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2019年9月14日 (土)

 Time Out HK による The 100 best Hong Kong movies にランクインしている香港映画について、邦題・日本での公開有無・日本でのソフト化を調べてみよう、その三回目にして最終回。
 前々回と前回では、複数本ランクインしている監督の作品を監督別に並べたが、ここでは残りの作品を年代順に並べる。

1950年代まで

95. Orphan Island Paradise 孤島天堂 (1939 Cai Chusheng). このリストのなかで最も古い映画。日本占領の直前に製作された抗日映画なのだそうである。日本公開もソフト・配信も見当たらない。

44. Tears of the Pearl River 珠江淚 (1950 Wang Weiyi) IMDBではZhujiang lei。日本公開もソフト・配信もなさそう。動画も見つからなかったが、探し方が悪いのかも。

98. The Kid 細路祥 (1950, Fung Fung). ブルース・リーの子役時代の主演作だそうだ。公開有無はわからないが、邦題「ドラゴン スモール・ブラザー」として、BRUCE LEE ULTIMATE COLLECTIONというDVD Boxに収録されているらしい。配信みあたらず。

81. Mambo Girl 曼波女郎 (1957, Yi Wen). 調べてみたところ、50-60年代の人気歌手グレース・チャン(葛蘭)主演、大ヒットしたミュージカル映画なのだそうである。日本公開もソフト・配信もなさそう。

1960年代

46. Motherhood 慈母心 (1960 Tso Kea) IMDBではCi mu xin。日本公開もソフト・配信もなさそう。

86. Laugh, Clown, Laugh 笑笑笑 (1960, Li Pingqian) IMDBではXiao xiao xiao。日本公開もソフト・配信もなさそう。動画さえ見つけられなかった。

36. One-Armed Swordsman 獨臂刀 (1967 Chang Cheh) ご存知、ジミー・ウォング「片腕必殺剣」。DVDが出ている。配信みあたらず。

21. The Story of a Discharged Prisoner 英雄本色 (1967 Patrik Lung Kong) ジョン・ウーの同名映画ではなくて、1967年の映画。日本公開もソフト・配信もみあたらず。

1970年代

13. Fist of Fury 精武門 (1972 Lo Wei) ブルース・リー「ドラゴン 怒りの鉄拳」。ソフトはもちろん何種類もあるし、配信もありまくる。

61. The Way of the Dragon 猛龍過江 (1972, Bruce Lee). ブルース・リー「ドラゴンへの道」。ソフトも配信もありまくり。そうかー、「燃えよドラゴン」じゃなくてこの2本を選ぶわけか。これは日本の公開史に由来する感覚の違いであろう。

8. The Private Eyes 半斤八両 (1976 Michael Hui) 「Mr.Boo!ミスター・ブー」。BD/DVDもあるし配信もある(amazonなど)。

1980年代

84. Man on the Brink 邊緣人 (1981 Alex Cheung) 香港ニューウェーブと呼ばれた監督のひとり、アレックス・チャン(章國明)の作品。日本公開もソフト・配信もなさそう。

54. The Prodigal Son 敗家仔 (1981 Sammo Hung) 邦題「ユン・ピョウ in ドラ息子カンフー」。DVD持ってんのに、まだ観てない...。配信みあたらず。

16. Homecoming 似水流年 (1984 Yim Ho) イム・ホーの「ホームカミング」だ! 映画祭公開のみ、ソフト・配信なし。ずーっと前から観たい観たいと念じているのだが、いまだ機会に恵まれない。これも福岡市総合図書館が収集しているから、いつかはきっと...

89. An Amorous Woman of Tang Dynasty 唐朝豪放女 (1984, Eddie Fong). 80年代の映画なのに全然知らなかった。ショウ・ブラザーズ末期の作品で、アレックス・マンが出ている由。邦題「唐朝エロティック・ストーリー」、DVDが出ているが入手は難しそう。配信みあたらず。

10. Long Arm of the Law 省港旗兵 (1984 Johnny Mak) 邦題「省港旗兵・九龍の獅子/クーロンズ・ソルジャー」。DVDが出ているが入手は難しそう。配信みあたらず。

66. Mr. Vampire 殭屍先生 (1985, Ricky Lau). 大ヒット作「霊幻道士」じゃありませんか。BD/DVDにも配信にもことかかない。

23. A Chinese Ghost Story 倩女幽魂 (1987 Ching Siu-tung) ツイ・ハーク製作のヒット作「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」。BD/DVDも配信もある(amazonなど)。

41. City on Fire 龍虎風雲 (1987 Ringo Lam) 邦題「友は風の彼方に」。タランティーノ「レザボア・ドッグス」の元ネタとして知られる歴史的作品。DVDあり、配信あり(amazonなど)。先日配信で見直して、決して完成度が高い映画ではないんだけど、登場人物のぎりぎりの葛藤に改めて胸打たれた次第である。

22. An Autumn's Tale 秋天的童話 (1987 Mabel Cheung) うわあ、懐かしい。邦題「誰かがあなたを愛してる」、正直言って傑作だとは思わないけど、心温まる映画である。BD/DVDも配信もある(amazonなど)。うーん、それにしても、メイベル・チャンから一本選ぶなら「宋家の三姉妹」が常識的なチョイスじゃないの? このへんは日本で観ているのと感覚がちがうのかもしれない。

51. God of Gamblers 賭神 (1989, Wong Jing). 邦題「ゴッド・ギャンブラー」。懐かしいなあ。続編やら関連作品やらが山ほど作られたヒット作。意外なことに、DVDはあるけどちょっと入手困難、配信はみあたらない。

1990年代

97. Naked Killer 赤裸羔羊 (1992, Clarence Fok). 調べてみたところ、劇場未公開、「香港淫殺倶楽部/ポイズン・ガールズ あぶないカ・ラ・ダ」としてVHSで発売されたらしい。配信みあたらず。バリー・ウォンのプロダクション設立第1回作品で、サイモン・ヤムが出ているのだそうだ。

55. Autumn Moon 秋月 (1992, Clara Law) 邦題「アジアン・ビート(香港編)オータム・ムーン」, 永瀬正敏主演。劇場未公開、VHSあり、配信みあたらず。当時、林海象の企画・原案・総合監督、すべて永瀬正敏の主演で、アジア各国で計6本の映画を製作する「アジアン・ビート」という企画があったのです。いまにして思えばなんともバブリーな話だが、そのうち香港編がこのように香港映画の名作のひとつとして記憶されているわけだから、バブルも悪いことばかりじゃなかったですね。いま観るのは難しそうだけど。

68. To Liv(e) 浮世戀曲 (1992, Evans Chan). 全然知らなかったが、impossibly intellectual post-Tiananmen essay-cum-melodoramaだそうです。いかにも映画祭で上映されてそうだと思い、頑張って探したが見当たらなかった。配信みあたらず。

74. Beast Cops 野獸刑警 (1998, Gordon Chan, Dante Lam). 恥ずかしながら未見だが、アンソニー・ウォンの刑事もの。邦題「ビースト・コップス 野獣刑警」、DVDが出ている。配信は見当たらない。

2000年代

6. Crouching Tiger, Hidden Dragon 臥虎藏龍 (2000 Ang Lee) 邦題「グリーン・デスティニー」。BD/DVDも配信もある(amazonなど)。えっ、これ香港映画だっけ? ハリウッド&中国映画でしょう?という印象だけどなぁ。これをランクインさせるなら、なぜチェン・カイコー「さらば、わが愛/覇王別姫」がはいらないのか、ちょっと不思議である。

14. Infernal Affairs 無間道 (2002 Andrew Lau, Alan Mak) 邦題「インファナル・アフェア」。00年代香港映画が世界に誇る傑作。BD/DVDも配信もある(amazonなど)。

48. McDull, Prince de la Bun 麥兜菠蘿油王子 (2004 Toe Yuen) アニメ映画. 「マクダル パイナップルパン王子」として劇場公開。DVDも出ているが新品での入手は難しそう。配信みあたらず。

82. Ip Man 葉問 (2008, Wilson Yip). おまたせしました、我らがドニーさん主演「イップマン 序章」である。BD/DVDも配信もあります、もちろん。しっかし、どうせなら「SPL 狼よ静かに死ね」も入れて欲しいよ... 「グリーン・デスティニー」外していいからさ... (スイマセン)

94. KJ 音樂人生 (2009,Cheung King-wai). ドキュメンタリー。大阪アジアンフィルム映画祭2010で「KJ 音楽人生」として公開されたが、ソフト未発売の模様。

2010年代

100. Gallants 打擂台 (2010, Derek Kwok, Clement Cheng). 邦題「燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘」。えーっと、ブルース・リャン(往年のアクションスター, チャウ・シンチー「カンフー・ハッスル」における最強の悪役)によるアクション・コメディね。BD/DVDで入手可能だが、配信は確認できなかった。

