2014) 製品やサービスについて広告なり説明なりを示すとき、消費者が消費経験をなんのために想像するかによって心的処理が変わるし、広告・説明の良し悪しも変わる

Jiang, Y., Adaval, R., Steinhart, Y., Wyer, R.S. (2014) Imagining yourself in the scene: The interactive effects of goal-driven self-imagery and visual perspectives on consumer behavior. Journal of Consumer Research, 41, 418-435.

これも仕事の都合で読んだやつ。消費者行動の文脈でのメンタル・シミュレーションの実験研究である。ひとくちに自己関連的メンタル・シミュレーションといっても、それには目標ってものがあるでしょう? という面白い切り口。
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読了: Cian, Longoni, & Krishna (2020) 痩せる前後の写真を並べた広告より、痩せる前と痩せていく途中と痩せた後の写真を並べた広告のほうが効く(ただし鼻づまりスプレーだと逆になる)

Cian, L., Longoni, C., Krishna, A. (2020) Advertising a desired change: When process simulation fosters (vs. hinders) credibility and persuation. Journal of Marketing Research, 57(3), 489-508.

仕事の都合で読んだやつ。広告におけるメンタル・シミュレーション研究である。最後の著者はセンサリー・マーケティングで有名なAradhna Krishnaさん。
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読了: Amit, Algom, Trope, & Liberman (2009) 絵と言葉のちがいは我々の解釈レベル理論で説明できるのだ

Amit, E., Algom, D., Trope, Y., Liberman, N. (2009) “Thou Shalt Not Make Unto Thee Any Grave Image”: The Distance Dependence of Representation. Markman, K.D, Klein, W.M.P., Suhr, J.A. (eds.) “Handbook of Imagination and Mental Simulation“, Chapter 4. Psychology Press.

 仕事の都合でざっと目を通したやつ。メンタル・シミュレーションの研究と解釈レベル理論との関連性がわかるかと思ったんだけど(メンタル・シミュレーションの論文集に載っていて、著者らは解釈レベル理論の中の人だから)、期待した内容とはかなり違いまして…
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読了: Buckley, et al. (2023) みんなプーチンを支持しているとみんな思ってるからみんなプーチンを支持している

 今月、新聞に世論調査についてのちょっと面白い記事が載っていた。リンク切れに備えてメモしておくと、朝日新聞の2023/9/11の記事で、見出しは「『不人気』報道 不人気呼ぶ?」。ロシアで行った実験で、プーチンの人気の有無についてフレーミングしたのちにプーチン支持を訊くと、ネガティブ・フレーム下で支持率がすごく下がった、つまり、プーチンに人気が無くなったと人々が信じればプーチンの支持率は急落するんじゃないか、という話。
 当該の記事には研究者の名前さえ載っていない。しばしのWeb検索の末、元ネタはこれじゃないかなという論文をみつけた。こういう記事にはソースのURLをつけてくれればいいのにね。

Buckley, N., Marquardt, K.L., Reuter, O.J., Tertytchnaya, K. (2023) Endogenous Popularity: How Perceptions of Support Affect the Popularity of Authoritarian Regimes. American Political Science Review, First View, 1-7.
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読了: Helveston (2023) 選択課題の個人レベル多項ロジットモデルをふつうのパラメータ化と「WTP空間」パラメータ化の両方で高速に最尤推定するRパッケージlogitr

 先月、コンジョイント分析の実験計画をRで作る方法についてのメモを作ってたんだけど(我ながらマニアックな話だ…)、そのきっかけになったのはRの cbcTools というパッケージをみつけたからであった。メモを公開したら、このパッケージの作者の方にコメント頂いたりして(機械翻訳で読んで下さったのだそうだ)、誠に恐縮でございました。一円の儲けにもならないけど、なんだかちょっと嬉しいですね。
 で、この方が作っている別のパッケージについて解説を眺めていたら、冒頭でいきなり「そうそう!そうなのよ!」と膝を叩くような話が出てきて…

Helveston, J.P. (2023) logitr: Fast Estimation of Multinomial and Mixed Logit Models with Preference Space and Willingness-to-Pay Space Utility Parameterizations. Journal of Statistical Sofware, 105(10).
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