月別アーカイブ: 2024年2月

読了: Ulu, Honhon, & Alptekinoglu (2012) 品揃え実験で消費者の好みを推定しようとする小売業者の動的最適品揃えモデル

Ulu, C., Honhon, D., Alptekinoglu, A. (2012) Learning consumer tastes through dynamic assortments. Operations Research, 60(4), 833-849.

 研究会でお世話になっている経済学の先生が面白がっておられたので、ダメモトで読んでみた論文。
 自分が決めた品揃えの下での売上を観察することを通じて消費者の選好を推測し、長期的な利益を最大化しようとするメーカーだか小売だかの最適品揃えモデルを提案している研究。数値例は出すけど、実証研究ではない。
 google様いわく、被引用件数82。どうなんだろう、掲載誌に照らせば、それほど多くも少なくもないって感じかな。
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読了:田中(2023) 毎月勤労統計の不正な集計に政府・専門家・非専門家はどう反応したか

田中重人(2023) 統計コミュニティは統計不正にどう対応したか:毎月勤労統計調査問題における政府・専門家・非専門家のはたらき. OSF Preprint 2023-11-05.

 別にいま読む必要はないんだけど、なんとなく読みふけってしまった…
 基幹統計のひとつである毎月勤労統計において生じた不正集計問題を振り返る。一般メディアでは事業所の不正抽出問題が大きくクローズアップされたけれど、集計の仕方がおかしいという指摘もあったのです。私は途中まで固唾を飲んで情報を集めていたのだけれど、「一国が衰退するときはあらゆる側面がおかしくなるのだ…」となんだか妙な悟りを開いてしまい、以降は関心が薄れてしまっていた。
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読了:「ギリシア悲劇III エウリピデス(上)」「パートタイマー・秋子」

現代日本を代表する劇作家、永井愛の2003年の作品。食品スーパーを舞台に、倫理的課題に直面する人々を描く。このたび再演されることになり単行本となった模様。
 これから全国ツアーをやるらしいけれど、私は池袋の東京芸術劇場で観て、衝撃のあまり物販コーナーでこの本を買い、項垂れてとぼとぼと帰ってきた。永井愛さんの作品は喜劇の形をとって、私たちの虚飾と偽善に満ちた生活をあまりに鋭く抉るので、とてもじゃないが平常心ではいられないのである。
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読了:「狼煙を見よ」「階級とはなにか」「ドキュメント異次元緩和」「アテネ 最期の輝き」「限界ニュータウン」「予言者の研究」

東アジア反日武装戦線「狼」グループの青年たちに焦点を当てたノンフィクション。このたび「さそり」グループの指名手配犯死亡のニュースが流れたのを機に手に取った。
 犯人たちの家族のエピソードが辛く、心が沈む。海外に逃げた大道寺さんはその後どうしているのだろうか。生きていれば75歳らしい。
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読了:「だんドーン」「イリオス」「愛と呪い」「落花生」「神田ごくら町職人ばなし」「わたしを忘れないで」

もうすこしこまめに記録をとろうと反省した次第である。年明け以降に読んだ本、コミックスから。

最近読んだコミックスのベストワン。ベルギーのバンド・デシネで、認知症の祖母と生きづらさを抱える娘との旅を描く感動的な物語であった。著者は1997年生まれだそうだ。参るなあ。
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小作人はつらいよね

 自分が読んだ書籍を定期的にこのブログに記録しているのだけれど、こういうことを始めたきっかけはブログのプラグイン機能にあった。いちいち書名を書かなくても、ISBNを打ち込むだけで書籍の題名や書影(表紙の画像)を表示でき、読書記録として利用できる。これは便利だ、と思った次第である。
 もちろん、それらの情報もタダで手に入るものではなく、アフィリエイトという名の小作人に成り下がることを意味しているのだが、当時は売上に応じたアクセス制限などもなく、実にのんびりしたものだったのであります。
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