62. Love in a Puff 志明與春嬌 (2010 Pang Ho-cheung) 鬼才と呼ばれるパン・ホーチョンの監督作。予告編をみたらショーン・ユーが出ている、観てみたいなあ。Wikipediaによれば、東京国際映画祭2010「アジアの風」で「恋の紫煙」として上映、その後も映画祭上映はあったが、ソフト化の予定はない由。あ!Netflixで配信されている。最近はこんな風に、劇場公開もソフト化もすっ飛ばしていきなりネット配信されることがあるから、油断できない。

番外編

 こうして並べてみて気がついたんだけど、なんと、1984年の「風の輝く朝に」(Hong Kong 1941, 等待黎明)がランクインしていない。この映画こそ、80年代香港が生んだ奇跡の傑作だと思うんだけどなあ... 入れて下さいよ... 「グリーン・デスティニー」外していいからさ... (しつこい)
 残念なので動画を貼っておきます。DVDあり、配信あり(amazonなど)。

雑記 - 覚え書き:香港映画ベスト100 [年代編]

 Time Out HK による The 100 best Hong Kong movies にランクインしている香港映画について、邦題・日本での公開有無・日本でのソフト化を調べてみよう、その二回目。
 前回は3本以上ランクインしている監督の作品を並べた。今回は2本ランクインしている監督の作品。

リー・ティエ (李鉄)
知らなかったんだけど、かつての大監督だそうだ。2本ランクイン。

29. In the Face of Demolition 危樓春曉 (1953 Lee Tit) ブルース・リー子役時代の出演作らしい。日本公開もソフト・配信もない模様。

75. The Purple Hairpin 紫釵記 (1959, Lee Tit). IMDBではZi chai jiでひっかかる。ミュージカルらしい。日本公開もソフト・配信も、もちろん見当たらない。

リー・チェンフォン (李晨風)
この人も昔の有名な監督らしい。2本ランクイン。

18. Cold Nights 寒夜 (1955 Lee Sun-fung) 中国語圏映画の歴史について読んでいると出てくるタイトルですね。日本公開もソフト・配信もなさそう。

37. The Orphan 人海孤鴻 (1960 Lee Sun-fung) ブルース・リー子役時代の最後の作品だそうだ。日本公開もソフト・配信もなさそう。

チュン・キム (秦劍)
2本ランクイン。

59. Parents' Hearts 父母心 (1955 Chun Kim) IMDBではFu mu xinでひっかかる。日本公開もソフト・配信もなさそう。

39. My Intimate Partner 難兄難弟 (1960 Chun Kim) 日本公開もソフト・配信もなさそう。ピーター・チャン監督に「月夜の願い 新難兄難弟」というのがあるけど、あれはこの映画のリメイクなのかしらん。

Doe Ching (陶秦)
50-60年代に活躍した監督らしい。2本ランクイン。

50. Our Sister Hedy 四千金 (1957 Doe Ching) 日本公開もソフト・配信もなさそう。

71. The Blue and the Black 藍與黑, The Blue and the Black 2 藍與黑續集 (1966, Doe Ching). ショウブラ映画だそうだ。日本公開もソフト・配信もなさそう。

ウォン・ティンラム (王天林)
2本ランクイン。ひょっとして... この監督、バリー・ウォン監督の父にして、ジョニー・トー映画によく出てくる、あのジャバ・ザ・ハットみたいな老人ではなかろうか。

11. The Wild, Wild Rose 野玫瑰之戀 (1960 Wang Tianlin) 日本公開もソフト・配信も見当たらない。

92. Father Takes a Bride 小兒女 (1963, Wang Tianlin). 「傾城之恋」で知られる作家・張愛玲が脚本を書いた映画らしい。日本公開もソフト・配信も見当たらない。動画もみつけられなかった。

キン・フー (胡金銓)
香港のクロサワともいわれる大監督。2本ランクイン。「侠女」も「山中傳奇」も入ってない...意外だ。

69. Come Drink with Me 大醉俠 (1966, King Hu) 名匠キン・フーの作品だが、悲しいことに未見である。劇場未公開だが邦題「大酔侠」としてBD/DVDが出ている。配信は見当たらない。しょうがない、ソフトを買うか...

24. Raining in the Mountain 空山靈雨 (1979 King Hu) 邦題「空山霊雨」。DVDがあるけど入手困難、配信も見当たらない。どこかで上映してくれるのを辛抱強く待つしかない。

Cacile Tang Shu-shuen (唐書璇)
噂には聞いたことがあるぞ。独立系映画の女性監督。作品数は多くないはずだが、2本ランクイン。

7. The Arch 董夫人 (1969 Cacile Tang Shu-shuen) 日本公開もソフト・配信もなさそう。

27. China Behind 再見中國 (1974 Cecile Tang Shu-shuen) 日本公開もソフト・配信もなさそう。これ、観てみたいなあ。

ジャッキー・チェン (成龍)
偉大な映画人に敬意を表し、監督作だけでなく主演作もピックアップして無理矢理2本とカウントした。このランキング、やっぱし少し偏ってません?

34. Drunken Master 醉拳 (1978 Yuen Woo-ping) 邦題「ドランクモンキー 酔拳」。BD/DVDも配信もある(amazonなど)。

65. Police Story 警察故事 (1985, Jackie Chan) 邦題「ポリス・ストーリー/香港国際警察」、人類の映画史に燦然と輝く傑作である。BD/DVDも配信もありまくる(amazonなど)。

ラウ・カーリョン (劉家良)
香港カンフー映画の大スターにして名監督。主演作はランクインなし、監督作が2本入っている。どちらもリュー・チャーフィー主演。

49. Dirty Ho 爛頭何 (1979 Liu Chia-liang) 、邦題「少林皇帝拳」。DVDが出ているが入手は難しそう。配信みあたらず。

45. The Eight Diagram Pole Fighter 五郎八卦棍 (1983 Liu Chia-liang) 邦題「少林寺秘棍房」。DVDが出ているが入手は難しそう。配信みあたらず。

アレン・フォン (方育平)
80年代に香港ニューウェーブと呼ばれた監督たちのひとりで、私小説じゃなくて私映画とでもいうような独自の映画を撮る人...などと書いているが、私は機会がなくて数本しか観ていない。まあとにかく、こういう名作ランキングでピックアップしやすい人であろう。2本ランクイン。「ジャスト・ライク・ウェザー 美國心」が有名だけど、入ってないなあ。

33. Father and Son 父子情 (1981 Allen Fong), アレン・フォンのデビュー作、うわさに聞く名作。頑張って検索したところ、福岡市総合図書館が97年に「父子情」として上映している。ソフト・配信みあたらず。いつか観たいものだ。

77. Ah Ying 半邊人 (1983, Allen Fong) たぶん日本公開もソフト・配信もない。動画さえみつけられなかった。

パトリック・タム (譚家明)
香港ニューシネマの一世代前の監督。2本ランクイン。

85. Nomad 烈火青春 (1982, Patrick Tam). 邦題「レスリー・チャン 嵐の青春」。日本に熱狂的なファンを持つレスリー・チャン主演だけあって、何度か映画祭公開され、DVDも出ている模様。ファンというのはありがたいものだ。配信みあたらず。

67. After This Our Exile 父子 (2006, Patrick Tam). アーロン・クオック主演、東京国際映画祭2005「アジアの風」で「父子」として上映されている。ソフト・配信は見あたらない。観たいよー、観たいよー(泣)

スタンリー・クワン (關錦鵬)
2本ランクイン。

35. Rouge 胭脂扣 (1988, Stanley Kwan) 邦題「ルージュ」、残念ながら未見。おお、DVDはもちろん配信もあるぞ(amazonなど)、観なければ。ひとえにレスリー・チャンのファンのみなさまのおかげである。

20. Center Stage 阮玲玉 (1992 Stanly Kwan). 邦題「ロアン・リンユィ 阮玲玉」。DVDが出てるけど入手は難しそう。配信みあたらず。

ジェフ・ラウ (劉鎮偉)
ウォン・カーウェイ映画のプロデューサーという印象だったんだけど、調べてみたら大監督なんですね。2本ランクイン。

60. The Legendary la Rose Noire 黑玫瑰對黑玫瑰 (1992 Jeff Lau) コメディの傑作「黒薔薇VS黒薔薇」。レオン・カーフェイの髪型がどんどん変わっていく場面、思い出すだけで可笑しい。DVDが出ているけれど入手は困難、配信もないらしい。残念、もう一度観たいんだけど。

19. A Chinese Odyssey 西遊記 (1995 Jeff Lau) チャウ・シンチー主演、2部構成の映画。「チャイニーズ・オデッセイ」として劇場公開。DVDがあるが入手困難。配信あり(Netflix)。

イー・トンシン (爾冬陞)
なんというか、どんな作品でも撮る職人的監督という印象がある。2本ランクイン。

78. C'est La Vie, Mon Cheri 新不了情 (1993, Derek Yee). 検索するまでわからなかったのだが、邦題は「つきせぬ想い」、難病恋愛映画の秀作である。アニタ・ユンかわいかったっすね。DVDは出ているが入手は難しそう、配信は見当たらなかった。

93. Viva Erotica 色情男女 (1996, Derek Yee, Lo Chi-leung) はいはい、邦題「夢翔る人/色情男女」, レスリー・チャンのコメディね。DVDが出たらしいけど入手は難しそう、配信も見当たらない。レスリー・ファンの淑女のみなさん、なにやってんですか!署名運動でもしてくださいよ!

ピーター・チャン (陳可辛)
2本ランクイン。

12. Comrades: Almost a Love Story 甜蜜蜜 (1996 Peter Chan) 邦題「ラブソング」。DVDはある。配信は見当たらない。

26. The Warlords 投名狀 (2007 Peter Chan) 邦題「ウォーロード/男たちの誓い」。BD/DVDはある。配信はみあたらない。

フルーツ・チャン (陳果)
2本ランクイン。

17. Made in Hong Kong 香港製造 (1997 Fruit Chan) 邦題「メイド・イン・ホンコン」。BD/DVDも配信もある(amazonなど)。フルーツ・チャンって当たり外れがあるので、なんとなく観ずに済ませていたんだけど、こんど観てみるか。

91. Durian Durian 榴槤飄飄 (2000, Fruit Chan) 邦題「ドリアンドリアン」。DVDがあるが入手困難。配信みあたらず。

チャウ・シンチー (周星馳)
2000年代以降の香港を代表するヒットメーカー。2本だけランクイン。

42, Shaolin Soccer 少林足球 (2001 Stephen Chow) 邦題「少林サッカー」。いやー、公開当時はCGの使い方が革新的で、衝撃の面白さでした。DVDも出ているし配信もある(TSUTAYA TV)。下に貼り付けたのは海外版の予告編だが、これじゃなくて、チャウ・シンチーがひたすら数百メートル先の壁に向かってサッカーボールを蹴る、すごく可笑しい予告編があったと思うんだけどな...

87. Kung Fu Hustle 功夫 (2004, Stephen Chow) 邦題「カンフー・ハッスル」。これを評価しなかったらいったいなにを評価すればよいのかという傑作。BD/DVDはもちろん入手可能だし、あっちこっちで配信されているぞ。

以上で34本。残りは別のエントリで。

雑記 - 覚え書き:香港映画ベスト100 [監督編 Part 2]

 なるべく現実から目を背け、映画のことなどを考えるようにしている今日この頃であり、そこで対象となる映画の多くは香港映画である。先日 Time Out HK による The 100 best Hong Kong movies という記事をみつけ、しばし眺めて過ごした。けっ、なぜあの映画が入ってないんだよ、なんだかスノッブなチョイスだな... などとぶつぶつ不平を漏らしたりして、ちょっと楽しいですね。
 あいにく知らない映画が多いもので、これは日本で公開されているんだろうか、などと検索しはじめたら、どんどん深みにはまってしまった。

 というわけで、上記ランキングに挙げられているタイトルを適宜並べ替え、邦題、日本での公開有無、日本でのソフト化、日本でのネット配信について、わかった範囲でメモしておく。ついでにYoutubeで動画を探して貼ってみた。
 長くなるので3つのエントリに分けます。

 まずは監督別。監督作が複数本ランクインしている監督の作品を並べる。

アン・ホイ (許鞍華)
こういう名作ランキングの常連といえば、やはり現代香港を代表する名監督アン・ホイであろう。6本も入っている。

96. The Secret 瘋劫 (1979, Ann Hui). 監督第1作。福岡市総合図書館はアジア映画の収集に取り組んでいるが、この作品も収集したようで、1997年に「シークレット」として上映している。ソフト、配信ともに見当たらない。これ、香港ではデジタル・リマスター版ソフトが出ているくらいの名作らしいんですけど... 観たい...

90. The Spooky Bunch 撞到正 (1980, Ann Hui). 監督第2作、ジョセフィーヌ・シャオ主演のホラー・コメディ。日本公開もソフト・配信もないと思う。アン・ホイの映画を日本語で観ることができないなんて、国家的損失ですよ...

2. Boat People 投奔怒海 (1982, Ann Hui) 邦題「望郷 ボート・ピープル」。ベトナム戦争終結後の庶民の悲劇を描き、アン・ホイの最高傑作として知られる作品。私はずっと前に、レンタルビデオ屋のVHSで観て深い感銘を受けた。残念ながら、DVDにはなってないし、配信も見当たらず、いまでは観たくても観られない。

43. Summer Snow 女人,四十。(1995 Ann Hui) 邦題「女人,四十。」。日本で広く知られているアン・ホイ作品だが、残念ながら未見。DVDが出てるが入手は難しそう。配信も見当たらない。

31. Ordinary Heroes 千言萬語 (1999 Ann Hui) これも名作の誉れ高い作品。邦題「千言萬語」として何度か映画祭上映されているのだが、残念ながら未見。もちろんソフトなんてない。みたいよう、みたいよう(泣)

28. A Simple Life 桃姐 (2011 Ann Hui) 邦題「桃さんのしあわせ」。現時点でもっとも観るのが容易なアン・ホイ作品だと思う。BD/DVDが入手可能、配信は見当たらない。

ウォン・カーウェイ (王家衛)
世界的な人気監督だが、思うように映画を作れない可哀そうな映画作家でもある。5本入っている。

4. Days of Being Wild 阿飛正傳 (1990 Wong Kar-wai) 邦題「欲望の翼」。DVDあり、配信あり(Google Play)。

25. Chungking Express 重慶森林 (1994 Wong Kar-wai) 邦題「恋する惑星」、一時代を画した名作ですね。BD/DVDあり、配信あり(iTunesなど)。

53. Ashes of Time 東邪西毒 (1994, Wong Kar-wai) 邦題「楽園の瑕」。BD/DVDあり、配信は見当たらず。

79. Happy Together 春光乍洩 (1997, Wong Kar-wai) 邦題「ブエノスアイレス」。もちろんBD/DVDあり、配信あり(iTunesなど)。

1. In the Mood for Love 花樣年華 (2000 Wong Kar-wai) これが1位かー。邦題「花様年華」、BD/DVDも配信もある(amazonなど)。

ツイ・ハーク (徐克)
一時代を築いた名監督・プロデューサー。監督作だけでも5本ランクインしている。

63. The Butterfly Murders 蝶變 (1979, Tsui Hark). デビュー作。たぶん日本公開なし、ソフト・配信なし。

58. Dangerous Encounters – First Kind 第一類型危險 (1980 Tsui Hark) 邦題「ミッドナイト・エンジェル/暴力の掟」。DVDが出ているが入手は難しそう。配信あり(VideoMarket)。

38. Zu: Warriors from the Magic Mountain 新蜀山劍俠 (1983 Tsui Hark) 邦題「蜀山奇傅・天空の剣」ね。DVDが出ている。配信はみあたらない。

56. Peking Opera Blues 刀馬旦 (1986, Tsui Hark). 邦題「北京オペラブルース」。DVDが出ているが入手は難しそう。配信はみあたらない。

70. Once Upon a Time in China 黃飛鴻 (1991 Tsui Hark). いわずとしれた大ヒットシリーズの第一作。劇場公開時の邦題は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」だったけど、現在発売されているソフトは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明」となっている。BD/DVDも配信もある(amazonなど)。

チュー・ユアン (楚原)
ショウ・ブラザーズを代表する大監督。4本ランクイン。

80. The Great Devotion 可憐天下父母心 (1960, Chor Yuen) IMDBではKe lian tian xia fu mu xin。どうやら香港映画史上の有名な映画らしい。日本公開、ソフト、配信、いずれもみあたらない。

76. Intimate Confessions of a Chinese Courtesan 愛奴 (1972, Chor Yuen). 邦題「エロティック・ハウス/愛奴」、全然知らなかったが、Wikipediaによればショウブラ製作、香港映画初のレズビアン映画なのだそうだ。「エロティック・ハウス」という邦題でDVDが出ているが入手は難しそう。配信は見当たらない。

73. The House of 72 Tenants 七十二家房客 (1973, Chor Yuen) あー、これ聞いたことある。楚原監督のヒット作だ。水道橋のアテネ・フランセ文化センターのデータベースに入っているから、あそこで上映されたことがあったのかも。ソフト、配信ともに見当たらない。

83. The Magic Blade 天涯‧明月‧刀 (1976 Chor Yuen) 邦題「マジック・ブレード」。ティ・ロン主演のショウブラ映画。DVDが出ている。配信は見当たらない。

ジョニー・トー (杜琪峰)
4本ランクイン。「エグザイル/絆」は入れないんだ... へー...

52. The Mission 鎗火 (1999, Johnnie To). 邦題「ザ・ミッション 非情の掟」。DVDが出ているが入手困難, 配信も見当たらない。もう一度観たいのにーーー。

72. PTU (2003, Johnnie To) 邦題「PTU」、私の心のなかの香港映画オールタイム・ベストテンに必ず入る、心に深く残る作品。おいおい、PTUが72位か... DVDは出ているが新品は入手困難。配信は見当たらない。ちなみに、下に貼り付けるオリジナル予告編も最高です。

9. Election 2 黒社會 以和為貴 (2006 Johnnie To) 邦題「エレクション 死の報復」。第1作「エレクション 黒社会」じゃなくてこっちをランクインさせたのね。DVDが出ているがおそらく入手困難。配信あり(Netflix)。

32. Mad Detective 神探 (2007 Johnnie To, Wai Ka-fai) 邦題「MAD探偵 7人の容疑者」。DVDが出ている。配信はみあたらない。

リー・ハンシャン (李翰祥)
ショウ・ブラザーズの大監督。4本ランクイン。

40. The Kingdom and the Beauty 江山美人 (1959 Li Han-hsiang) 邦題「江山美人」として劇場公開されたらしい。ショウブラ・ミュージカルの金字塔とのこと。ソフト、配信はなさそう。

5. The Love Eterne 梁山伯與祝英台 (1963 Li Han-hsiang) この映画、なんだか面白そうなので、頑張って探してみたところ、2004年に福岡で「香港映画の黄金時代 II」という上映会をやっていて、キン・フー「大酔侠」などと一緒にこの映画も上映されている。題名は「梁山伯と祝英台」。撮影監督が西本正であったというつながりらしい。ソフトも配信も見当たらない。

88. Empress Wu 武則天 (1963, Li Han-hsiang). ショウブラの昔の映画は結構日本でDVDになってるようなので、期待を胸に探してみたのだが、ソフトも配信も見つからなかった。

47. Reign Behind a Curtain 垂簾聽政 (1983, Li Han-hsiang) 本来、この映画は「火焼圓明園」「垂簾聴政」の2本組。この2本をまとめて思い切り短縮したのが、日本でヒットした映画「西太后」である(道理で、なんだか慌ただしく話が進む映画でしたよね)。「西太后 完全版」というDVD Boxが出ているが、入手は難しそう。配信は見当たらない。

ジョン・ウー (呉宇森)
いや、もうね、香港ノワール時代のウー監督は光り輝いていたのですよ、本当に...。3本ランクイン。

3. A Better Tomorrow 英雄本色 (1986 John Woo) 邦題「男たちの挽歌」。香港ノワールの時代を築いた記念碑的作品である。ソフトあり、配信あり(amazonなど)。

64. The Killer 喋血雙雄 (1989 John Woo) 邦題「狼 男たちの挽歌・最終章」, ジョン・ウーの傑作のひとつ。BD/DVDも出まくっているし配信もある(amazonなど)。

99. Hard Boiled 辣手神探 (1992, John Woo). タイトルを目にするだけで涙が... 邦題「ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌」。ジョン・ウー監督の最高傑作は、ハリウッドでは「フェイス/オフ」、香港ではこれではないかと思う。私はDVDで繰り返し観ております。配信あり(VideoMarket)。

チュー・シーリン (朱石麟)
戦前の上海、戦後の香港で活躍した監督だそうだ。3本ランクイン。

15. Sorrows of the Forbidden City 清宮秘史 (1948 Zhu Shilin) 50年代に「清宮秘史」として劇場公開された模様。ソフト・配信はなさそう。

57. Festival Moon 中秋月 (1953, Zhu Shilin) IMDB ではZhong qiu yue. 日本公開もソフト・配信もなさそう。動画も見つからなかった。

30. The Eternal Love 同命鴛鴦 (1960 Zhu Shilin) おお、これも福岡市総合図書館が97年に「同命鴛鴦」として上映している。ソフト・配信はなさそう。動画を探したんだけど、同名のTVドラマに埋もれてしまって見つけられなかった。

以上で34本。続きは別のエントリで。

雑記 - 覚え書き:香港映画ベスト100 [監督編 Part 1]

2019年8月30日 (金)

 このブログには、ソフトのインストールにまつわる覚え書きのようなものは書かないことにしているんだけど、今回はあまりに時間をかけてしまったので、なんとなく記録してしまう次第である。
 Rで日本語テキストの形態素解析を行う際の定番パッケージ RMeCab が、WindowsのR 64bit環境ではうまく動かないことがある、という問題について。
 以下、環境は Windows 7 x64 build 7601, R 3.6.1, Rtools 3.5.0.4である。

MeCab正規版の場合

まずはMeCabのインストール。https://taku910.github.io/mecab/ からmecab-0.996.exeをダウンロードしてインストールした。辞書はSHIFT-JIS, インストール先はC:\MeCabとした。PATHにC:\MeCab\binを追加し、コマンドラインから動作を確認。

おつぎはRMeCabのインストール。RStudioを立ち上げて

> install.packages("RMeCab", repos = "http://rmecab.jp/R")
> library(RMeCab)
> res <- RMeCabC("すもももももももものうち")

なんと、R Session Abortedとなる。なぜだー。

RMeCabをソースから再インストール。

> install.packages("RMeCab", repos = "http://rmecab.jp/R", type = "source")

すると、32bitのほうは... (以下、C:/Users/の直下のフォルダ名を伏字にしてます)

C:/Rtools/mingw_32/bin/g++ -shared -s -static-libgcc -o RMeCab.dll tmp.def Ngram.o NgramDF.o NgramDF2.o RMeCab.o RMeCabC.o RMeCabDoc.o RMeCabFreq.o RMeCabMx.o RMeCabText.o collocate.o docDF.o docMatrix2.o docMatrixDF.o docNgram2.o docNgramDF.o setMeCabMap.o -L/usr/local/lib -lmecab -LC:/PROGRA~1/R/R-36~1.1/bin/i386 -lR
installing to C:/Users/xxx/Documents/R/win-library/3.6/00LOCK-RMeCab/00new/RMeCab/libs/i386

と無事通過するんだけど、64bitのほうは

C:/Rtools/mingw_64/bin/g++ -shared -s -static-libgcc -o RMeCab.dll tmp.def Ngram.o NgramDF.o NgramDF2.o RMeCab.o RMeCabC.o RMeCabDoc.o RMeCabFreq.o RMeCabMx.o RMeCabText.o collocate.o docDF.o docMatrix2.o docMatrixDF.o docNgram2.o docNgramDF.o setMeCabMap.o -L/usr/local/lib -lmecab -LC:/PROGRA~1/R/R-36~1.1/bin/x64 -lR
C:/Rtools/mingw_64/bin/../lib/gcc/x86_64-w64-mingw32/4.9.3/../../../../x86_64-w64-mingw32/bin/ld.exe: cannot find -lmecab
collect2.exe: error: ld returned 1 exit status
DLLは生成されませんでした
ERROR: compilation failed for package 'RMeCab'
* removing 'C:/Users/xxx/Documents/R/win-library/3.6/RMeCab'
* restoring previous 'C:/Users/xxx/Documents/R/win-library/3.6/RMeCab'
Warning in install.packages :
installation of package ‘RMeCab’ had non-zero exit status

というわけで、インストールに失敗する。な・ぜ・だー。

先人の残した貴重なメモ http://shimocchi.hatenablog.jp/entry/2017/07/04/172302 を研究し、これはずいぶん手間がかかる話だ、と悟った。

まずはVisual Studio Build Tools 2017のインストール。https://visualstudio.microsoft.com/ja/thank-you-downloading-visual-studio/?sku=BuildTools&rel=15 からインストーラをダウンロードし、Visual Studio Build Tools 2017を選択。

次に、MeCabのソースをダウンロード。https://taku910.github.io/mecab/ からmecab-0.996.tar.gzをダウンロードし、C:\work\mecab-0.996に展開。

ソースコードの修正。https://qiita.com/tobesan/items/6b6f3a025fdd177ef52a の教えに従い、Makefile.msvc.in, feature_index.cpp, mecab.h, writers.cpp, common.hを修正。なお、writer.cppは、左記ページで説明されている旧コード(260行目)と実際のコードが異なっていたので悩んだが、新コードに修正した。

管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、

>cd c:\work\mecab-0.996\src
>call "C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2017\BuildTools\VC\Auxiliary\Build\vcvarsall.bat" amd64
>nmake -f Makefile.msvc.in

なんかものすごくいろんなメッセージが出て怖かったのだが、とにかく、C:\work\mecab-0.996\src\libmecab.dllというファイルが生成された。

ライブラリのコピー。管理者権限で、C:\MeCab\bin\libmecab.dll を C:\Program Files\R\R-3.6.1\bin\i386 にコピー。C:\work\mecab-0.996\src\libmecab.dll を C:\Program Files\R\R-3.6.1\bin\x64 にコピー。

ふたたびRStudioを立ち上げて

> install.packages("RMeCab", repos = "http://rmecab.jp/R", type = "source”)

正常終了!
 祈るような気持ちで

> library(RMeCab)
> res <- RMeCabC("すもももももももものうち")

と試してみたところ... 無情にも、やはり R Session Abortedになる。なーぜーだー。

 このようにRが落ちてしまうのはR 64bit版の場合であって、32bit版ならちゃんと動作する。 RMeCabを使いたくなるたびにR を32bit版に切り替えればいいんだけど、でも、そんなの嫌じゃないですか。
 R 64bitでRMeCabが動かないことがあるというのは、新発見でもなんでもない。RMeCab開発者の先生もちゃんと注記して下さっている。諦めきれない私が悪いのです。

 他にもいろいろなことを試したのだが、メモは省略する。
 数時間粘ってついに断念。やけになって、C:\Program Files\R\R-3.6.1\bin\ の下にコピーしたライブラリを削除し、 mecab をきれいさっぱりアンインストールし、PATHを元に戻し、C:\Users\xxx\Documents\R\win-library\3.6 のRMeCabを削除し、PCをシャットダウンし、買い物に出かけた。

MeCab 64bit版の場合

 世の中には奇特な方がいらっしゃるもので、Windows 64bit 用にMeCabをビルドして下さっている方がいらっしゃることに気が付いた。
 ありがたいことだ... というわけで、再挑戦。

 https://github.com/ikegami-yukino/mecab/releases から mecab-64-0.993.2.exeをダウンロードしインストール。辞書はSHIFT-JIS, 話がややこしくなるのが怖くてインストール先は変更せず、C:\Program Files\MeCab のままとした。PATHにC:\Program Files\MeCab\binを追加。
 コマンド・プロンプトから動作確認したがエラーとなる。しばし悩んだうえ、環境変数 MECABRC=C:\Program Files\MeCab\etc\mecabrc を定義。無事動作することを確認した。

 RStudioを立ち上げ、RMeCabをインストールしてみると...

> install.packages("RMeCab", repos = "http://rmecab.jp/R")
> library(RMeCab)
> res <- RMeCabC("すもももももももものうち")
> res
[[1]]
名詞
"すもも"

[[2]]
助詞
"も"

[[3]]
名詞
"もも"

[[4]]
助詞
"も"

[[5]]
名詞
"もも"

[[6]]
助詞
"の"

[[7]]
名詞
"うち"

う...動いた....!!!
 というわけで、無事に難関を突破したという喜びと、これにいったい何時間かけたんだという虚脱感で、しばし呆然とディスプレイを眺めたのであった。
 
 なお、上記は R 64bit だけでなく R 32bitでも動く。また、install.packages("RMeCab", repos = "http://rmecab.jp/R", type = "source") は失敗する。

 正直疲れましたが、ともあれ、MeCab開発者のみなさま、RMeCab開発者のみなさま、Web上で情報を提供して下さっている皆々様にお礼申し上げますです。

雑記 - 覚え書き:Windows上の R x64 で RMeCabが動かない問題

2019年8月24日 (土)

読んだものはなんでも記録しておこうということで...

阿部誠(2014) 近年のマーケティング・サイエンスのトレンド-構造モデリング. マーケティングサイエンス, 22(1), 1-4.
 掲載誌の巻頭言みたいな感じの短い記事なんだけど、実証IO(っていうんでしたっけ? あのすごく難しい奴)で言うところの構造モデリングについての、わたしみたいなど素人向けの解説。とても勉強になりました。

 いわく、経済学では現象をエージェントの最適化の結果にして均衡状態と捉えるのに対して、マーケティングではエージェントの行動はいまは最適じゃないからどうやって最適化するかという風に考えるし、そもそも企業は均衡を崩すことで競争優位を勝ち取るともいわれている。このちがいに注意、とのこと。なるほどー。

 えーと、最近あっち方面の話を読んでると、よく「構造推定」ってのが出てきますけど、同じ話でしょうか?
 まあいいや。次はChintagunta, Erdem, Rossi, Wedel (2006, Mktg.Sci.)というのを読むといいらしい。...って、おいちょっとまて、Chintaguntaって比例ハザードモデルのChitagunta? ErdemってシグナリングのErdem? RossiってAllenby-Rossi本のRossi? それにWedelってWedel&KamakuraのあのWedelだよね? あいつら、実はみんな友達であったか...

論文:データ解析(2018-) - 読了:阿部(2014) (最近の経済学でいうところの)構造モデリングとはなにか

2019年8月19日 (月)

 仕事の都合で、大企業における女性管理職登用についての日本語の論文をいくつか探して読んでいたんだけど、いずれも「あれも問題だしこれも問題ですよね」というような、なんというかぬるま湯のような内容で、いささか参った。これは誰が悪いって話じゃなくて、きっとそうならざるを得ないタイプの問題なのであろう。
 その中で唯一、あっこれ面白い...と思った論文についてメモ。

中川由紀子 (2013) 女性管理職育成・登用をめぐるエージェンシー理論分析 -日米間3社の事例分析-. 経営哲学, 10(2), 82-92.

 いわく。
 なぜ男女均等処遇が進まないのか。内閣府の男女共同参画白書のまとめでは、ワークライフバランス、女性のキャリア形成支援、意識改革、の三点が挙げられている。他にもいろんなことがいわれている。保育所が足りないとか。
 ここではそういうんじゃなくて、企業の側からみてみよう。
 50年代、Beckerという人は「経営者は女性労働者に対して差別的嗜好を持っている」と考えた(嗜好差別理論)。しかし上場企業であれば株主価値や利潤を犠牲にしてまで好みを貫くことはないだろう。
 70年代、Arrowらは経営者が集団のステレオタイプに基づいて判断すると考えた(統計的差別理論)。たとえば、女性が平均として結婚・出産で離職しやすいから、採用を控えたり昇進させなかったりするという説明。これは、経営者から見て個々人の情報を知るためのコストが高い(と経営者が思っている)という前提での説明である。しかし実際には、統計的差別によって優秀な女性人材を失うという機会コストは大きいから、経営者が個々人についての情報の取得をさぼるとは思えない。

 本稿の説明は次のとおり。
 ここにあるのはエージェンシー問題だ。経営者(プリンシパル)は長期的な全体効率経営を目指してるんだけど、管理職(エージェント)は短期的・利己効率的に考えているせいで、女性登用に積極的になれない。つまりは全体効率性と個別効率性の対立だ。
 とすると、エージェンシー理論からいえば解決策はふたつ、(A)経営者と管理職の情報の対称化、(B)両者の利害の一致、である。
 (A)は難しいけど、(B)の方法なら2つある。(1)モニタリング・システム。つまり経営者がなんとかして管理職を統治する。(2)インセンティブ・システム。経営者がなんとかして管理職を自己統治させる。

 ここからは3つの企業の比較。比べるのは、日本の総合電機メーカーA社、GE、サムソン。いずれも聞き取り調査(著者はA社とGEの人事におられた方なのだそうで、そういわれるとA社がどこだかなんとなくわかっちゃいますね...)。
 A社には管理職の機会主義的な行動を抑制するメカニズムがない。いっぽうGEでもサムソンでも、モニタリングとインセンティブシステムがうまく機能している(紹介が面白かったんだけどメモ省略)。
 云々。

 ... 全くの門外漢なので見当違いな感想かも知れないけど、女性登用をエージェンシー問題という視点からみるという発想がとても面白かった。
 すごく面白かったせいなんだけど、いくつか疑問がわいたのでメモしておくと、

  • 利己的な管理職が女性を登用しにくいのはなぜか。この論文での説明には、「社会的アイデンティティによる同質性再生産バイアスのせい」という説明と、「女性を登用すると離職による短期的不利益が生じる可能性があると管理職が思っているせい」という説明が混じっているような気がするんだけど、本来別の問題ではないかしらん。
  • エージェンシー理論の観点からみてありうる対処のうち(A)情報の対称化については触れられていないんだけど、これは難しいんだろうか。具体的にうまくいくかどうかは別にして、360度評価みたいな多面的な評価は、組織内における情報の非対称性を減らすことにつながっていないかしらん?
  • もし私が超・日本的な経営者だったとしたら(女性への差別的嗜好はないものとする)、そもそもの経営理念として統制ではなく関与を重視し、管理職をより高次な内的要因によって動機付けることでプリンシパル=エージェント関係を超えようと目論み(スチュワードシップ理論っていうんですかね)、そういう組織をどうやって作ろうかと考えたあげく社員を禅寺に連れてっちゃったりするかもしれないと思うんだけど、そういう方向の発想って、やっぱしナンセンスなんですかね?

論文:その他 - 読了:中川(2013) エージェンシー理論から見る女性管理職登用

2019年8月15日 (木)

中塚昭宏, 松川弘明(2018) 集合知メカニズムに基づく投票方式の需要予測手法に関する研究. 日本経営工学会論文誌, 69, 143-152.
 需要予測のための企業内予測市場の報告。第一著者は富士ゼロックスの方。

 提案手法は以下の通り。

  1. 予測対象商品、期間、参加者、賞品を決める。
  2. 「投票フォーム」を設計する。過去の実績データとかプロモーション状況とかを簡潔にまとめる。で、各商品の需要予測区間を設定し(つまり区間証券を取引するわけね)、投票券の枚数を決める(初期資金に相当する概念であろう)。予測区間は10個以内、投票券も商品あたり10枚以内とすべし、とのこと。
  3. 予備実験をやったり説明会をやったりして...
  4. 投票フォームを一斉送信し投票を求める。なんと、webサービスじゃなくて、Excelファイルのメール配布・回収でやるのである!
  5. 需要予測分布を求めて公開。
  6. 商品ごとに、予測が的中した票に付与し、ポイント合計の上位者に商品を配る。

 「ある大手複写機メーカー」で実験やりました。
 参加者は製造販売管理部門の31名。自社商品6個の翌月の需要をあてる。区間数10, ひとりあたり投票券10。投票フォームの送付から回収まで5日間。同じ6個の商品について、5月, 6月, 7月に、それぞれ翌月の需要を当てさせた。

 結果。
 従来社内で使っていた時系列分析による需要予測よりも性能がよかった。また予測分布の分散は予測誤差を捉えていた。
 各参加者の成績は実施月によって異なっていて、特定の優秀な予測者群はみつからなかった。(31人全員の成績が表になっている...)
 「ある予測区間に全票を突っ込む」という行動は一般職の人に多かった。かつ一般職で予測成績が悪かった。マネージャーのほうがさまざまなリスクを想定しているからだろう。(←これ面白いなあ)
 云々。
 
 ざっと目を通すつもりだったんだけど、途中からなんだか楽しくなってきてしまった。盛り上がっている様子が目に浮かぶような気がする。予備実験として「クリアケースのなかのチョコレートの数をあてる」というのをやって、参加者に集合知のパワーを見せつけた模様だ。楽しそうだなあ。
 提案手法のポイントは、取引ルールを思いっきり簡略化して、ワンショットの投票形式にしたところであろう。通常の予測市場と比べてどう変わってくるのかという点が興味深いと思った。

論文:予測市場 - 読了:中塚・松川(2018) 企業内予測市場で需要予測

山田祐樹(2016) 認知心理学における再現可能性の認知心理学. 心理学研究, 59(1), 15-29.
 再現可能性の危機についての意見論文。問題自体にはあんまし関心ないんだけれど、再現可能性評価のための予測市場の話が載っていたので目を通した。
 いくつかメモ:

  • Almenberg, Kittlitz, & Pfeiffer (2009 PLoS One), Hanson (1995 Soc.Epistemology): 科学のための予測市場の活用。両方ノーマークだった...
  • Dreber, Pfeiffer, Almenberg, Isaksson, Wilson, Chen, Nosek, & Johannesson, M. (2015 PNAS): 再現可能性の予測市場をやりましたという報告。前に読んだNature Human Behaviourの論文と、著者が結構重なっている...そういえばあの論文でも予測市場やっていたから、関係があるのかも。
  • 予測市場InTradeが政府に賭博とみなされて休止になったという話がちらっと書いてあるんだけど、賭博とみなされた理由のひとつはオプション取引があったからなのだそうだ。著者いわく、再現可能性の予測市場においてもオプション取引や空売りは導入すべきでないだろう、とのこと。えっ、そうなんですか? 賭博かどうかはペイオフの問題で、取引ルールとは関係ないと思ってた... Ozimek(2014)というwhite paperを見るといいらしい。
  • 著者の先生いわく、そもそも再現可能性予測市場の予測性能が高いかどうかもわからない、とのこと。そりゃまあそうだ、研究の蓄積がないからね。
  • 参加者にはある程度のトレーディングの経験も必要だろう、というくだりでAnderson & Sunder (1995 OBHDP), Peterson (1993 J.Econ.Behav.Org.)というのが挙げられていた。予測市場じゃないと思うけど、面白そうだ。しっかし、わたし株取引の経験とかないのに、予測市場の実験とかやっちゃって、どうもすいません。

論文:予測市場 - 読了:山田(2016) 再現可能性危機 in 認知心理学

2019年8月14日 (水)

荒川歩, 菅原郁夫(2019) 裁判員裁判を想定したフォーカスグループの効果の検証. 社会心理学研究, 34(3), 133-141.
 仕事の都合で目を通した論文。

 いわく、
 米国では裁判の前に陪審コンサルタントを雇い、フォーカス・グループ・インタビュー(ないし質問紙調査や模擬評議)をやって、陪審員がどう反応するか、公判で何を示す必要があるか、自分たちに有利な判断をする陪審員はどんな人か(選任手続きに備えるため)、キャッチフレーズとアナロジーとかがうまく働くかどうか、などなどを調べることがある。[←へええええ!!! 最初のページからもうびっくりですよ]
 しかしフォーカス・グループ(FG)の利用の有効性については検証がない。やってみましょう。
 題材は次の架空の事件。被告人は職場(工事現場)でいじめを受けており、いじめていた人物に暴行を受けている際に工具で反撃し死に至らしめました。目撃者はいません。正当防衛の構成要件の一つである「急迫性の侵害」はあったでしょうか。話を簡単にするため、急迫性の侵害があったら無罪ということにする。

 予備調査。
 著者二名がインタビューガイドを作成、学生6名と5名の2組のFGをつくってインタビュー[詳細略]。それとは別に法科大学院生3名に調査。
 結果。たとえば「違法性阻却事由」について、法科大学院生は一般人でも主旨自体は理解しているだろうと予測したが、実際の学生の一部は、本来の意味と逆の意味に捉えていた(正当防衛っぽいけど正当防衛にならないこと)。このように、一般人がどのように理解しているかはFGなしには気づきにくい。
 さて、別の法科大学院生に、まず争いのない事実と検察官の主張のみを渡して弁護人の弁論を作ってもらい(A)、次にFGの発言録を渡してもう一度作ってもらった(B)。

 本実験。学生31人に、争いのない事実、検察官の主張、弁護人の弁論(上記AかB)を読ませて調査票に回答させた。
 結果。有罪と判断する割合に有意差はなかった。
 「よくわかっていないかもしれないと思われる言葉や文章」をマークさせて文字数を数えて目的変数とし[二つの弁論はそもそも文字数が違うので、実は何を調べているのかいまいちはっきりしないんだけど]、弁論(2)x有罪無罪判断(2)のANOVAをやったら交互作用が有意で、FG情報がない群では有罪無罪判断間に文字数の差がないが、ある群では有罪判断のほうが文字数が多かった。著者ら曰く、わかりやすさには「論としてよくわかるか」と「意味が分かりやすいか」の両方が混じっていて、(後者の意味で)わかりやすいせいで有罪と判断したからこそ、有罪という立場からして(前者の意味で)なぜそのように主張できるのかがわからないところが明確になったのではないかとのこと。[おそれながら、これかなり強気な説明では...]
 有罪無罪判断の確信度にも交互作用があり、FG情報あり群では無罪判断のほうが確信度が高かった。
 云々...

 考察。FGには有用性があるのではないか。云々。

 ...勉強になりましたです。
 なにはともあれ、フォーカス・グループについての実験研究というのを見つけることができたのがうれしい。探してみるもんだな。

 実験・分析の手続きには、ちょっと良くわからない点もあって...
 予備実験で、法科大学院生に弁論を2種類つくらせるくだり、FGからの結果を見たかみてないかという違いと、1回目に書いたか2回目に書いたかという違いが交絡していると思う(仮に弁論が良くなったとして、FGの結果をみたおかげなのか、2回目に書いたからなのかの区別がつかない)。これ、普通の実験だったら結構深刻な瑕疵だと思うんだけど... でも、ここまでレアでユニークな題材だと、もはやなにもいえないっすね。
 本実験の分析で、弁論を読ませてマークさせた文字数を目的変数にとり、弁論タイプと有罪無罪判断の要因にとったANOVAをしているところもなんだか不思議であった。弁論タイプ→文章の読解プロセス→有罪無罪判断 という因果関係を考えると、A→B→CかつA→CというDAGがあるときにAとCで層別してBの差を見ていることになるわけで、あたかもシンプソン・パラドクスの例題のような奇妙さがある。むしろ、弁論タイプ→読解プロセスという分析と、{弁論タイプ & 読解プロセス}→有罪無罪判断という分析をやるのが筋じゃなかろうか。(いやまてよ、もしかすると、本文中でちらっと触れられているように、有罪無罪判断は弁論理解に先行してなされるという視点での分析なのかもしれない。ひょっとして、この分野ではそういう風に考えるのだろうか? だとしたら、それってものすごく怖い話ですね。私が被告人だったら、裁判員には弁論をちゃんと読んだ上で判断してほしい...)

 引用されていた研究をいくつかメモ:

  • Galinsky, et al. (2008 Psych.Sci.): 説得における他者視点取得の効果
  • Gillespie & Rishardson (2011 J.Soc.Psych.): 協同問題解決における他者視点取得の効果
  • 常岡・高野 (2012 社心研): 他者視点取得による攻撃の抑制

論文:心理 - 読了:荒川・菅原(2019) 弁護士にとってフォーカス・グループ・インタビューは有用か

 昔取ったメモのなかからR言語の自作チートシートが出てきた。2011年4月、転職をきっかけにしてRを使わなければらない羽目になり、何冊かの参考書をめくりながらとったノートである。当時はRについて全くの初心者で、右も左もわからない状態であった。
 その後数か月間は折に触れて眺めては、新たに気が付いたことを追記・更新したと思うけれど、いずれ参照しなくなり、すっかり忘れ去っていた。チートシートというのはそういうものであろう。

 それから8年の月日が流れ (自分で書いててショック)、いま見返してみると、いまではごく当然に思えることに新鮮な驚きを感じている形跡があったり、いまでは全く使わなくなった関数について真剣に調べていたり、それまで日々使っていたSAS言語といちいち比べていたり... なんというか、感慨深い。ああ、あのころ私は若かった... (嘘です。当時からおっさんでした)

 せっかくなので、ちょっと整形してブログに載せ、供養としたい。

  • 数値演算子は ^(ないし**), *, /, +, -, %/%(整数除算), %%(剰余)
  • 演算子の優先順位がわからなくなったら ?Syntax をみる
  • 代入記号として <- が推奨されている
  • 代入式を評価すると、左辺の代入後の値が戻る
  • オブジェクト名はcase sensitive
  • ピリオドから始まるオブジェクトはhiddenとなる

データ型

  • atomicなデータ型は5つ: {NULL, logical, numeric, complex, character}
  • numericはメモリ上ではintegerだったりdoubleだったりする
  • is.character() etc. で型を確認
  • as.character() etc. で型キャスト

データ構造

  • 主なデータ構造は{vector, matrix, array, list, data frame}
  • scalarという構造はない。要素1のvectorとして表現する
  • str()で構造とか中身の要約とかを表示
  • vector: ベクトル
    • 要素は任意のデータ型
    • ただし、あるベクトルの中の要素はすべて同じデータ型でなければならない。無理に突っ込むと一番上位の型に強制変換される
    • 生成方法:
      • c() で要素を結合して生成
      • numeric(length=3) etc. でいきなり生成
      • 1:3 ないし seq(3) でベクトル(1,2,3)を生成
      • rep(2:4, 1:3)でベクトル((2),(3,3),(4,4,4))を生成
    • 生成時の注意点
      • c()numeric()でいきなり数値をいれた場合、メモリ上では double になる (Matroff本p.54)。ゆえに c(1,2,3) != 1:3
      • コロン演算子 「:」 の挙動に注意 (Matroff本p.33)。x==0のとき、1:xc(1,0) になってしまう。正方向にのみ動かしたかったら seq()を使うべし。ただし、is.null(x) のとき 1:x は NULL になるので都合がよいという面もある
    • length()が長さを返す
    • ベクトルの加減乗除が可能。要素ごとに計算される。長さが違うときは短いほうが繰り返される。例: t(2:4) %*% 1:3 ないし crossprod(2:4,1:3) が内積20を返す
    • x[3]がベクトルxの3番目の要素(からなるベクトル)を表す。添え字はベクトルでもよい
    • x[-3]はベクトルxの「3番目の要素を除く全要素」のベクトルを表す
    • x == c(1,3,5) のとき、x>4 はベクトル(FALSE, FALSE, TRUE)を返すので、x[x>4]はベクトル(5)を表す
    • このとき、which(x>4)はベクトル(3)を返す。3番目の要素がヒットしたという意味
    • x[] <- 2 は xの全要素を2に置き換える (x <- 2 との違いに注意)
    • 要素に名前をつけることができる。例) x <- c(itemA = 1, itemB=2)x["itemA"]が1を返す (perlのハッシュのような感じで使えるようだ)
  • martix: 行列
    • 次元つきのvector (←ベクトルの特殊な場合と考える。面白いなあ)
    • matrix(1:6, ncol=3) というようにして生成。→ 1列目が(1,2)になる
    • X <- c(1:6); dim(X) <- c(2,3)でも同じ
    • all(X == Y) という風に比較
    • dim(), ncol(), nrow()が次元数、列数、行数を返す
    • row(), col()は同じサイズの行列を返す。その要素は行番号ないし列番号で埋まっている
    • X[i,j] が要素を表す
    • X[i,] が行ベクトル、X[,j]が列ベクトルを表す (気持ち悪い...)
    • 上の記法でアクセスすると、返ってくるのはmatrixかもしれないしvectorかもしれない。X[1,1,drop=FALSE]とするとXと同じ次元数のmatrixを返す
    • 添え字は行列でもよい。これを利用して、(行番号、列番号、値) を行としてもつ行列から表をつくることができる(cf. スペクター本のp.97)
    • diag(X)は対角要素のベクトルを表す
  • array: 配列
    • 任意の数の次元を持つ
    • array(1:12, dim=c(2,3,2))というようにして生成
  • list: リスト
    • 要素として異なる型のデータ構造を含みうる
    • list() で要素を結合して生成
    • L[3]はリストLの3番目の要素からなるリストを返す。添え字はベクトルでもよい
    • L[[3]] がリストLの3番目の要素そのものを表す。それがどんな型のデータ構造かはわからない
    • 二重括弧添字をベクトルにすると再帰的な指定になる。例) L <- list(1:3, c("Hello", "World")) のとき、L[[c(2,1)]]L[[2]][1]は等しい ("Hello")
    • 要素の名前を付けることができる。例) L <- list(Start = 1, End = 2)L[["Start"]] が 1 を返す。これをL$Startと略記できる
  • data frame: データフレーム
    • データセットを表す特殊なリスト
    • 要素は同じ長さのベクトル。つまり、Rではデータセットを行構造体のベクトルとしてではなく、列ベクトルの集合として扱うわけだ
    • data.frame()で要素(データセットの列ベクトル)を結合して生成
    • 文字は勝手にfactorにされてしまう。嫌なら stringsAsFactors=TRUE をつける
    • 要素の名前をつけることができる。例) purchase <- data.frame( product = c("a", "b"))
    • $略記も使える。例) purchase$product[2] == "b"
    • [行番号、列番号] と添え字をつけてアクセスできる。purchase[2,1] == "b"
    • attach()すると変数名を直接呼べるようになる。detach()で解放される。attach()はデータフレームの中身を新しい環境にコピーしている。元のオブジェクトを書き換える際には、attach()していようがいいがデータフレーム名から呼ぶこと。attach()はまちがいのもと、つかわないほうがよい
    • カテゴリカル変数はfactor型として表現される。factorはatomicな型ではなく、factor() で生成されるオブジェクト

リストの操作

  • stack(): リスト要素がすべてベクトルであるとき、それをすべて縦に結合した列と、タグ名を縦に結合した列の2列からなるデータフレームをつくる。例) stack(list(x=1:3, y=4:6, z=7:9))

データフレームの操作

  • データフレームの例:
    purchase <- data.frame(
    product = c("apple", "cheese", "yogurt", "ham", "water"),
    shop = c("drink", "daily", "daily", "meat", "drink"),
    amount = c(2,3,1,5,6)
    )
  • ソート: order()は順位ベクトルを返すので、purchase[order(purchase$amount) , ]でソートしたことになる (なるほどー)
  • 行抽出(SASでいうサブセットif)
    • purchase[["shop"]] == "daily" はベクトル(FALSE, TRUE, TRUE, FALSE, FALSE)を返すから、purchase[purchase[["shop"]] == "daily" , ] とすればよい
    • subset(purchase, shop == "daily") でもよい。subset()は条件がNAになったときにfalse扱いしてくれる
    • %in%演算子をつかってベクトルと比較してもよい。subset(purchase, shop %in% c("daily","meat"))
  • 分割 (SASでいう when ... output ...): LD <- split(purchase, purchase$shop)。LDは3つのデータフレームからなるリストになる。要素はLD$drink, LD$daily, LD$meatとなる
  • 縦に結合 (SASでいうset A B): rbind(LD$drink, LD$daily)
  • 横に結合 (SASでいう byなしのmerge): cbind(1:3,11:13)。ただし長さが同じでないといけない
  • マッチマージ (SASでいうby文つきのmerge):
    • merge(X, Y [, オプション])
    • マッチキーの指定
      • 指定しないと名前が共通する列すべてがマッチキーになる (SQLでいう natural join)
      • by=(ベクトル) ... マッチキーを指定する
      • by.X=(ベクトル), by.Y=(ベクトル) ... データフレーム別にマッチキーを指定する
      • 長さ0のベクトルを指定するとデカルト積になる(SQLの cross join)
      • マッチキーによる事前のソートは不要 (そりゃ助かるね)
    • マージの種類の指定
      • all = FALSE ... マッチした行だけ (SQLの inner join)
      • all.X = TRUE ... Xは全行、Yはマッチした行だけ (SQLの left join)
      • all.Y = TRUE ... Xはマッチした行だけ、Yは全行 (SQLの right join)
      • all = TRUE ... マッチしようがしまいが全行 (SQLの full join)

データの集約(スペクター本の8章)

  • table(X)
    • Xはベクトル、リスト、データフレーム
    • Xにはいっているユニークな行ごとに、その行数を数える
    • Xに入っているベクトルの数の次元数の配列を返す。例, 3本なら3次元配列
    • 各次元には名前がつく。それはデータベクトルに出現する水準
    • exclude=NULL引数で欠損値を含むことができる
    • as.data.frame()に渡すと便利
    • addmargins()に渡すと、各次元につきSum行を追加してくれる
    • prop.table()に渡すと、割合の表に変換してくれる
  • xtabs(formula, data=X): formulaの左辺はなし、ないし頻度ウェイト
  • ftable(X) ※本項は間瀬本p.181
    • Xはふつう table()なりxtabs()なりの出力
    • Xを二次元の表にして返す
    • row.vars = 1:3 で、1,2,3次元が表側、残りが表頭になる
    • write.ftable()に渡すときれいなascii形式にしてくれる。いいんだかわるいんだか
  • 集約のためのヒント
    • グループがすでにリストの要素に分けられている → sapply, lapply
    • グループが行列の行or列である → apply
    • グループが一つ以上のグループ化変数で示されている
      • 操作対象が単一のベクトル
        • 結果はグループごとのスカラー → aggregate
        • 結果はベクトル → tapply
      • 操作対象が複数のベクトル → tapply, by
  • lapply(X, FUN) ないし sapply(X, FUN)
    • ふつうXはリスト。各要素にFUNを適用する。例) x <- strsplit(c("Hello world", "How do you do")," ")length(x) は 2 を返す。sapply(x, length)は c(2,4)を返す
    • lapplyは常にリストを、sapplyは(もし可能なら)ベクトルないし行列を返す
    • Xがデータフレームの場合、各列にFUNを適用する
  • apply(X, MARGIN, FUN)
    • 配列X の次元 MARGINFUNを適用する
    • 結果はベクトルないし行列
    • よく使うFUNについてはすでに関数が用意してあるので探すこと。rowSums(), colSums(), rowMeans(), colMeans(), etc.
    • sweep(X, MARGIN, STAT, FUN)のSTATに渡す。例) 列ごとに最大値を出し, 値をその列の最大値で割る: Y <- sweep(X, 2, apply(X, 2, max) , "/")
  • aggregate(X, BY, FUN)
    • ふつうXはデータフレーム。Xの全列 について BYごとにFUNを適用
    • BYはグループ分け変数のリストでなければならない。X$byvar1なんていうのはだめ。X[c("byvar1","byvar2")] ないし list(v1 = X$byvar1, v2=X$byvar2)とする。
    • BYの値の組み合わせ数ぶんの行を持つデータフレームを返す。BY にNAを持っている行は無視される!
  • tapply(X, INDEX, FUN)
    • ベクトルXについて、INDEXの値ごとにFUNを適用
    • FUNがスカラーを返したら、名前付きベクトルないし行列を返す。as.data.frame(as.table(), responseName="xxx")に渡すとよい。responseNameを指定しないと、結果がFreqという列になってしまう
    • FUNがベクトルを返したら、名前付きリストを返す
      • 例1) INDEXがひとつ
        ranges <- tapply(PlantGrowth$weight, PlantGrowth$group, range)  
        # 下の行でcbindとするとresultは行列になり全要素が文字列に強制変換される
        result <- data.frame(
        group = dimnames(ranges)[[1]],
        matrix (unlist(ranges), ncol=2, byrow=TRUE) #ベクトルの長さが2だとわかってる
        )
      • 例2) INDEXが複数
        ranges = tapply(CO2$uptake, CO2[c("Type","Treatment")], range)
        # rangesは2x2のmatrixで、その要素が名前なしのリストで、
        # リストの要素が長さ2のベクトル。悪夢だ
        result <- data.frame(
        expand.grid(dimnames(ranges)),
        matrix(unlist(ranges),byrow=TRUE,ncol=2)
        )
      • FUNを指定しないと、指定したときに生成されるであろうベクトル(行列, リスト)の添え字を返す
        # 中央値を格納する2x2行列。
        meds <- tapply(CO2$uptake, CO2[c("Type","Treatment")], median)
        # 行数ぶんのベクトル。tapplyが生成する行列の添え字を格納している。
        # ここでは(1,1,1,...,3,3,3,....,2,2,2,...,1,1,1...) となる。
        inds <- tapply(CO2$uptake, CO2[c("Type","Treatment")])
        # それぞれの値から、そのセルの中央値を引くのは
        adj.uptake <- CO2$uptake - meds[inds]
        # この例は、ave()にFUNを指定しても同じことができる
        adj.uptake <- CO2$uptake - ave(CO2$uptake, CO2$Type, CO2$Treatment, FUN=median
  • split(X, F)
    • データフレームXを、因子(のリスト) F で分割し リストにして返す
    • 例) iris データセットの"Species" ごとに、残りの変数の相関行列の第一固有値を求める
      # もし全体についてだったら
      # eigen(cor(iris[setdiff(colnames(iris),"Species")]))$values[1]
      frames <- split(iris[setdiff(colnames(iris),"Species")], iris$Species)
      maxeig <- function(df) eigen(cor(df))$value1[1]
      sapply(frames, maxeig)
    • split()のかわりに行番号をtapply()に与える手もある。 例) iris データセットの"Species" ごとに、残りの変数の相関行列の第一固有値を求める
      # 話を簡単にするために、"Species"は5列目だとわかっているとしよう
      # もし全体についてだったら eigen(cor(iris[-5]))$values[1]
      # いま仮に行番号のベクトルがindであるとすると eigen(cor(iris[ind,-5]))$values[1]
      maxeig <- function(ind, data) eigen(cor(data[ind,-5]))$values[1]
      tapply(1:nrow(iris), iris[5], maxeig, data=iris)
  • by(X, INDEX, FUN)
    • データフレームXについて、INDEXの値ごとにFUNを適用
    • 名前付きリストを返す
    • FUNがデータフレームを返すようにすると便利
    • 例) CO2$uptake の観測数、平均値、標準偏差からなるデータフレームをつくる
      sumfun <- function(x) {
      data.frame(n=length(x$uptake), mean=mean(x$uptake), sd=sd(x$uptake))
      }
      bb <- by(CO2, CO2[c("Type", "Treatment")], sumfun)
      cbind(
      expand.grid(dimnames(bb)), # リストbbのグループ因子をデータフレームに展開
      do.call (rbind, bb) # rbindにリストbbを与え、要素ごとに処理させている。つまり縦結合
      )

雑記:データ解析 - 覚え書き: 私のRチートシート in 2011年4月

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